高松470大詰め。松永対原田、頂上決戦へ
11月24日、曇天の高松沖は朝からこれまでにないいい風が吹いています。といっても風速5メートル程度でしょうか。しかし、2日間で3レースしかできなかった予選を思えば、十分の風です。大会3日目は、上位のゴールドフリートと下位のシルバーフリートに分かれておこなわれました。(BHM編集部)
大会3日目は軽風のなか5レースを消化しました。これだけレースをこなすと選手たちはヘトヘトです。photo by Junichi Hirai
風の振れ、ブローの強弱のある軽風戦ですが、ここで前に来るのはやはりロンドン五輪まで活動していた元ナショナルチームです。コンビこそ違いますが、一般選手に対してアドバンテージがあります。なかでも日本代表を最後まで戦った松永鉄也、代表として戦った原田龍之介、近藤愛らの活躍が目立っています。手に汗握る接戦を見せ、全日本選手権という大舞台を盛り上げました。
本日の戦いは松永鉄也/吉田雄悟が一歩上手。上マークを上位グループで回航すると、得意のダウインウインドでスイスイと追い抜いて 2-3-1-1-2位の成績です。文句の付けようのない見事なレース展開を見せました。
「そんなに余裕なレースじゃないですよ。きょうは(パンピングフラッグがあがったので)ルールに助けられたようなものです。このチームの練習は多くないけどフィーリングは悪くない。それが成績につながっていると思います」(吉田)
対する原田龍之介/今井充は2レース目のアップウインドで裏目、裏目となるコース選択ミスを犯し、19位のカットレースを作りますが、後半は松永艇との接近戦を見せてくれました。
また、決勝に入ってジャンプアップしたのは、五輪代表の近藤愛と同ポイントで4位に浮上した土居一斗/外薗潤平です。日本経済大3年の土居と4年の外薗は岐阜国体優勝コンビ。今年、土居は学生個人戦を二連覇し、彼らが所属する日本経済大は全日本インカレ優勝を果たしました。
土居が1年の時、バルクヘッドマガジンの記事で「モンスタールーキー登場」と書いたところ、「からかわれて恥ずかしいからやめてください」と笑いながら話していたのは3年前。学生チャンピオンは、五輪選手に食らいつくセーラーに成長しています。
「きょうはカットレースを作りましたが、1位も取れたのでよかったです。それにしても松永さんのダウンウインドは速い。前にいたら差を広げられ、後ろからは追い抜かれる。そんなイメージがあるほどの差がある。明日の最終日もしっかり戦います」(土居)
予選3、決勝5レースを終えた時点の上位選手の成績は次の通りです(カッコ内はカットレース)。
1. 松永鉄也/吉田雄悟 12p(3)
2. 原田龍之介/今井充 20p(19)
3. 近藤愛/深沢瑛里 27p(9)
4. 土居一斗/外薗潤平 27p(20)
5. 石川裕也/阿部純 49p(29)
6. 飯束潮吹/八山慎司 52p(15)
最終日は、カットレースが3点の松永/吉田がやや有利な状況で迎えることになります。果たして優勝はだれの手に?
朝の高松ヨットハーバーは曇天で肌寒く、海上は真冬のウエアが必要です。photo by Junichi Hirai
最終日を前にトップに立った松永/吉田。松永鉄也、念願の470全日本初優勝なるか!? 帰着後、話しをしていると「記事に“松永は練習しないとか、練習嫌い”とか書かないでくださいね。学生にそう思われちゃうから。練習大好きです」と釘をさされました。photo by Junichi Hirai
高校生の深沢と組んで出場する近藤愛。「しばらく470から離れていましたが、やっぱり楽しいですね。今回は(深沢と)いろいろ話したり、教えてあげながらレースをしています。うどんもたくさん食べました」とリラックス。photo by Junichi Hirai
松永と原田がサイドマークで接近。この2人の激戦をこれまで何度見たことでしょう。photo by Junichi Hirai
4位の土居/外薗。土居は先月の江の島オリンピックウィークで2013年度470ジュニアワールドの出場権利を獲得済みです。photo by Junichi Hirai
◎全日本470選手権(成績速報など)
http://470alljpn2012.jimdo.com/
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