ブローチング続出!強風J/24全日本選手権
10月18日、福岡小戸で「第32回J/24全日本選手権」が開幕しました。エントリーは14艇。参加艇数は昨年よりも減少しましたが、関東、東海、関西、博多の各フリートから腕利きJセーラーが集まり、4日間の選手権を戦います。(BHM編集部)
小戸ヨットハーバーを拠点に開催されているJ/24全日本選手権。大会初日はガストで30ノットが吹くド強風。少数ながらも見応えのあるレースがおこなわれました。photo by Junichi Hirai
この大会を注目している人は多いことでしょう。J/24は、国内でもっとも普及するワンデザインキールボート。ほとんどのクルーザーセーラーが一度は乗ったことがある、といっていいポピュラーなボートです。このクラスは「日本の魂」ともいえる、クルーザーレースの土台を作り上げてきました。バルクヘッドマガジンでもJ/24の反響は大きく、総合的なアクセス数の高さからも注目度の高いクラスであることがうかがわれます。
またJ/24は、ディンギーからキールボートへの登竜門としてもいまも健在です。実際に、この大会には、全日本インカレを直前に控えた日本経済大ヨット部の選手が散らばって乗艇しています。さらに運営も同大学ヨット部が主体。本来なら470級に乗って、追い込みをかけたい時期ですが、インカレよりもあきらかにレベルの高いヨットレースに触れることで、得るものは少なくないでしょう。
大会初日は朝から10メートル超の北東風で2レースおこなわれました。風は時間とともに吹き上がり、さらに波も高くなり、サバイバルを予感させるコンディションです。スタート後、〈シエスタ〉と〈フォルデフォンテ〉が衝突したのをはじめ、あちらこちらでブローチング。またたくまに阿鼻叫喚のレース海面と化しました。トラブルのないチームはなかったほどの荒れた展開です。
ラフな海面ではやはりベテランチーム、練習量の豊富なチームが前に来ます。初日トップに立ったのは、関東の雄〈月光〉と全日本制覇をひたむきに狙う博多の〈フォックス〉が同点首位に。続いて、ウェルカムパーティーで「優勝杯は必ず持って帰る!」とライバルを刺激した前年度の覇者〈シエスタ〉。強風のなかをうまく切り抜けた〈ステラの子〉が上位を狙う位置につけました。
本大会は10レース(5レース以上で最も悪い1レースの得点を 除外)が予定されています。明日もいい風が吹きそうです。熱く燃える博多湾に注目です!
◎J/24全日本選手権 大会初日成績
1. 月光(尾崎惇人)1-3 4p
2. FOX(近藤慶治)2-2 4p
3. SIESTA(岩出 彰)5-1 6p
4. STELLAの子(村山末明)3-4 7p
5. RIPPLE(辻 寛基)4-6 10p
6. オリーブ5(萩原重一)6-5 11p
※カッコはヘルムスマン氏名です。
※成績詳細は下記写真をごらんください。
昨年同様、岩出ヘルムスマンで連覇に挑戦する〈シエスタ〉。第2レースではフィニッシュ間際で〈フォックス〉と超接近戦を繰り広げ、数10センチの差でトップを獲得しました。photo by Junichi Hirai
毎年優勝候補にあがりながらも惜しくも手が届かない〈フォックス〉。「今年は強風練習が多かった。きょうはその分のアドバンテージがありました」と近藤艇長。photo by Junichi Hirai
ウェルカムパーティーでは、本日78歳の誕生日を迎えた名艇〈マンタ〉の谷伸明オーナーへJ/24をあしらった誕生日ケーキが手渡されました。「継続は力なり!」photo by Junichi Hirai
博多湾とは相性のいい〈月光〉。「事前練習の成果もあってクローズの感触がいい。きょうはブローに振れ幅があって、うまくシフトをつかまえられた」と小島トリマー。photo by Junichi Hirai
釜山から視察に来た韓国J/24セーラーのJUNさん。韓国にはJ/24が20艇ほどあり、今後盛り上げていきたいとのこと。今年、博多から釜山までJ/24を回航して、なんと24時間で走り切ったとか。JUNさんは今年のイエローシーレースで優勝したチームのクルーでもあります。photo by Junichi Hirai
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