OP級伝説の対決、関一人 vs 神谷航路!
10月6、7日、宮城県松島で開催された「ジュニアヨット復興ジャンボリー」。これは小中学生のためのヨットレース&キャンプですが、そのなかでおもしろい企画が催されました。このイベントにアテネオリンピック銅メダリストの関一人選手と、OP級全日本4連覇(97〜00年)を遂げた神谷航路選手が、この復興企画に賛同し、子供たちと一緒にヨットレースに参戦しました。(BHM編集部)
関選手(左)と神谷選手。関選手はこの日のために減量するなどかなりの本気。神谷選手からも「4連覇の前の年は準優勝だったんです」とさりげなく賞歴をアピールし、真剣モードがうかがわれました。レース前、ジュニアからは「この人たち、ほんとうにすごいの?」という目で見られていましたが、終わったあとはすっかり仲良くなっていました。photo by Junichi Hirai
関選手はオリンピック活動後は、現・トヨタ自動車東日本ヨット部でコーチとして活躍。同時にプライベートでは、時々子供のセーリングコーチをつとめていたので、意外にもOP級には「乗っているほう」と言います。開会式でメダリストは、「ガチンコで戦います。みんな、そのつもりで!」と威勢のいいスピーチを披露しました。
関選手は1990年琵琶湖大会の全日本チャンピオンで、1990年アジア大会のOP級金メダリスト。今回の復興ヨットレースには、当時使用していたボートとセールを持参してやってきました。ボートは1986年製なので、26年前から中学を卒業するまで実際に使用していたものといいます。
対する神谷選手も負けていません。レース前には「エンジョイしたい」とコメントしていましたが、前人未到のOP全日本4連覇タイトル保持者としては、負けるわけにはいきません。神谷選手は、早稲田大ヨット部を53年ぶりにインカレ総合優勝へ導いた当時の主将であり、原動力となった選手。現在は、NTT東日本ヨット部に所属してスナイプで活動しています。
レースは2日間にわたって、4レースおこなわれました。2艇はスタート前から接近距離でバチバチと火花を散らします。スタートで神谷選手が前に出ると、関選手は冷静にブローをつかんでジワジワと前に出る。OP向きのカラダではありませんが、ヨットレースのノウハウはベテランです。微風のなかで1位は無理としても、無駄のないコース選びはさすがといえます。
途中、関選手のマストが老朽化のためにディスマスト(曳航中、バングを引いたら折れた)するトラブルもありましたが、このエキシビジョンは大成功です。神谷選手に至っては、スタート前の時間を使って、子供たちと一緒に走り比べ練習をしたり、和やかな中にも真剣なムードでレースは進んでいきました。
レースの結果は、神谷選手が関選手に対して4点差で逃げ切り勝利。総合は、神谷4位、関6位という堂々の結果を残しました。
「OPに乗るのは本当にひさしぶり。少しでも速く走らせようと、いろいろ悩みました。でも、ちょっと風が弱かったですね。次はセールを代えて戦ってみたい。今回の自分のセーリングは、なんとか及第点です。松島は、牡蠣もおいしいし、地元の人もフレンドリー。楽しかったです!」(神谷航路選手)
「負けちゃいました…。言い訳をすると、ラフが深すぎるので、次回は浅いセールで挑みたい、ですね。この復興ヨットレースで、地元の子供たちと話ができたし、一緒に走れたことはとてもうれしい。でも、レースで負けるのは悔しい…。みんなに「こんなおれでもメダルをとれる」ということが、分かってもらえたと思います(笑)。これからも元気なジュニアが登場してくるのを待ってます!」(関一人選手)
バルクヘッドマガジン編集部は、慣れないOP級に乗って、本気で戦った2人に拍手を送りたいと思います。関 vs 神谷の伝説のOP対決は、神谷選手の勝利に終わりました。チャンスがあれば、もう一度みてみたいOP級の王者対決。こうしたエキシビジョンレースもおもしろいですね。
◎松島名取ジュニアヨットクラブ
http://www.geocities.jp/matsushima_jr/
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