9月25〜29日まで、アメリカ・ニューポートでメルジェス32世界選手権が開催されます。バルクヘッドマガジンでは、以前よりこの種目を積極的に紹介しているので、ご存知の方もいると思いますが、この世界選手権に日本から6チームが参戦します。これだけの日本チームがメルジェスワールドに出るのははじめてであり、開催国アメリカに次ぐ勢力となっています。（BHM編集部）

　日本からの出場チームは次のとおり。日本のトップチーム、トップセーラーが大集合となっています。バルクヘッドマガジンはプレワールドからの現地取材を含め、メルジェス32クラスを徹底取材する予定です。おたのしみに！

9月25日から始まるメルジェス32世界選手権。世界の主力選手が集結するワンデザインキールボートレースです。photo by JOY / International Melges 32 Class Association

◎メルジェス32ワールド出場日本チーム（エントリー順）
Esmeralda エスメラルダ
　15年以上アメリカで活動してきたエスメラルダが、昨年よりメルジェス32で復帰。植松眞オーナー／ヘルムスマンを中心に期間限定キャンペーンを組む。タクティシャンは、ボルボオーシャンレース〈プーマ〉の艇長をつとめたケン・リード（USA）が務め、トリマーにはロビー・ナイスミス（NZL）、メインセールにドン・コウイ（NZL）というプロセーラーの中でも超一流選手が脇を固める。日本からは、吉田学、久米敏に加え、バウマンとして各艇で活躍する佐藤大介が乗り込む。ケンが92kg、ドンが101kgということで、ただいま全員減量中。

Mamma Aiuto ! マンマユート！
　海外ではメルジェス24と32で並行活動するマンマユート。亀井直文オーナー／ヘルムスマンによる日本・スペイン合同チームで、プロセーラー山田 寛が活動をコーディネートする。唯一乗艇する日本選手の山田はメインセールトリマーをつとめ、タクティシャンにはマッチレースで経験をつけている若手マニュエル・ウエイラーを配置。本年度、バルセロナウインターシリーズ優勝。7月ヨーロッパ選手権4位。同チームは2006〜09年までPLATU25によるイタリアサーキット、ワールド出場などを経験後、メルジェスで欧州を中心に活動。旧名：ブロス。

Quetefeek ケットフィーク
　X35全日本、関東ミドルボートで常にトップを走ってきたケットフィークが満を持して活動開始。今年はマンマユート（ブロス）のレースにケットフィークが加わるカタチで欧州レースを経験。国内トレーニングを経て、日本人チームとして世界選手権に殴り込みをかける。ヘルムスマンは木村大介オーナー、タクティシャンの荒川海彦に加えて、ロンドン五輪活動組から470級の吉田雄悟（アビーム）、松永鉄也（スリーボンド）が乗艇。さらに、小林正季、川西立人らメルジェスのベテラン、大坪明、木村淳一、林祐城のオリジナルメンバーが乗り込む。

SWING スウィング
　2010年ジャパンカップ優勝した翌年からメルジェス32を開始した日本グランプリレースチームの代表格。二世代続く老舗チームであり、鈴木啓介オーナー／ヘルムスマンの情熱的でハードな練習によりメキメキと力をつけている。ワールドメンバーは、ノースセールジャパンの中村匠による編成で、タクティシャンをマッチレース界からジェスパー・ラディッシュ（DEN）を抜擢。ほか若いデンマークセーラーの多いヤングチームに仕上がっている。血気盛んなラディッシュのスタイルが、名だたる強豪が集うフリートに風穴を空けるか？　9月からは国内で同型艇による最終調整をおこなっているという直前情報もあり、気合十分。

SLED スレッド
　6月NYYCアラウンド・アイランドレースでの優勝が記憶に新しいスレッドは、TP52のアメリカ活動と並行してメルジェス32にも力を注ぐ。メンバーはオール日本選手で、大倉オーナー／ヘルムスマンを筆頭に、本田敏郎、脇永達也、笹木哲也、伊藝徳雄、和歌山英樹、中村健一、浜崎栄一郎という豪華な布陣。これまで幾度となくジャパンカップを制してきたチームだけに、国内のキールボートセーリングのノウハウを詰め込んだ、日本代表的存在といえる。2011年全米選手権3位。

Yasha Samurai 夜叉侍
　昨年のマヨルカワールドで4位（日本過去最高位）を獲得した夜叉侍。石田幸博オーナー／ヘルムスマンの高い向上心と、欧米のプロフェッショナルセーリングのシステムを取り入れることで、合理的なキャンペーンがおこなわれている。日本にも馴染み深いトニー・レイ（USA）がチームをコーディネイト。これまで、ロンドン五輪スター級5位のハーミッシュ・ペッパーがタクティシャンをつとめていたが、今年からメンバーが一新された。日本からは、プロセーラーとして活動の場を広げつつある本吉夏樹が乗艇する。

◎NYYC Melges32 Worlds
http://www.nyyc.org/melges32worlds-sep20-29/
◎International Melges 32 Class Association
http://www.melges32.com/

• ツイート