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諏訪湖名物!ソリング級東日本選手権開催

 6月23、24日、初夏の長野県諏訪湖で9艇が参加し、ソリング級東日本選手権大会が開催された。全日本連覇中の坂上チーム(坂上・木内・高木)。元オリンピック選手を招聘したMAKIチーム(阿部・山中・花岡/白川)。女性クルーを乗せる福島チーム(福島・飯田・入山)の3強に、昨年より参戦をした坂上選手の長男が率いる若手OBチーム(坂上・村田・鉦打)。地元諏訪湖より中村チーム(中村・丹生・増田)、石川チーム(石川・河西・松崎)。協会名物長老・森チーム(森・渡辺・能登)。日産東海J/24の横山チーム(横山・新井・武藤)。雑誌KAZI取材班チーム(高島・中村・雪乃)がどう絡むのか。(レポート・写真提供/日本ソリング協会)


ソリング級の美しいフォルム。諏訪湖に似合います

第1レース
 坂上艇は相変らず第1Rはまともに走れず5位フィニッシュ。本部船に向かい「捨てレースなんて第1Rで捨てちゃうぜぃ。ワイルドだろぅ」などと、理解不能の弁明! 若手OBチーム・MAKIチームが1・2フィニッシュ。

第2レース
 スロースターターの坂上チームが珍しく、第2 Rからトップフィニッシュ。その後、若手OBチームが続き、早くも坂上家「夢の1・2フィニッシュ」。福島艇にマストトラブルが発生、DNFとなる波乱が起きた。

第3レース
 坂上チームが最終マークをトップ回航。その後、若手OBチームが10艇身差で回航。2艇間の激しいタッキングマッチが繰り広げられた。体の衰えか?先行する坂上チームがタックミス。2位艇が鼻を出し、このまま1位2位入れ替えかと思われた時に、何と右海面に突っ込んだ福島チームが先行。坂上艇は3位に沈んだ。

第4レース
 坂上チームが先行。最終レグで地元中村チームが風の振れをつかみ一時先行したものの、フィニッシュ直前に坂上チームが再逆転し、このレースを制した。

 初日終了後、ハーバー内に浮かぶクラブボート(元諏訪湖観光船)にてパーティーを開催。初日順位順にチーム紹介を兼ねたコメントを各参加者が行った。声優の雪乃さやかさんが参加したことから、例年に比べ多少は洗練されたパーティーになることが予想されたが、舞い上がった参加者による熱い舌戦が繰り広げられた。

 初日終了時の成績発表は1位若手OBチーム7点(4点) 、2位坂上チーム10点(5点)、3位MAKIチーム14点(9点)、4位福島チーム19点(9点)となる。

 坂上選手は「社会人にとって初日は練習日だ」「4大会連続の大逆転劇を明日またお見せしよう」「明日、坂上劇場が幕を開ける!」「2R残しで1点差など、無いに等しい」「親父の背中は八ヶ岳よりも高い!」とプレッシャーをかけ続け、延々とパーティ(もはや宴会?) は続いた。


出艇を待つソリング。東日本選手権には9チームが出場しました


クラブボートでおこなわれたパーティー

◎スターウォーズのごときガチンコ親子対決
 2日目は、無風状態と想定以上に振れる風に、スタートリミットタイムが刻々と近づく。14時を過ぎ、若手OBチームには初優勝の3文字が目前となってきた時、微風ながらも安定した風が入りだした。

 5Rスタート。逆転を狙う坂上チーム(このレース1位をとるか、2位で若手OBチームより前にでれば優勝) が、本領発揮のスターティングマニューバを仕掛け、スタートで実の息子 (!) を抑えた位置から絶妙なスタートを見せた。

 下マーク回航時に諏訪湖独特の風の振れと無風が湖面を覆い、2位チームが距離を詰めたものの、3位以下艇団は大きく引き離され、最終レース1位の坂上チームの逆転優勝が決まった。

 今回も4大会連続最終レースでの順位確定という、大変見ごたえのあるレースとなった。(坂上選手本人は「計画通り」とコメント)また、前述の「協会名物長老」森チームが5レースで3位に入った。平均年齢70歳(チーム合計210歳!) のチームが、3人併せて1人分程度の年齢であるチーム (平均年齢24歳) と互角に戦うという、正にヨットレースの醍醐味を知らしめるレースであった。

 今大会は、若手OBチームがその実力を遺憾なく発揮した大会でもあった。昨年全日本ではソリングの大面積スピン取り回しからフリーで順位を落としていたが、今大会では470乗り1名を加え、素晴しい走りを見せていた。

 今後優勝候補として挙げることに異存のある者はいないかと思う。初日彼らの走りを見た花岡選手は「土曜日のハンドリングは彼らが一番だった。彼らのワールド参加に日本ソリング協会の将来を託せる可能が大である」と語った。


ソリング協会では参加チームを募集しています!

◎優勝者コメント『4大会連続最終レース逆転という奇跡 』
 練習を重ね、初日から万全のレース運びをしたいのは山々ではありますが、今回もこの様な結末となりました。木内選手とは子供同士のジュニアクラブでご一緒し(お嬢様はスナイプチャンピオン!) 、氏自身もヨット部OB、ジュリー、レースオフィサーという多彩な顔で各レースシーンを盛り上げている。今レースでは経験と知識に裏打ちされた力を発揮して戴いた。
 高木選手は息子のジュニアクラブのOBであり、470を経て現在もマッチレースに参戦している。OPからヨットを初めヨット歴40年超の現役レーサー。さすがのコース引き・スピンワークで優勝の原動力となっていただいた。
 息子と優勝を争うという親父には堪らない大会でした。息子を早朝から車に乗せ、江の島に通ったのも素敵な日々でしたが、最終レグで仕掛けられたタッキングマッチも、逆転の優勝杯受領も、ともに素晴しいひと時でありました。
「息子に(優勝の)夢を見させるのも、叩き潰すのも親父の仕事」もう暫くの間は、吼え続ける親父でありたいと思っています。

 ソリング協会では参加希望チームに大きく門戸を開いています。「学生チーム」から「リタイア後の社会人」まで、「他クラス現役」から「過去の経験者」まで。要望あればチャーター艇・指導員を含め対応可能です。諏訪の大自然・蕎麦・地酒・温泉と共にヨットを堪能ください。
 詳しくは事務局まで。spring-men@ap.wakwak.com

 最後となりますが、本年1月25日 永きにわたりMAKIチームでバウマンをつとめていた伊藤典和さんが44歳の若さで亡くなられました。大変穏やかな、人をひきつける魅力あふれたソリング協会の中心メンバーでした。病魔に侵された後も「ヨットは楽しい」と無理をおしてレースに参加されていた氏の素敵な笑顔が忘れられません。ご冥福をお祈りいたします。

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