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470予選終了。前田/野呂、戦線離脱

 バルセロナ470級世界選手権3日目。朝から気温がぐんぐんあがり、シーブリーズが期待されましたが、風の強さはいまひとつ。トリッキーな微軽風戦となり、不安定ななかでレースがおこなわれました。女子が素早く2レース消化したのに対し、男子の後半グループは海上で2時間も風待ちする場面も。選手たちは気まぐれなバルセロナの風に翻弄されました。(BHM編集部)


470ワールド3日目。めまぐるしく変わる風を奪い合う神経戦となりました。photo by Junichi Hirai

 日本男子の戦いは同グループで戦う原田艇と松永艇に注目が集まりました。第1レースの松永艇はシフトを拾いながら上マークをシングル回航。対する原田艇は海面選択を誤り、後ろから数えたほうがいいぐらいの低成績で風上マークへアプローチ。原田艇としては大失敗のパターンです。

 さらに松永/今村はアップウインドで追いぬいて3位へ浮上。バルクヘッドマガジンは撮影のためアウターループの風上マークで待機していましたが、ここで驚かされました。松永艇に続いてやってきたのは、なんと原田艇。なんと、2レグの間に15艇以上をごぼう抜きしたことになります。この復活劇には正直、おどろかされました。

「ダウンウインドでだいぶ追い抜きました。2レース目も後方から追い抜く展開です。でも、こんなことは、予選だからできること。決勝(ゴールドフリート)に入ったら今日のようにうまくはいきません」(吉田)

 第2レースの原田艇は1上マーク17位から、ここでも追い抜いて7位フィニッシュ。本日は原田/吉田のコース戦略が冴えました。

 松永/今村は第1レースを3位でフィニッシュしましたが、第2レースを自身のカットレースとなる16位。帰着後の彼らは言葉も少なく、淡々と船を片付けていました。

「自分のレースができていない。なんでかな。コースを大きく取り過ぎてしまった。もっと繊細にやらないといけないのに…」(松永)

 全グループが2レースを終え、予選6レースを終えたため、明日からの男子はゴールド、シルバー、ブロンズに分かれる決勝シリーズがはじまります。日本の前田/野呂はゴールドのボーダーラインで戦いましたが、わずか2点差でシルバーフリートへ。前田/野呂はこれで戦線離脱となります。日本代表の戦いは、原田/吉田、松永/今村の2チームに絞られることになりました。

 また、女子の近藤/田畑は6位に後退しましたが、上位チームとのポイントは離れていません。明日から戦うことになるライバルは、フランス、ニュージーランド、オランダ、イスラエル、イギリスといったいつもの顔ぶれです。

「きょうのレースでカットレースを作ってしまったのは痛かったです。明日からも確実に戦います」(近藤)

 16日から始まる決勝は3日間で最大6レースが予定されています。また、最終日となる19日には上位10艇によるメダルレースがおこなわれます。

◎470級男子
1. AUS BELCHER / PAGE 5.0p (1)-1-1-1-1-1
2. POR MARINHO / NUNES 11.0p 5-2-2-1-(12)-1
3. FIN LINDGREN / LINDGREN 12.0p 3-3-1-4-1-(11)
12. 原田/吉田 25.0p (7)-4-4-6-4-7
22. 松永/今村 43.0p 12-12-5-11-3-(16)
34. 前田/野呂 52.0p 12-12-9-(13)-13-6

◎470級女子
1. FRA LECOINTRE / GERON 12.0p 1-(8)-3-5-2-1
2. FRA PETITJEAN / DOUROUX 13.0p 1-(5)-4-5-2-1
3. NZL ALEH / POWRIE 13.0p 3-3-(4)-2-1-4
4. NED WESTERHOF / BERKHOUT 15.0p 6-1-1-1-(7)-6
5. ISR COHEN / BOUSKILA 16.0p 7-2-1-1-(10)-5
6. 近藤/田畑 16.0p 4-1-5-2-(17)-4
26. 吉迫/大熊 60.0p (23)-9-8-12-13-18


メダル圏内を睨む近藤/田畑。陸上ではおとなしい近藤ですが、レース中は他の選手にはない強い存在感があります。これもランキングトップの証でしょうか。photo by Junichi Hirai


大会半ばに日本代表選考から離脱した前田/野呂。ゴールドフリートの戦いが見てみたかった。photo by Junichi Hirai


苦しいセーリングが続く松永/今村。緊張感が伝わってきます。しかし、大会は折り返し地点を過ぎた所。まだまだチャンスは残っています。photo by Junichi Hirai


6レースすべてを1位という圧倒的な力を見せるベルチャー/ペイジ。スタート直後、何カ国かのコーチが、彼らの走りを後方からこっそりビデオ撮影しました。photo by Junichi Hirai


大会3日目ダイジェスト

◎Barcelona 470 Worlds
http://worlds.470.org/eventsites/default_s1.asp?eventid=66686

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