沖縄東海レース落水事故、状況とその後
沖縄〜東海ヨットレース実行委員会が5月6日に発表した「AOBA 事故の状況とその後」を転載いたします。ここに実行委員会が把握している事故当時の状況、時間経過が発表されています。(BHM編集部)
事故当時の風速は約18ノット、艇速8.5ノット。〈AOBA〉は、ステアリングトラブルのためリタイアを決めて種子島へ向かって機帆走している最中でした。高橋さんの落水時、テザー(着用したハーネスを船体の一部や留め具につなぐ命綱)によるクリップがなかったこと。ライフジャケットが膨張していなかったことが確認されています。
また、今回の事故について、沖縄〜東海ヨットレース実行委員会、JSAF外洋東海、日本セーリング連盟は事故原因の究明と今後の対策について、継続的に協議を行う予定とのことです。
落水地点。事故は5月1日深夜O時過ぎに起こりました。photo by Junichi Hirai
◎沖縄〜東海ヨットレース
http://okinawa.toscrace.jp/
『AOBA 事故の状況とその後』
4月30日午後
・奄美大島笠利湾においてステアリングシステムの修理をし、レースに復帰。
4月30日午後8時頃
・レース復帰したものの、程なくして無風状態に陥った。
・しかし今後、発達中の低気圧がやってくることがわかっていた。
・強風の中では、ステアリングシステムが再度重要なトラブルを引き起こす危惧があった。
・燃料残を考えると万が一時に逃げ込む港が限られて来るため、リタイアを決めて種子島入港を目指すのが妥当と考え、機走を開始した。
・リタイアを伝えるためレース本部に連絡をとったが衛星携帯電話が繋がらなかった。
5月1日 午前0時6分
・北東風と黒潮の向きが悪く、様々な方向から悪い波が来ている状況であった。
・ワッチ交代で、風下(左舷)側サイドデッキを通りキャビンに向かおうとしていた際に、 軽く船の動揺を受けたのか足を滑らせ転倒、ライフライン下段とデッキの間を滑り落ち、ダブルテザーの何れもクリップされていなかった模様で、そのまま落水した。
・事故時の風は約18kt、メイン1枚にてクローズドリーチで機帆走中(8.5kt)。
・落水の直後にストロボライトは点灯していたこと視認したものの、救出時にライフジャケットは膨張していなかった。膨張しなかった原因は不明。
落水直後より、減速・停船行動に入り、オールハンズにて捜索・救助活動を開始
午前10時頃発見報入るまで捜索〜海上保安部の指示で鹿児島(谷山)に向けて機走開始(実行委員会・川合、沖縄から鹿児島生協病院に入る)。
5月2日
AOBA・午前2時頃種子島西之表港に給油のため入港。強風のため待機し、正午前に西之表港を出港。
(福田オーナーのみ高速船にて正午頃、鹿児島到着。保安部にて事情聴取、夕方葬儀場にて遺体に対面)
5月2日 午後9時頃
AOBA・鹿児島市谷山港入港
5月3日
午前9時 クルー葬儀場へ。家族、遺体と対面
午前中・谷山港にて実況見分(〜12:30)
午後:福田オーナー及び落水目撃者は保安部にて事情聴取。ほかクルーは船の清掃、片付け。
5月4日
・全員帰路につく。
5月5日 午前10時
・クルーがレース本部を訪れ事情を説明。
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
丸玉運送
ネオネットマリン
ダウンアンダーセイリングジャパン
ノースセールジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
SWING
コスモマリン
葉山セーリングカレッジ
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
VELOCITEK
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
エイ・シー・ティー
HELLY HANSEN
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ