開幕、ボルボオーシャン世界一周レース
※サンケイビジネスアイ紙で連載していたコラムを紹介します。
アラブ首長国連邦から世界一周レースに初出場するアブダビ・オーシャンレーシング。撮影 Ian Roman/Volvo Ocean Race
サンケイビジネスアイ・コラム(64)
開幕迫る、ボルボオーシャン世界一周レース
世界で最も過酷なヨットレースは、地球をぐるりとまわる世界一周ヨットレースだろう。ひとこと世界一周と言っても、ルートや競技内容により違いがある。その中でも、たった一人でどこの港にも寄らずに走る「ヴェンディグローブ」は究極の世界一周レースと呼ばれている。また、ジュール・ベルヌの描いた小説「八十日間世界一周」を模して、世界一周最短記録に挑戦するジュール・ベルヌトロフィーは、記録だけを追求するイベント。現在、ヨットによる世界一周最短記録は2010年に達成された48日7時間45分52秒となっている。
こうした地球規模のイベントを企画できるのはヨットレースならでは。10月29日、世界が注目する「ボルボオーシャン世界一周レース」が開幕する。この大会は、最新鋭の同一規格ヨットを使って競われる世界一周レースで、スペインをスタートし、南アフリカ、アラブ首長国連邦、中国、ニュージーランド、ブラジル、アメリカ、ポルトガル、フランスに寄りながら、最終目的地アイルランドまで約8カ月間かけて世界一周する。
出場するのは、スペイン、アメリカ、フランスといった強豪国に加えて、これまで世界一周のタイトルを2回獲得したニュージーランドが復活参戦、二度目の挑戦になる中国、初出場のアラブ首長国連邦がエントリーしている。乗艇するクルーは1チーム11名で、本大会から1980年以降に生まれたセーラーを乗せることがルールに組み入れられた。世界一周レースは、経験値が求められる厳しい内容からベテランが優遇される傾向にある。しかし、それでは若いセーラーが育たないという理由で若手選手を採用することになった。
世界一周はセーラーの夢である。しかし、ほとんどのセーラーはその夢を達成できない。これまでボルボオーシャン世界一周レースに出場した日本人セーラーは3名のみ。次回大会に出場する日本人セーラーはいない。(2011.10 文/平井淳一)
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