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ナショナルチーム選考葉山沖決戦4日目

レーザー級、レーザーラジアル級ナショナルチーム選考4日目は、無風のためレースがおこなわれなかった前日の分をも消化するため、スタートが1時間早まりました。選手たちは8時過ぎに海上へ。早朝の葉山沖は、白波の立つ絶好のレースコンディションです。岸寄りに設置されたコースでは、時折20ノット近くのガストが入ることもあります。しかし、上マーク周辺では風が安定せず、また大きな風の振れがあるので、ワンブローで大逆転、という展開もみられました。(BHM編集部)


この選考のため1月から葉山で練習。いまは、走りの中でカラダの使い方を改良しているという安田。photo by Junichi Hirai

風は第1レースがいちばん強く、徐々に落ちる傾向です。このような海面で成績を安定させるのはむずかしく、多くの選手が凸凹ある結果となりました。しかし、男女上位に入る顔ぶれはミスをしません。レーザー級の安田真之助はカットレースが4点という超安定成績で独走態勢に入りました。この展開は、昨年1月に鹿児島県鹿屋市でおこなわれたナショナルチーム選考レースを思い出します。きょうのレースでは、ダウンウインドスピードにアドバンテージがあり、ジワジワと後続を引き離すシーンがみられました。

「きょうの4レースが終わって少し余裕ができました。成績もそうですが、一度も(42条違反の)笛を吹かれていないし、失格など捨てレースを作っていないのも理由です。ダウンウインドは、調子いいですね。でも、パースISAFワールドを経験して、このスピードでは、世界に通用しないこともわかっています。もっとスピードアップしないといけません」(安田)

42条違反とは、RRS42条にある「ロッキング、パンピング、スカリング、ウーチングなどによる推進方法」について。この項目に違反すると1回目は回転ペナルティが与えられ、シリーズ中に2度目の違反をすると、そのレースを失格することになります。大会4日目を終えて、レーザー級は、イアン、斎藤、平川が違反1回、ラジアルでは、松苗、長谷川、荒井が1回。あと1回で失格という不安材料が、最終日の戦い方にどのように影響するでしょうか。


シフトの激しい陸風でも安定した走りを見せる土居。土居は今春より慶應大に進学します。photo by Junichi Hirai

ラジアル級は土居愛実が抜け出しました。「きょうは、ダウンウインドでミスをして順位を下げてしまい、もったいないことをしました。振れ幅の大きいクローズは、風に素直に走らせています」、という土居は、すでにドイツ世界選手権の出場権利保持者であり、そのせいもあってか、リラックスムードすら感じられます。ラジアル級の2位以下は大混戦。原田、松苗がボーダーライン。高橋、長谷川、蛭田の現役ナショナルチームが続き、多田、冨部も大逆転を狙っています。

4日目のレース後、レース委員会は、明日11日(大会最終日)のスタートを1時間半早めることを発表しました。本大会は全12レースが予定されています。きょうで8レースを消化しましたが、レース委員会は最終日に4レースをおこない、全レースを消化するつもりのようです。また、本大会の成績は10レース以上で最も悪い2レース分の得点がカットされます。勝負の行方は、まだ分かりません。最終最後の葉山沖大決戦に注目です。


ナショナルチーム枠(両クラス上位3選手)に残る南里。昨年高校を卒業し、佐賀県ヨットハーバーで働きながら五輪活動する若手ホープ。「あまり吹かないほうがいいですね。前を走る選手が決まってきちゃうから」(南里)。photo by Junichi Hirai


パースISAFワールドで成長した原田小夜子。最終日を控え2位にジャンプアップしました。大会会場近くに住む兄(470級の原田龍之介)の部屋を借りて本大会に挑んでいます。photo by Junichi Hirai


この大会には、日本の次世代を担う高校生セーラーが男子3名、女子2名出場しています。写真は現在9位の川村選手。参加選手所属一覧はこちら。photo by Junichi Hirai

バルクヘッドマガジン・フェイスブックでは、ナショナルチーム選考の写真をアップしています。ぜひ御覧ください。

◎ナショナルチーム選考4日目成績
レーザー級 (12艇)
1. 安田真之助 3-1-3-1-1-2-(4)-1 12点
2. ホールイアン (6)-2-2-3-3-3-3-4 20点
3. 南里研二 1-4-(7)-4-6-4-1-2 22点
4. 永井久規 10-(OCS)-1-2-2-1-5-9 30点
5. 城 航太 2-5-5-6-5-5-(7)-3 31点
6. 齋藤大輔 5-5-(11)-9-4-6-8-5 43点
7. 真田敦史 7-3-6-5-7-8-(9)-8 44点
8. 粟野和昭 4-8-4-10-8-(12)-6-7 47点
9. 川村 岳 11-10-9-(12)-10-11-2-6 59点
10. 北村勇一朗 9-9-8-8-9-(10)-10-10 63点
11. 平川竜也 (12)-7-10-11-11-7-11-11 68点
12. 室松さとし 8-11-(12)-7-12-9-12-12 71点

◎レーザーラジアル級(11艇)
1. 土居愛実 1-2-1-1-2-5-(6)-2 14点
2. 原田小夜子 3-3-5-8-(OCS)-1-3-5 28点
3. 松苗幸希 5-(8)-3-4-7-8-2-1 30点
4. 高橋 香 9-9-4-3-3-6-4-6 35点
5. 長谷川哲子 8-1-10-7-1-(DSQ)-1-8 36点
6. 蛭田香名子 4-4-8-(9)-5-7-5-3 36点
7. 多田桃子 (10)-5-9-2-4-3-7-7 37点
8. 冨部柚三子 6-7-2-(10)-6-4-8-4 37点
9. 村山仁美 2-6-6-5-(10)-9-9-10 47点
10. 荒井かおる 7-(11)-7-6-8-10-11-9 58点
11. 石川智香 (11)-10-11-11-9-2-10-11 64点

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