Loading

決戦、ファイアーボールワールド!

1月2日〜7日までオーストラリア・マンジュラでファイアーボール世界選手権が行われました。参加艇は65艇で日本からは6艇が出場。マンジュラは先日行われたISAFセーリングワールドの開催地パースから南に75キロ程離れた場所で、毎日10メートルオーバーの強風が吹き荒れました。(レポート・写真/下間雄介・ファイアーボール協会)


オーストラリア・マンジュラで開催されたファイアーボール世界選手権

レースは1日2レースずつ行われ、計10レース予定通り開催されました。6レース消化した大会3日目までは東寄りの陸風でシフティな強風が吹いていて、強風を走らせる技術と風を読む力のあるチームが上位を走り、この時点でトップがGBRのTom Gillard / Sam breareyで10ポイント、2位がAUSのRobert Inns / Joel Coultasで12ポイント、彼らが3位以下を12ポイント離して一騎打ちの様相を呈してきました。日本チームは強風でのボートスピード、スタートテクニックで海外勢に圧倒されなかなか上位を走ることができません。

レイデイを挟んだ大会4日目と5日目はシーブリーズが吹いてきて波も弾丸のような波が飛んできてタフなレースとなりました。特に4日目は今レガッタ一番の強風が吹き荒れ、リタイア艇も続出し、日本チームもマストが折れたり、セールを破る艇も見られました。GBRのTom Gillard / Sam breareyがAUSのRobert Inns / Joel Coultasを1ポイントでかわして優勝。Tom Gillard / Sam breareyはともに22歳のペアで若きチャンピオンの誕生です。日本チームは加藤/熊谷の39位が最高で、各チーム苦戦を強いられました。

日本チーム成績
39. JPN15009 加藤 / 熊谷 274p
45. JPN15052 下間 / 鶴本 336p
46. JPN14947 中村 / 吉田 339p
47. JPN14830 原 / 石橋 343p
51. JPN14509 黒田 / 佐藤 379p
59. JPN14524 田辺 / 高尾 454p

それにしても、ファイアーボールワールドに集まってくる海外チームは本当にタフです。30ノットはあろうかという強風のレースを終わった後、笑顔でビールを飲みながら解装し、片付け終わった後も元気に飲んでいます。また、上位陣のスピードも驚愕でしたが、14歳の女の子や、一見何の変哲もないおばさんや普通のおじいさんでもみんなとにかく速い! オーストラリアのセーリングのレベルの高さがうかがえます。今回のワールドでは日本チームは活躍できなかったですが、日本であったらハーバーが出艇を禁止するような風で連日レースができたことで各チームともレベルアップし、今後の課題を得たようです。


日本とスイス、フランスチームと一緒に

ワールドの期間中、日本チームはホテル組とコテージ組に別れて滞在しました。宿泊費用は1人あたり1泊3000円程。パーティーのある日以外はスーパーで買い出しをして、日本食らしきものを自炊して過ごしました。

期間中は、同じ宿泊場所に他国の選手やインターナショナルジュリーも宿泊しており、夜は一緒に酒を飲んではしゃぐこともしばしば。ここではファイアーボールワールドで20年前に2度の優勝をし、Int14でもトップセーラーとして名高いA・ペリー氏と知り合うことができました。今は15歳の娘をスキッパーに13メートルの強風を走る熱血パパ。「日本のInt14みたいなすごい芸をお前らはできないの!?」と聞かれましたが、どんな芸だったのかは未だに謎のままです…。


大会中は共同生活でコストダウン

今回のレースは厳しい風でしたが、開催側のホスピタリティや気候等の良さも相まって、最高に楽しいセーリングライフを過ごせました。スポーツとレジャーが融合したセーリングの魅力に溢れるワールドだったと思います。なお、次回のファイアーボールワールドは、2013年にスロベニアにて開催予定です。

ファイアーボール級は470級に似通っており、世界では「二足のわらじ」で楽しんでいる方も多いです(今大会では北京オリンピック470級女子金メダリストTessa Parkinsonも参加)。よりオーバーパワーでエキサイティングなセーリングが楽しめます。学連ヨット部、同好会を引退してくすぶっている方たち、火の玉セーラーになって一緒に世界に挑戦しませんか?


レイデイの前日は夜遅くまで騒ぐというのがワールドの通例(?)となっており、今大会においてもそれは例外ではありません。日本チームはお家芸「Karaoke」で地元パブを熱狂の渦に巻き込むことに成功! 昼間振るわない分、夜のワールドでは好成績をおさめました

毎週水曜コラム更新:サンケイビジネスアイ
フェイスブック:BULKHEAD magazine
ツイッター:BULKHEADER
======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
ウルマンセイルスジャパン
丸玉運送
ネオネットマリン
ダウンアンダーセイリングジャパン
ノースセールジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
SWING
コスモマリン
葉山セーリングカレッジ
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
VELOCITEK
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
エイ・シー・ティー
プラネット・グリーン
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ
CATEGORY:  DINGHYINSHORENEWS