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グランプリレースを転戦する世界の富豪

スカイプの開発者、ニコラス・センストロム氏が舵を取る〈RAN〉。撮影 Nico Martinez/Audi MedCup

サンケイビジネスアイ・コラム(43)
グランプリレースを転戦する世界の富豪

日本でヨットというと、大小を問わずセール(帆)を備えたセーリングボートを指す場合が多い。しかし、欧米でヨットの意味は客室を備えるような大型のもので、セールの有無は関係なくプレジャーボートを意味する。例えば、モーターヨットといえば、大型客船や商業船と違ってプライベートな大型動力船(シップ)をイメージするものだ。

船は大きくなれば優雅で豪華、さらに高価になることに間違いはない。欧米では日本の規模とは雲泥の差で、国内で大型と呼ばれる船も、海外では小粒に見えるほどスケールが違う。以前、ギリシア・ロードス島を取材していたとき、偶然ロシアの石油王、ロマン・アブラモヴィッチ氏のメガヨットに出合った。係留されている防波堤からビルを見上げるように上方の船内を見ると、そこにはパワーボート、ジェットボートが数種類、自家用ヘリコプターまであるのが見えて、その大きさに驚かされた。

世界にはグランプリヨットレースに夢中になる富豪も多い。前回アメリカズカップを奪還したオラクルの創業者でCEOのラリー・エリソン氏は、長年グランプリヨットレースでも活躍している。ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長は、失敗に終わったが、2008年に全長約30メートルの外洋ヨットで大西洋横断に挑戦した。

また、地中海サーキット、アウディ・メッドカップに参戦する〈RAN〉のオーナーは、インターネット電話サービス、スカイプの開発者のひとり、ニコラス・センストロム氏。45歳という若さながら、約16メートルのグランプリヨットをドライブして、第1回ポルトガル大会では大健闘した。

ちなみに、このグランプリヨット。船体の価格はおおよそ1億数千万円と言われている。さらにプロクルーの人件費や消耗品となるセール代などランニングコストを考えると、キャンペーン費用ははかりしれない。グランプリヨットレースは、富豪でなければ続けられないヨットレースである。(2011.6 文/平井淳一)

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