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手に汗握る、パラリンピックセーリング

パラリンピック2人乗り種目のスカッド級。後方に座るスキッパーは、ジョイスティックで舵を操作する。撮影:平井淳一

サンケイビジネスアイ・コラム(40)
手に汗握る、パラリンピックセーリング

オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパで年間7戦おこなわれるセーリングワールドカップでは、オリンピック種目とおなじように、障害者スポーツのパラリンピック種目がおこなわれている。セーリングという海のスポーツを共通に健常者と障害者が別け隔てなくハーバーで交流するさまは、ワールドカップならではの光景だ。

パラリンピック・セーリング競技は、1996年アトランタ大会ではじまり、2000年のシドニー大会で正式競技に採用された。2012年ロンドン大会では3種目が予定され、3人乗りのソナー級、2人乗りのスカッド級、1人乗りの2.4mR級が選ばれている。日本は、これまでアトランタ、シドニー、アテネ大会に参加したが、北京には出場していない。

セーリングワールドカップを見るかぎり、パラリンピック種目は、障害者スポーツという枠には収まらないほど白熱したヨットレースがおこなわれている。ロンドン大会開催国のイギリスをはじめ、フランス、ドイツ、アメリカなどの選手は世界を転戦しているし、なにより彼らのセーリング技術が健常者とかわりないように見えるのは気のせいではないだろう。

たとえば、こんなセーラーがいる。もともと五輪メダリストでもあるブラジルのラース・グラエル選手(47歳)は事故で片足を失ったが、その後もセーリングを続け、アメリカズカップに挑戦する計画があるほどのトップセーラーだ。また、ヨットで世界を航海し続けた冒険家、トリスタン・ジョーンズ(故人)も片足のセーラーだった。

彼らは健常者でも及ばない成績と偉業を残してきた。セーリングにおける身体障害は「障害」ではないのかもしれない。(2011.5 文/平井淳一)

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