オーストラリア6連覇達成!イスラエル470級世界選手権
10月10〜17日までイスラエル・ハイファで「470級世界選手権」が開催されました。男子優勝は、マット・ベルチャー/ウィル・ライアン(AUS。ベルチャーはワールド6連覇。ライアンは3連覇)、女子はオーストリアのララ・バドラウ/ジョランタ・オルガが、昨年のサンタンデール大会に続いて二連覇を達成しました。(BHM編集部)
日本からは、松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド)、土居一斗/今村公彦(チームアビーム)、市野直毅/長谷川孝(和歌山セーリング連盟)が出場し、松永/吉田が25位、土居/今村31位、市野/長谷川44位に終わりました。イスラエルワールドに日本女子は出場していません。
ロンドン五輪の金メダリスト、マット・ベルチャーが五輪後にウィル・ライアンと組んだオーストラリアチームはワールド負けなし。マットは、アメリカズカップ新チームのヘルムスマンに抜擢され、その後、チームが出場を取りやめるというドタバタ劇に巻き込まれた時期もありましたが実力は衰えず
セーラーに混乱を招いたイスラエルワールド
今回の世界選手権は、中東イスラエル開催ということもあり、参加艇は男子59艇、女子42艇と、例年よりも参加の少ない世界選手権となりました。当初470ワールドは2015年3月に予定されていましたが、イスラエル・パレスチナ問題の戦争・紛争により、開催直前に延期。当然、選手たちや各国の五輪関係者に混乱を招く結果になりました。
日本もその影響を受け、当初イスラエルワールドを五輪日本代表選考にする予定でしたが、10月に流れたたため7月のデンマーク欧州選手権を選考レースにあてた経緯があります。
オリンピックを目標に活動する選手にとって、年間もっともハイレベルな戦いとなる世界選手権は、勝利の価値も含めて重要なイベントであることに間違いありません。実際に、スケジュールを調整して、ほとんどのトップセーラーが出場したことからも、世界選手権の重要度がわかります。
しかし、今回のイスラエルワールド、今月末に開催されるアブダビ・ワールドカップ最終戦(日本470級女子はこちらへ出場します)、来年2月のアルゼンチン世界選手権、その後に続く、ヨーロッパサーキット、さらにリオ五輪現地トレーニング〜本番を考えるとロジスティックス(レース艇の運搬・準備)が追いつかない現状があります。
いま五輪種目の重要となる国際大会は、ISAFワールドカップ(USA、FRA、GBRが中心)、4年に一度開催されるISAFセーリングワールド、各種目の世界選手権、そしてプレ五輪と五輪本番が上位大会です。
2015年からISAFワールドカップが出場艇数が限定される大会となったため、選手たちは、自分が出場できる数多くの大会に出場して世界ランキング上位を確保する→よりハイレベルな大会に出場する、という流れができつつあります。
こうした国際大会で自分の船でレースを戦うつもりなら、複数(最低5艇のレース艇が必要と言われています)の船を用意しなければ、出場は不可能で、世界転戦についていくことはできません。国際470クラス協会は、2015年、2016年にかけて、選手たちに、経済的にも肉体・精神的にも大きな負担を掛けていると感じています。
リオ五輪までのスケジュールと大会開催地は、すでに確定してしまっていますが、東京五輪を考えた場合、まだ決定していない部分も多い。国際470クラス協会と東京五輪セーリング競技準備委員会には、ぜひ一考して欲しい問題です。
開催時期を変更しておこなわれたイスラエルワールド。次回の470ワールドは2016年2月アルゼンチンで開催されます
女子優勝のオーストリア。クルーのオルガはロンドン五輪後、ポーランドから移籍しました
オーストラリアに次ぐ実力を持つクロアチア。ロンドン五輪でBHM編集部が金メダル候補に上げましたがメダル獲得ならず。しかし、実力は折り紙つきでリオ五輪でもメダル獲得候補にあげられるでしょう
2015イスラエル470級世界選手権
男子上位成績(参加59艇)
1. AUS Mathew Belcher / Will Ryan 57p
2. CRO Sime Fantela / Igor Marenic 62p
3. RUS SOKOL Pavel Sozykin / Denis Gribanov 69p
4. ESP Jordi Xammar / Joan Herp 73p
5. FIN Joonas Lindgren / Niklas Lindgren 77p
6. SWE Anton Dahlberg / Fredrik Bergstrom 83p
25. 松永鉄也/吉田雄悟
31. 土居一斗/今村公彦
44. 市野直毅/長谷川孝
女子上位成績(参加42艇)
1. AUT Lara Vadlau / Jolanta Ogar 43p
2. GBR Hannah Mills / Saskia Clark 55p
3. FRA Camille Lecointre / Helene Defrance 79p
4. NZL Jo Aleh / Polly Powrie 85p
5. NED Afrodite Kyranakou / Anneloes Van Veen 101p
6. POL Agnieszka Skrzypulec / Irmina Mrozek Gliszczynska 105p
◎2015イスラエル470級世界選手権
http://2015worlds.470.org/
======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
ジャストヨット運送
ポールスチュアート
日本レジャーチャンネル
リスクマネジメント・アルファ
ベイトリップ セーリング
ベストウインド
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
日本ORC協会
Velocitek
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ