連載第2回 空飛ぶ日記「神様ありがとう、編集長は空を飛んだよ」

  • 28
  • Jan

 モスに乗ると宣言して、はや二週間。時間を見つけてはコソ練(まだ艤装練習)に勤しんでいた編集長は、ついに決行の日を迎えます。何度も何度も天気予報チェック。妄想フォイリング全開。頭のなかは、ガンズ・アンド・ローゼズの「パラダイス・シティ」が大音量で流れ、最高潮に気持ちが高ぶっていたのでした。(BHM編集部)

 すでに知っている人も多いので、結果から先に言いましょう。編集長は飛びました。ふふふ、空を飛んだんです。なんと、華麗なフォイリングを決めました。写真を見て下さい。ね、嘘じゃないでしょう?

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証拠写真1。photo by SAIL FAST

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証拠写真2。photo by SAIL FAST

 いや、華麗というのはちょっと言い過ぎでした。かなりかっこ悪い乗り方です。当日の風は北東5メートル前後。フォイリングにはやや弱めながらも、初心者には程よいコンディションです。海上は、編集長が出艇するということで、日本モス教の本陣、SAIL FAST社が社員総出でサポートしてくれるという完璧な体制です。

 しかし、いざ海へ出て飛べた時間は、ごくごくわずか。海に出ている時間ほとんど泳いでいました。1時間で30回ぐらい沈をしたでしょうか。短時間によくこれだけ沈できるものだと自分で感心しましたよ。つらかった…。

 20数年ぶりにどっぷり海に浸かり、海水をゴクリと飲んで思い出しました。「そうだ、海ってしょっぱかったんだ」。クルーザーやパワーボートばかり乗っていると、当たり前のことを忘れてしまうんです。こうした感覚を取り戻したのが新鮮だったりします。

 沈起こしは10回を越えると疲れてしまい、ダガーボードに足をかけられなくなってきます。なんというか体力のなさを痛感するとともに、「そうだ、沈ばかりしていると体力を消耗するんだ」というアタリマエのことも思い出しました。沈しちゃいけません。でも、しちゃうんです。下手くそだから。

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真冬の海をよく泳ぎました。もうお腹いっぱいです(海水で)。ウエットスーツも具合よく、海につかっていてもかなりホット。暑いぜ。photo by Mamma Aiuto

 それでもコンディションが初心者向きだったのでしょう。モスという船は走りはじめると「飛ぼう、飛ぼう」とします。犬を散歩させていて、リードをぐんぐんひっぱられる感覚でしょうか。その犬(=モス)のわがまま度はハンパありません。どう猛なドーベルマンにひっぱられている感じ? 犬を飼ったことはないんですけど。

 最初の30分ぐらい、「走りだしては沈」を繰り返しました。そこでわかったのは、コイツを手なずけるには、まずパワーポイントを知らなくてはならない、ということです。体重移動で船をいい具合に安定させ、メインシートでパワーをコントロールします。

 船は、飛びたがっているのですから、メインシートをグイッと引き込むとスピードは自然にアップしていきます。同時にハルが浮き上がりだし、滑走体勢に入ります。フォイリングした後も、メインシートの出し入れでパワーコントロールします。

 はあ。。。文字にするとカンタンなのに、実践では頭とカラダが連動しません。メイントリムをミスるとオーバーヒール沈。「お、オーバーヒールしそう?」と感じたら、その時点でアウトです。メインシートを出して風を抜いても超高確率で倒されてしまいます。

 自分はいったいどうすればよいのか? つまり、アンヒールで走るのがノーマルであるからして、アンヒールの乗り方でスウィートスポット(パワーバランスをキープできるヒール角度)を探さなければなりません。はあ。。。字で書くとできそうなのに。

 しかし、一度だけですが、かなり長い時間(に自分では思えました)、フォイリングする場面がありました。思わず、「イヤッホー!」と叫んでしまいました。なんというか、フォイリングが続くと、脳からドーパミンがドバーっと出るのを感じます。うひゃー!とかどひゃー!という感覚になります。とにかく飛びました、編集長は。神さま、ありがとう!

 ふふふ、次のセーリングが楽しみになってきました。次回の課題は、まず、(出艇前に)ビビりをなくす。フォイリング時間を長くする。トロトロ走りがらでもタック、ジャイブができるようになる、でしょうか。次回は「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」。天国の扉を開けてきます。

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出艇前に進水式。応援にかけつけた子どもたちがバウにシャンパンをかけてくれました。「ねえねえ、乗せてー」言われて、表情が固まる編集長。すげー上手になったら考えるよ

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