改修される、江の島ヨットハーバー

  • 30
  • May

※サンケイビジネスアイ紙で連載していたコラムを紹介します。


建築後、約50年が経ち、建て替えが決まっている江の島ヨットハーバーのヨットハウス。撮影 平井淳一

サンケイビジネスアイ・コラム(65)
改修される、江の島ヨットハーバー

 1964年の東京オリンピック・セーリング競技は、東京を離れて神奈川県藤沢市江の島で開催された。日本は全種目に出場したが、メダル獲得には至らず。しかし、大会を通してもたらさせた欧米のセーリング文化は、日本に強い影響を与えた。この東京五輪が開催された江の島ヨットハーバー内の建物、ヨットハウスが改修のため取り壊されることが決まっている。

 大三角形を重ねた奇抜な屋根が目を引くヨットハウスは、江の島を象徴する建物だ。設計は1960年ローマ五輪セーリング競技の日本代表だった山田水城氏。改修は建物の老朽化が主な理由だ。約50年前に建造されたヨットハウスのコンクリートの壁には、亀裂が入るなど老朽している箇所もあり、確かに改修が必要だろう。このヨットハウスは取り壊され、隣の敷地にあたらしい建物ができるという。

 多くのセーラーは、ヨットハウスとともに年を重ねてきたといってもいい。日本には大きなヨットレースが開催される場所がいくつかあるが、そのなかでも江の島は特別な場所。セーリング文化を発信する中心であり、ジュニアからシニアまで、世界で活躍するトップセーラーのトレーニングベースとしても知られている。

 ヨットハウスの特徴は奇抜な外観だけではない。さん橋までのアクセスが容易なこと。二階のゆったりしたスペースは選手が休憩するにもイベントをするにも好都合だし、広いベランダからはヨットハーバー全体と海を一望できる。設計者が海外のヨットハーバーを知るセーラーだったからだろうか。セーラーの意見を取り入れた建物は日本に少ないように思える。

 目を閉じると、センターハウスのまわりに集まるセーラーたちの笑い声が聞こえてくるようだ。慣れ親しんだ建物がなくなるのはさびしいが、あたらしいヨットハウスからも全国にセーリング文化を発信してほしい。(2011.10 文/平井淳一)

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