大会前日雨の沖縄。今年はどんな風が吹く?

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 4月28日、沖縄東海ヨットレース・スタート前日。沖縄宜野湾は、梅雨入りしたような高い湿度のなか、雨が降り続くという過ごしづらい1日になりました。各艇はスタート前の積み込み作業を早々に終わらせ準備万端。大会前日の恒例となっている安全講習会、艇長会議、そして夕方から前夜祭がおこなわれました。(BHM編集部)

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29日のスタートを待つ沖縄東海ヨットレース出場艇。宜野湾港マリーナ。photo by Junichi Hirai

 安全講習会では、海上保安庁から講師を招き、午前中いっぱいを使って座学。さらにさん橋へ移動してライフラフトを展開させる実演もおこなわれました。前回、事故で尊い命が失われた教訓から、各艇の安全に対する意識は当然高くなっています。外洋レースは、インショアレースだけをやっていては忘れがちになる、安全の重要性を思い出させる良い一面があります。

 大会を主催する日本セーリング連盟外洋東海の坂谷定生会長は、大会を継続した経緯を次のように話してくれました。

「わたしたちは開催しないという選択もありました。でも、事故があったから止めます、というのは違うと思う。事故があったからこそ、このレースを続けたかった。たった2回で止めてしまったら、二度と同じようなレースは作られないだろうという気持ちもありました。いろんな方に心配していただきましたが、前回参加した選手、(外洋東海の)会員からも“やりたい”という意見があり、第3回を開催することができました」

 沖縄東海ヨットレースは、720マイルを走る日本に現存する最も長距離を走るヨットレースです。編集部は、この大会が継続開催されたことは喜ばしいことだし、日本のヨット界にとって価値のあることだと感じています。

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安全講習会のライフライトの展開実験。photo by Junichi Hirai

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全艇に設置するために配布されたイエローブリックの末端。これはリアルタイムトラッキングの位置情報を発信する装置で、レース中は(http://yb.tl/otyr2014)で最新ポジションが分かります。photo by Junichi Hirai

ラガマフィンは720マイルを何日で走るか?

 今回の注目は、なんといってもオーストラリアからやってきた90フィートマキシ〈RAGAMUFFIN90〉です。ラガマフィンは、シド・フィッシャー氏(86歳)がオーナーを務めるオフショアレースを中心としたセーリングチームです。かつて氏はアメリカズカップのキャンペーンを5回おこなった世界のヨット史に名を残すセーラー/オーナーで、この沖縄東海ヨットレースも自ら乗艇します。

「大きいからといって勝てるわけではありません(笑)。日本に来れてとてもうれしい。ラガマフィンが出場することで少しでも日本のセーリングのためになれば」と前夜祭の壇上でフィッシャー氏はコメントしました。

 シドニーホバートヨットレースの常連であり、昨年は100フィートマキシをロスへ移動させトランスパックヨットレースにも出場。今年は、(今回出場する)90フィート艇でチャイナシーレースに参戦後、フィリピンから沖縄まで6日間掛けて回航してきました。しかし、喫水の深い〈RAGAMUFFIN90〉は宜野湾マリーナには入れず、大型商船が入る那覇港に停泊しています。

 今回のレースでファーストホームは間違いありません。そして〈RAGAMUFFIN90〉は720マイルを何日でフィニッシュするのか、にも注目が集まります。

 艇長会議の時、チームメンバーからの質問で「フィニッシュラインはすぐに作られるだろうか? われわれは2日間でフィニッシュしたいと考えています。100マイル手前になったら(ロールコールとは別に自分たちの意志で)知らせます」と発言していました。720マイルを2日目標! まったく、ものすごい怪物がやってきたものです。

 さて、前夜祭の話題の中心はもちろんレースの展開。いまは長距離レースの必需品となっているEXPEDITION(ソフトウエア)に気象データを読み込ませて、理想のコースプラン、さらに自艇のフィニッシュ時間まで算出することができます。パーティーでは、こうした予想データをもとに戦術の探り合いがおこなわれていました。

 どこのチームもだいたい同じような予報情報を持っていて、「今年は風が強くなさそうだ」「奄美大島周辺でカームに捕まりそうだ」「黒潮に乗るか、それとも乗らないコース、どちらを選ぼうか」といった話題がのぼっていました。

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今年は室内で前夜祭がおこなわれました。お揃いのユニホーム、アロハ、かりゆしで気分も高まります。photo by Junichi Hirai

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ラガマフィンチーム。真ん中のお爺さんがシド・フィッシャーさん。日本からはラッキーレディーの稲葉健太、バルクヘッドマガジンで連載していた「ベンガル・デリバリーレポート」の筆者、寺尾まゆこ、寺川智子が乗り込みます。ラガマフィンのクルーに、一体いくつ船があるの? と聞いたら、レースボートが7艇、ファミリーボートを入れると20艇ぐらいとのこと。さらにシドニーには自身のマリーナもあります。photo by Junichi Hirai

◎沖縄東海ヨットレース2014
http://okinawa.toscrace.jp/
◎沖縄東海ヨットレース・フェイスブック(随時更新)
https://www.facebook.com/okinawatokai

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