スペイン・プリンセスソフィア杯終了。日本代表選考を振り返る

  • 08
  • Apr

 第1回目となる日本代表選考「プリンセスソフィア杯」が終了しました。大会を振り返ると、前半2日間は軽風、後半3日間は、軽風、強風、中風となり、全体を通してみると軽風の多いシリーズだったといえます。(BHM)

 470級男子は市野直毅/長谷川孝、女子は吉田 愛/吉岡美帆、49er級FXは山崎アンナ/高野芹奈、49er級は高橋レオ/小泉維吹が日本選手内最上位となりました。

日本代表選考・プリンセスソフィア杯 レガッタ推移
470男子 日本9艇出場

 シリーズ序盤は勢いを持った岡田/外薗が日本勢を完全リード。総合2位のポジションにつけながらも4日目から一転して不安定な内容に。軽風域を得意とする市野/長谷川が2日(1-3位)から急上昇し、4日目の強風でも踏ん張ってトップ10内を保守。日本男子で唯一メダルレースに進出し総合8位。

市野直毅/長谷川孝 コメント
「良いところもあれば、悪いところもありました。選考のことを頭から切り離して挑んだが、プレッシャーになってしまっていたようでレース前日は朝4時まで寝られなかった。今回、苦しいなかでも良いポジションに持っていけたのは良かった。軽風、中風ではアドバンテージを持って世界選手権へ挑戦したい。チームの目標は世界一。成長するのみです」(市野)


市野直毅/長谷川孝(島精機製作所/横浜ゴムMBジャパン)photo by Junichi Hirai


岡田奎樹/外薗潤平(トヨタ自動車東日本/九州旅客鉄道株式会社)photo by Junichi Hirai

470女子 日本4艇出場
 2018年世界選手権金メダリストの吉田/吉岡に、若手女子がどこまで食らいつくかが注目された470女子。その差はなかなか埋まらないのが実情で、大きな変化は見られなかった。吉田/吉岡(5位)は二番手の林/西代(26位)に20点以上の得点差を広げた。

吉田 愛/吉岡美帆 コメント
「選考の目標にしていた得点を取れたので満足しています。でもレースの内容はあまり良くなくて、海外チームに先に行かれた感があります。トップグループは同じ顔ぶれです。海外チームはむずかしい軽風レースでもしっかり走り、五輪に向けて徐々に上げてくる。これは私達も見習いたいこと。いまの時点でしっかりチームを見直して、今年の世界選手権でも金メダルを狙いたい」(吉田)


吉田愛/吉岡美帆(ベネッセホールディングス)photo by Junichi Hirai


林 優季/西代 周(明海大・職)photo by Junichi Hirai

49er 日本2艇出場
 初日にレースできなかったことから、2日目より予選レース消化を先行しておこなわれた49er。日本2チームはゴールドフリートに進出できずシルバーフリートで戦うことに。高橋/小泉は29位となるが国別順位(19カ国以内)に漏れたたために得点加算されず。高橋/小泉、古谷/八山の選考はノーカウントとなり、両者無得点のまま選考第二戦へ進みます。


高橋レオ/小泉維吹(オークランド大/早稲田大)photo by Junichi Hirai


古谷信玄/八山慎司(SPN)photo by Junichi Hirai

49erFX 日本3艇出場
 世界ランキングでは国内最上位の波多江/板倉がリズムをつかめず、自分の走りができないまま予選終了。最年少チームの山崎/高野は一時10位につける好成績でゴールドフリートに進出し、積極的な戦いを見せた。FX女子の実力は3艇とも僅差。選考第二戦は、パルマよりもハイレベルとなるヨーロッパ選手権で戦うことになる。

山崎アンナ/高野芹奈 コメント
「選考で緊張するというよりも、(わたしは)選考に出るのがはじめてなのでワクワクして大会に挑みました。今回はチーム内で曖昧にしていたことを整理して、陸で話していたことを海で実践できるようになったのが良かったです。ただスタートが課題です。この選考で自分たちが勝ったという気持ちは全くなくて、もっと成長して強くなって戦っていければいいなと思います」(山崎)


山崎アンナ(ノエビア・日本体育大学)/高野芹奈(ノエビア・関西大学)photo by Junichi Hirai


波多江慶/板倉広佳(豊田自動織機)photo by Junichi Hirai

※選考の結果(得点)は、日本セーリング連盟オリンピック強化委員会より正式に発表されます。

BHM編集部が見た日本代表選考・プリンセスソフィア杯

 実際に編集部が取材をしてとても違和感を感じていました。いつもの『早春のパルマ』でありながら、昨年のシリーズに見られたような日本の勢いはなく、選考を意識した独特の雰囲気を感じました。

 その緊張は動作や表情、そして成績にもあらわれていたと思います。「ああ、この緊張感が代表選考なんだ」ということを4年ぶりに思い出しました。多くの選手は、自分の思い描いていた走りができず、成績に満足していないことでしょう。そこに代表選考の罠が潜んでいるように思います。

 しかし、選考は複数の指定大会でおこなわれます。低調だったチームは次の舞台で挽回するチャンスが残されています。市野選手のコメントにある「心技体」とは武道で使われる言葉で、ひとつ欠けていても武道の試合で1本に決まりません。セーリングもまさに同じで3つの要素が揃ってやっとレースで戦えます。さらに代表選考には特に心の部分が大きく影響するように思えました。

 470級の第二次選考は、8月に江の島で開催される「470級世界選手権」。49er、FX級は、5月イギリス・ウエイマスで開催される「ヨーロッパ選手権」になります。

 また、今週は同地スペイン・マヨルカ島でRS:X級男女の第一次代表選考「ヨーロッパ選手権」がはじまります。こちらもご注目ください。

◎RS:X級ヨーロッパ選手権
http://www.rsxclass.org/europeans2019/


吉田/吉岡、市野/長谷川インタビュー。映像提供:デイリーセーリング


大会最終日メダルレース、セレモニーの様子

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