【ユースAC】レース開始直前!日本代表「海神チームジャパン」インタビュー

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 6月13〜22日まで、バミューダで「第2回レッドブル・ユースアメリカズカップ」が開催されます。この大会は19〜24歳までの若手選手を対象としたもので、日本からは「海神チームジャパン」が参戦します。現地ではすでに別グループの予選が始まっていて、各国を代表する若手セーラーたちが連日白熱した戦いを繰り広げています。まもなく予選本番を迎える海神チームジャパンの小泉維吹選手、高橋稜レナード選手に話を聞きました。(レポート/宇佐美翔大 海神チームジャパン 選手兼広報)

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海神チームジャパン。写真左からハルブコーチ、高橋、辻、國米、小泉、森嶋、飯塚、三瓶、宇佐美、鈴木。photo by Shota Usami / Kaijin Team Japan

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ユースアメリカズカップ初出場となる日本チームを牽引する小泉選手(左)と高橋選手。2人は49er級現ナショナルチームです。photo by Shota Usami / Kaijin Team Japan

海神チームジャパン:遂にユースアメリカズカップ本番ですね。海神チームジャパンは昨年12月からバミューダに入り、約半年間トレーニングを重ねてきました。ずばり今の手応えを教えてください。

小泉:5月末から6月上旬まで実際にAC45Fを使った公式練習期間があり、同じ予選グループのチームと一緒にコースを回りました。各国のレベルは非常に拮抗している印象で、練習レースでは私たちがトップでフィニッシュすることもありましたが、その分後ろを走ることもあるような状況です。

スタートで失敗してしまうとそこから順位を上げることは難しく、また、スタートで前に出られたとしても1つのミスで大きく順位を落としてしまいます。本番も相当シビアな戦いになると考えています。

高橋:リーチングスタートのため、少しでも出遅れると前を走る船の影響で大きく失速し、先頭集団にさらにリードを広げられてしまいます。そこから逆転する展開はあまり期待できないので、安定した順位を取るためにはスタートからしっかり前に出ることが鍵になると思います。

海神TJ:他のチームとセーリングしてみて、海神チームジャパンの強み、そして弱みはどんなところにあると思いましたか?

小泉:全体を通してスタートは良く、レース序盤はトップを走ることも多かったのですが、ジャイブなどの動作で順位を落としてしまうシーンが何度もありました。クルーワークの改善が今の課題です。

高橋:ストレートラインのスピードでは他のチームに負けている感じはないので、レガッタを通して大きなミスなくコースを回ることができれば、上位入賞、優勝も夢ではないと考えています。

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大会直前にはAC45Fを使ったトレーニングセッションが行われました。photo by Jose’ Luis Domecq Oriol

海神TJ:この大会に向けて、小泉選手はGC32 Racing Tourに、高橋選手はExtreme Sailing Seriesに参加してフォイリングカタマランでのセーリングスキルを磨いてきました。これらの経験はどのように活かされていますか?

小泉:僕は先月のガルーダ大会に「Mamma Aiuto!」チームのヘルムスマンとして参加しました。これまでバミューダ現地のユースチーム「Team BDA」と一緒にトレーニングをしてきましたが、10艇を超えるフリートでのセーリングは初めてだったのでとても勉強になりました。スタートでのポジション争いは自分が思っていた以上に上手くいきましたが、レイラインのミスで順位を落とすことが多々ありました。

カタマランはタックやジャイブなどの動作で大きく失速してしまうので、レイラインを誤って1つ動作が増えるだけで100メートル以上相手にリードされてしまいます。特にシフティーなコンディションではレイラインが1つの勝負どころになると思います。

高橋:僕は「NZ Extreme Sailing Team」のメンバーとして、GC32が採用されているExtreme Sailing Seriesの2〜4月の3つの大会に出場しました。メイントラベラーやダガーボードの操作が主な仕事になります。オマーン大会ではロングコースの、中国大会ではショートコースでのそれぞれの戦い方を勉強し、バウンダリー(レースコースの境界線)際でのタクティクスなど、独特のルールにも慣れることができました。

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GC32 Racing Tour参戦中の「Mamma Aiuto!」、ガルーダ大会では小泉選手がヘルムスマンを務めました。photo by Elena Otekina

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高橋選手は49er級のオリンピックキャンペーンと並行して「NZ Extreme Sailing Team」のメンバーとしても活動しています。photo by Xaume Olleros

海神TJ:今の話にもあった通り、これまで小泉選手がヘルムスマン、高橋選手がウイングトリマー兼タクティシャンというポジションで経験を積んできましたが、先日の公式練習期間からポジションをスワップ(交替)したそうですね。これはかなり大きな決断だったと思います。決め手は何だったのでしょうか?

小泉:49er級では僕がクルー、彼がヘルムをしていて、このチームではそれがいわば反転しているような状態でした。公式練習期間に他のチームとコースを回る中で、レースで前を走るためにはスピード、クルーワーク、タクティクスすべてをもう一段階レベルアップさせる必要があると感じました。

もちろんヘルムを続けたいという思いはありましたが、彼の強みは船を速く走らせることだと分かっていましたし、僕は周りを見て風を読み、他のクルーたちをまとめることには自信があったので、このポジションチェンジはレースで勝つことを第一に考え、チーム全員で出した結論です。

高橋:これまでそれぞれのポジションで磨いてきたスキルが無駄になるのでは、という意見もありましたが、むしろ以前よりもお互いが何を考えセーリングしているのかが分かるようになり、レースに集中できるようになりました。実際、ポジションをチェンジした後のほうが順位は安定しています。

海神TJ:最後に、この大会の展望と海神チームジャパンの目標について聞かせてください。

小泉:繰り返すようですが、どのチームもとても洗練されていてレベルの差はほとんどないので、僕たちを含めすべてのチームが優勝候補だと言っていいと思います。逆に言えば、どのチームが予選敗退してもおかしくありません。大きなミスさえなければ必ず前を走ることができるチームだと自負しているので、集中してレースに臨みたいと思います。

海神TJ:きょうはありがとうございました。ユースアメリカズカップ優勝を勝ち取りましょう!

第2回レッドブル・ユースアメリカズカップ概要
開催日:6月12〜22日
 6/12,13 GruopB予選(6チームによるフリートレースで、上位4チームが決勝ステージ進出)
 6/15,16 GroupA予選(同様)
 6/20,21 Final(各グループ上位4チーム、計8チームによるフリートレース)
開催場所:英領バミューダ諸島
使用艇:AC45F
◎出場チーム:12チーム
Group B:
 Candidate Sailing Team, Austria
 Team BDA, Bermuda
 Next Generation USA, USA
 Land Rover BAR Academy, Great Britain
 NZL Sailing Team, New Zealand
 Spanish Impulse Team, Spain
Group A:
 Youth Vikings Denmark, Denmark
 Team France Jeune, France
 SVB Team Germany, Germany
 Kaijin Team Japan, Japan
 Artemis Youth Racing, Sweden
 Team Tilt, Switzerland

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プレスタートの様子。本大会ではアメリカズカップ本戦同様、リーチングスタートが採用されています。photo by Jose’ Luis Domecq Oriol

海神チームジャパン ウエブサイト
http://www.jsaf.or.jp/kaijin_japan/
Red Bull Youth America’s Cup
http://red-bull-youth.americascup.com/

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