1962年東海岸ニューポートでアメリカズカップを観戦するJFK
セーリング文化は地域色の強いものです。アメリカとヨーロッパでは雰囲気が異なり、細かいことをいえば普段使う用語も違ってきます。共通しているのは、どの国も自国のセーリング文化にプライドを持っていて、その背景には、セーリングが王族、貴族に親しまれてきた起源を持ち、戦争や紛争を乗り越えて継続されてきた歴史があるからかもしれません。(BHM編集部)
歴史の教科書にセーリング文化が登場することはありませんが、王室や政治家にも好まれてきたためヨットは権力の象徴としても映ります。スペイン、デンマーク、スウェーデン、モナコの王室は、いまでも選手としてヨットレースに出場しています。
第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディもセーラーとして知られています。資料によると子供の頃から家族とセーリングを楽しんでいて、1936年には兄弟で出場したスター級の大会で優勝(Nantucket Sound Star Class Championship Cup)、1938年にはハーバード大学ヨット部として東海岸大学選手権(MacMillan Cup)に優勝した経歴があります。
また、15歳の時に父親から贈られた25フィートの木造艇〈Victura〉にはじまり、S&S設計の62フィート・ケッチ〈Manitou〉を所有していました。大統領時代の〈Manitou〉は「フローティング・ホワイトハウス」と呼ばれていたそうです。
映像はロードアイランド州・ニューポートで開催されたアメリカズカップ(1962年)を観戦するジョン・F・ケネディ。彼の短い生涯でセーリングは常に身近な存在だったようです。