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スナイプシーズン始動!金猫杯は慶應大、磯村/入江の手に

 2月19日、鎌倉沖でスナイプ関東フリートが主催する「2021年金猫杯」が開催されました。2022年初となるスナイプ公式レースに38艇が参加。社会人、大学生セーラーが一緒に、笑顔のたえない楽しいヨットレースがおこなわれました。(BHM編集部)

1995年から続く伝統の金猫杯は磯村麟之介(右)/入江貴大が獲得しました。おめでとう!

 レースは小雨の降るなかで3レース実施。風は4〜7ノット程度で、北から東に徐々に振っていくトリッキーなコンディションです。選手たちは今年初の公式レースとあってぎこちなさもありましたが、ウォーミングアップレースには十分な内容となりました。

 優勝は2-1-4位の成績で、全日本選手権優勝経験のある実力派社会人チームを抑えた磯村麟之介/入江貴大(慶應大)。2位は渡邊哲雄/齋藤浩二(SPN)、3位は大井祐一/鈴木恵詞(Tsujido Racing)です。

 本大会は江の島ヨットハーバーと葉山港が拠点となったため、表彰式はそれぞれの会場でおこなわれました。入賞したみなさん、おめでとうございます。次回2022年金猫杯は今冬に開催される予定です。

◎2022年度関東フリートシリーズ日程
第1回江ノ島スナイプ 3/26-27 葉山
第2回江ノ島スナイプ 4/23-24 江ノ島
第3回江ノ島スナイプ 5/28-29 江ノ島
関東スナイプ 7/2-3 江ノ島
東日本スナイプ 7/23-24 江ノ島

鎌倉沖で開催された金猫杯。風は北から東へ、ハイクアウトから風下デッキへと徐々に落ちていきました。
慶應大現役チームの磯村/入江。大学ヨット部の春練習が始まったこともあり、日本大、明治大、都立大、東海大などの大学が出場しました
マーク近くでは笑い声が聞こえてくる金猫杯。写真は大井艇と渡邊艇。実に楽しげにヨットレースしています
国内ディンギーレース初登場となる自走式マーク「マークセットボット」がマーク設置。正確なコース設定でおこなわれました。※クルーザーレースではすでに西宮J/70フリートが自走式マークを使用しています
参加選手みんなで猫のポーズで記念撮影
2021金猫杯成績

◎自走式(ドローン)マークが日本ディンギーレースに初登場!

 金猫杯では日本のディンギーレースで初めて自走式マーク「MARK SET BOT」(マークセットボット)を使用しておこなわれました。

 自走式マークとは無人のドローンブイで、スマホやタブレットから出された指示に従って、マーク位置まで自動で走り固定されるというもの。今回はノースセールジャパンの協力によりヨットレースでの実用が実現しました。

 マーク設置にアンカーは使わず、GPSの位置情報でその場から動くことはありません(風や波、潮の影響は電動船外機で微調整されています)。空撮のドローンをイメージしてもらえらればそのとおりで、決められた位置にピタッと止まってくれます。

 金猫杯では本部船1艇と自走式マーク2機(アウターと上マーク)で上下コースを設置しました。海上の風は弱く、北〜東へ風が大きく振れていく状況で、レース毎にマークを打ち直す必要がありましたが、本部船は上マークやアウターマークに一度も行くこともなくコース設置を完了しました。

金猫杯ではアウターと上マークで自走式マークを使われました。マークの高さ(大きさ)は変更できるようです
マークを上から見ると意外にもシンプルで、エレキ船外機とバッテリー、GPS機材などが見えます。1名程度なら乗艇できるスペースがあります
コース設置はスマートフォン/タブレットアプリでおこないます。設置には海に出ている必要はなく、陸上からでも遠隔操作可能とのこと

 アメリカやイタリアをはじめとする欧米諸国では国際大会でも使用されている自走式マーク。昨年にイタリア・ガルダ湖で開催されたオプティミスト級世界選手権でも採用されていました。

 自走式マークの使用は、運営人数や運営艇の削減、流れることのない正確なマーク設置などのメリットが考えられますが、バッテリー駆動(実際には約8時間持つそうです)やランニングコスト、メインテナンス、海上でのトラブル対処などを考えるとすぐさま選手権大会で使用するのに不安が残るのも確かです。

 ただし、自走式マークの使用実績を増やして使いこなせるようになれば、これほどヨットレースに役に立ってくれる「仲間」はいないでしょう。自走式マークはヨットレースに関わるみなさんなら、ものすごく気になるアイテムではないでしょうか? これから日本での広がりに注目したいと思います。

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