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いったい誰が勝利するのか? 混戦のままアゾレス諸島へ

 1月23日、ヴァンデ・グローブのスタートから75日を過ぎてこれほど近い距離で戦う場面を見たことがありません。フィニッシュ地点のレ・サーブル・ドロンヌ(フランス)まであと1300マイル。トップ艇団はヨーロッパ大陸西方のアゾレス諸島を通過しようとしています。(BHM編集部)

過去最高の熾烈な戦いを演じているヴァンデ・グローブトップ艇団(上記地図は1/24時点)。フィニッシュは1月27日の予定です

 首位に立つのは依然としてチャーリー・ダリン〈APIVIA〉。しかし、高気圧の縁を大回りで微風地帯を通り抜けてきたルイス・バートン〈Bureau Vallée 2〉が一気に近づきました。さらに6時間の救済時間を持つボリス・ヘルマン〈SeaExplorer – Yacht Club de Monaco〉にも優勝の可能性が出てきました。

 過去のヴァンデ・グローブで最も至近距離でフィニッシュしたのは2012-13年大会で、フランソワ・ギャバとアルメル・レ・クリーチの3時間17分です(優勝のギャバは史上最年少優勝、16-17大会優勝のクリーチは大会最短記録を更新)。

 23日の時点でダリンとバートンの差は34マイルなので、おおまかに時間修正すると2〜3時間となります。またヘルマンとの差は61マイルなので、救済時間を考慮すると現時点で時間修正するならばダリンを逆転していることになります。

 救済時間はヤニック・ベスタベン(10時間15分)、ジャン・ル・カム(16時間15分)にも与えられています。距離(23日時点では155マイル差)によってはベスタベンも優勝戦線に絡んでくる可能性があります。

 上記はあくまで仮定になりますが、現時点で誰が優勝するのか予想できる人はいないでしょう。残り1300マイルで劇的なドラマが待っていることを期待してやみません。

◎ヴァンデ・グローブ上位成績 1/23 時点
1 Charlie Dalin〈Apivia〉1,351 nm from the finish
2 Louis Burton〈Bureau Vallée 2〉34.73 nm from the lead
3 Boris Herrmann〈SeaExplorer – Yacht Club de Monaco〉 61.82 nm to leader
4 Thomas Ruyant〈LinkedOut〉 91.53 nm to leader
5 Yannick Bestaven〈Maître CoQ IV〉155.68 nm to leader

ルイス・バートン〈Bureau Vallée 2〉。バートンはフランス・サンマロ出身、39歳。ルートドラムほか大西洋横断8回、世界一周2回挑戦。前大会で最も古いIMOCAで7位を獲得し、本大会は元〈Banque Populaire VIII〉(2015年進水)で挑んでいます
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