写真で振り返る日本のヨットレース、この10年(9)
これまで海で撮影していて、何度か本気で怖い思いをしたことがあります。写真のシーン、2016年5月に葉山で開催されたモス級世界選手権は、特に印象に残っています。レースがはじまる前に接近して撮影していた時、フットバンドが切れて、選手が海に投げ出されてしまったのです。(BHM編集部)
フォイルボートのような高速艇を撮影する時、ボートスピードが速すぎるためボートで追いかけて撮影することは難しく、またフォイルボートはハンドリングが繊細なので、艇の動きを予想しにくい面があります。
アメリカズカップやSailGPのような大会を撮影する時は、撮影艇が移動することはままならず、ラウンディングマークにベタ付きで撮影することが多く、モスやナクラ17、ウインド、カイトのようなスピード競技でも、スタートと下マーク周辺など、移動を最小限にして撮影できるよう計画を立てます。
上記写真を撮影していた時、編集長はカメラを構えていたので何が起きたのか分かりませんでした。撮影艇のドライバーが好判断で、すぐさまキルコードをはずしてエンジンは緊急停止。後方に飛ばされた選手と撮影艇は接触することなく、トラブルになることはありませんでした。
キルコードをはずしたドライバーの方には大感謝です。もし選手と衝突していたら想像したくないほどの大事故につながっていたかもしれません。それ以来、フォイルボートを撮影する場合、後方から近づいて撮影することをやめました。
それと、キルコードの大切さを思い知った1日でした。キルコードは、エンジンキーについている、くるくる巻いた赤いコードで、キールコードをはずせばエンジンが止まります。みなさん、ボートに乗る時は、必ずキルコードを身体につけましょう。
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