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120年前のオリンピックはどんなレースだった?

 ピエール・ド・クーベルタン(仏)により提唱された近代オリンピックのはじまりは1896年アテネ大会でした。第1回アテネ五輪の競技は14カ国/280人が参加。陸上、水泳、体操、レスリング、フェンシング、射撃、自転車、テニスの8競技43種目がおこなれました。(BHM編集部)

オリンピック・セーリングは1900年パリ大会から始まりました。写真は1〜2トン級の優勝艇〈Lerina〉

 セーリングが初めておこなわれたのは1900年第2回パリ五輪で、場所はセーヌ川下流(ムラン・アン・イブリーヌ)と、大型艇(10〜20トン級)は大西洋に面したフランス北西部のル・アーブルで、外洋レースとしておこなわれたそうです。

 セーリング競技(当時はヨット競技と呼ばれていました)は6クラス42艇(6カ国)が出場しました。当時は世界統一規格がなかったため、規定のないオープンクラスが設けられ、その他はテムズ・トン級(1855年にロイヤル・テムズ・ヨットクラブが考案した計測値)により、1/2トン、1/2〜1トン級、1〜2トン級、2〜3トン級、3〜10トン級、10〜20トン級が採用されました。

 レースはクラスごとに4レースおこない、フィニッシュ後に時間修正して順位を決めていました。セーヌ川は、周辺の建物や樹木が壁となり風が弱く、東から西に流れる川の流れも大きく影響しました。また、大西洋のル・アーブルでおこなわれたレースは、三角形のコース(22マイル)で競われたそうです。

セーヌ川のセーリング競技を描いた絵。メトロポリタン美術館に保管されています

1900年パリ五輪 成績
オープンクラス
 1. ローン・C・カリー(イギリス)
 2. マーティン・ヴィースレー(ドイツ)
 3. E. ミシュレ(フランス)
1/2トン(参加7艇)
 1. テクシエール(フランス)
 2. ピエール・ジェルヴェーズ(フランス)
 3. アンリ・モノー(フランス)
1/2〜1トン級(8艇)
 1. ローン・C・カリー(イギリス)
 2. ジャック・ボードリエール(フランス)
 3. E. ミシュレ(フランス)
1〜2トン級(5艇)
 1. ヘルマン・デプールタレー(スイス)
 2. F. ヴィラミティアナ(フランス)
 3. ジャック・ボードリエール(フランス)
2〜3トン級(4艇)
 1. ウィリアム・エクスショー(イギリス)
 2. スーセ(フランス)
 3. オギュスト・ドニー(フランス)
3〜10トン級(12艇)
 1. E.ミシュレ(フランス)
 2. モーリス・グフレ(フランス)
 3. H. スマルダース(オランダ)
10〜20トン級(6艇)
 1. エミール・ピラール(フランス)
 2. ジャン・デカゼ(フランス)
 3. エドワード・ホアー(イギリス)

 金メダルを獲得したのはフランス3個、イギリス3個、スイス1個でした。興味深いのは、イギリスのローン・C・カリー艇が金メダルを2個獲得していることです。現行の規則では複数種目に出場できないセーリング競技で、1大会で複数種目に出場し、2個の金メダルを取ったのはこの時だけです。蛇足ですが、第1回大会は金銀銅メダルの他に賞金も授与されたそうです。

 日本がはじめてオリンピックに参加したのは、セーリングが採用されてから36年後、1936年のドイツ・ベルリン大会からです。スター級に財部実・三井卓雄組(11位/参加12艇)、オリンピックヨレ級に藤村紀雄選手(22位/参加25艇)が出場しました。開催地は、いまも毎年大規模なヨットレースがおこなわれているキールでした。

参考文献:THE ENCYCLOPEDIA YACHTING/世界ヨット百科

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