写真で振り返る日本のヨットレース、この10年(1)
みなさん、鮮明におぼえているヨットレースはありますか? 海でひどい目、つらい目にあった時ほど記憶に残っている、という方は多いのではないでしょうか。バルクヘッドマガジン編集長は、強風や豪雨、荒れた海の思い出がほとんどです。(BHM編集部)
2012年10月、博多湾で開催されたJ/24全日本選手権初日は、朝から強風でした。福岡・小戸ヨットハーバーを出て、湾中央にある能古島(のこのしま)を越えると波も高くなり、操船不能でブローチングする艇が相次ぎました。
写真は突風で横倒しにされた博多フリートの〈MARIL〉です。一人だけ頭が見えますが、ほかの選手がどんな体勢でいたのかを想像すると恐怖が倍増します(全員無事でした)。そんな怖い思いをしても、陸に戻ると笑い話に変わってしまうから不思議です。
撮影用のフォトボートを運転してくれたのは、当時日本経済大4年だった外薗潤平選手(東京五輪470代表)でした。彼とふたりで乗っていたボートが、波を越える時ウィリーするように大ジャンプして、プロペラが空転したのを覚えています。これが一番こわかった。