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SailGP第2戦、強風のサンフランシスコ。日本は惜しくも2位に

 SailGP第2戦「サンフランシスコ大会」が5月4、5日にサンフランシスコ湾で行われました。最終日、日本はフリートレーストップで決勝のマッチレースに進んだものオーストラリアとの対戦で惜しくも勝利を逃し準優勝となりました。(西 朝子/JAPAN SAILGP TEAM)


サンフランシスコ大会初日3連勝を決めた日本チーム。しかし決勝のマッチレースで破れ準優勝になりました。photo by Beau Outteridge for SailGP

 日本チームはレース開始前にウイングセールのコントロールシステムに不具合が生じ、最初のレースを棄権しなければいけない危機に直面しましたが、ショアチームの素早い対応で時間までに復旧することができ、無事にスタートラインに立ちました。

 レース前のウォーミングアップが不足しており、スタートは少し出遅れてしまいますが、そこから素晴らしい追い上げを見せて最終マークを回る時にはイギリス、オーストラリアに続いて3位までポジションを上げます。

 フィニッシュまでの最終レグは、ほぼ同時に回航したオーストラリアチームと併走になります。日本は風下側の有利なポジションを利用してマックスまでスピードを上げ、オーストラリアが着水して失速する間に2位でフィニッシュ。決勝レースへの切符をほぼ手にしました。

 本日2レース目、最後のフリートレースの注目は同点で2位に並ぶイギリスとオーストラリアの攻防です。このレースで先にフィニッシュしたほうが決勝へ進むため、どちらのチームも一歩もゆずりません。トップ争いをする2チームでしたが、最後はオーストラリアが抜け出し1位でフィニッシュ。

 日本はダガーボードがスムースに上下しないマイナートラブルに見舞われたこともあり、このレースを4位で終えました。サンフランシスコ大会で決勝レースに進んだのは、日本とオーストラリアです。開幕戦のシドニー大会と同じ顔ぶれとなりました。

 スタートはほぼ互角。すぐにトップスピードに達した日本は、わずかにリードして第1マークを回航します。次のマークまで手に汗握る併走が続きましたが、第2マークの回航がスムースだったのはオーストラリアチームでした。

 ここでリードしたオーストラリアは日本の猛追を逃げ切り、2大会連続で優勝を手にしました。

 最終のマッチレース、日本はレース途中にソフトウエアに不具合が起き、コース図などを写すモニターが映らなくトラブルに見舞われました。

 SailGPではレースコースに境界線がありますが、海の上に線を引くことができないためGPSデータをモニターに映し、境界線までの距離などを把握します。

 境界線情報なしでレースをするのはかなり難しいことですが、それでもチームは健闘し準優勝することができました。

 次の大会は6月21、22日(現地時間)に行われるニューヨーク大会です。

SailGP サンフランシスコ大会成績
1位:オーストラリア 47 点
2位:日本 46点
3位:イギリス 43点
4位:アメリカ 37点
5位:フランス 28点
6位:中国 27点

【総合成績】
1位:オーストラリア 93点
2位:日本 91点
3位:イギリス 79点
4位:アメリカ 68点
5位:フランス 61点
6位:中国 60点


ネイサン・アウタリッジの隣りにいるのは日本チームに新加入した森嶋ティモシー。ユースアメリカズカップ〈海神〉日本チーム出身で、現在シドニー在住の18フッター乗りです。photo by Beau Outteridge for SailGP


シドニー大会に続いて優勝したオーストラリアチーム。photo by Chris Cameron for SailGP


レース海面は第34回アメリカズカップと同じサンフランシスコ湾ゴールデンゲートブリッジ前。Matt Knighton for SailGP


アルカトラス島前をはしる日本チーム。photo by Beau Outteridge for SailGP


強風のサンフランシスコ。スピートは常に30ノット〜40ノット強という信じられないフォイリングバトルが繰り広げられました。photo by SailGP

日本 早福和彦COO コメント
「まずはチームの労をねぎらいたいです。セーラーとショアチームのハードワークの成果が結びついた結果だと思います。私たちチームは確実に成長しています。特に日本人の若手選手、高橋レオと森嶋ティモシーは短期間の中で吉田雄悟、笠谷勇希等チームメンバーから多くを吸収し、力をつけチームに貢献しています。また、第2戦にして、すでにフリートの差がなくなってきたという印象を強く受けました。さらにチームとして完成度を高めるための多くの課題は、今後も一つずつ克服していかなければなりません。次のニューヨーク大会に向けてさらにチームの団結を強めていきます」(日本チーム COO/早福和彦)

ネイサン・アウタリッジ
「いくつかのトラブルに見舞われましたが、チームはとても良くやったと思います。優勝できなかったのは残念ですが、準優勝は誇れる結果だと思います。セーリング競技では安定した成績を残すことが大事で、まだあと3大会残っています。マルセイユ大会で決勝のマッチレースに出場し、そこで勝つことが目標ですから、しっかりとチーム力を向上させていきます。今大会では高橋レオ、森嶋ティモシーの若手もレースを経験することができ大きな収穫でした」

笠谷勇希
「優勝を日本の皆さんに報告することができなかったのは残念です。でもチームの雰囲気は悪くありません。ギアトラブルは起きるものですし、やるべきことも分かっています。次の大会までの間、僕はしっかり体を鍛えてニューヨーク大会に備えたいです」

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