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江の島強風選手権!スタンダード、ラジアル、4.7合同レーザー全日本選手権

 11月4日〜6日、神奈川県江の島で「2016レーザー全日本選手権」が開催されました。昨年から3クラス合同の全日本選手権大会となり、全国から113艇(スタンダード級36艇、ラジアル級51艇、4.7級26艇)が集まるビッグな大会となりました。(レポート/木内誠レース委員長、日本レーザークラス協会強化委員会、写真提供/日本レーザークラス協会)

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レーザー全日本選手権スタンダードクラスのスタート

 今大会では13歳から70歳までの選手が参加しており、こうして非常に幅広い年齢層の選手が一緒にレースを楽しめるのもレーザークラスの特徴のひとつです。

 今年は長く残暑が続いていましたが、大会初日、2日目とも北寄りの風が南に回る季節外れの状況になるものの、3日目には一転して北の木枯らしが吹きつけるハードな展開となりました。

 初日は、11時30分にスタンダード級のスタート後、他のクラスも順次スタートするものの、風速の低下から4.7級のみコース短縮フィニッシュとなりました。

 長い風待ちの後、風は東に振れ、江の島では珍しい風軸120度でスタンダード級からレース再開となりましたが、強い追い潮の影響でどのクラスも多くのリコールがあり、序盤から波乱の展開となりました。さらに4.7級はスタート後に風軸が150度に振れたため、コース変更されました。

 初日終わってスタンダード級とラジアル級の上位陣はいつもの顔ぶれが並びましたが、4.7級についてはOPの現役世代が暫定1、2、4位を占め、軽中風域まではレーザーの経験が十分でなくてもOPの経験があれば上位選手とも十分戦えることを示してくれました。

 2日目も北から南へ変わる天気予報の中、6〜7ノットでスタートしましたが、途中で東への風の振れと風速が3ノット程度に落ちてしまい、スタンダードはかろうじてコース短縮でフィニッシュしたものの、ラジアル級と4.7級はノーレースとなりました。

 その後、また長い風待ちの後、風は南に回り、12時50分にラジアル級、13時00分に4.7級、その後少し時間を空けてスタンダードがスタートし、200度の安定した中風域で各クラス2レースずつ消化しました。

 結局スタンダード級のみ予定された3レースを行いましたが、3レース目の終盤にかけて風速は上がり続け、平均18〜20ノット、最大24ノットにもなるサバイバルコンディションとなりました。

 2日目が終わってスタンダードは、第4、第5レースで連続トップを取った瀬川が、ラジアルは4レース中3回トップを取った土居、4.7は4レースとも崩さず安定して上位を獲得している前田が首位に立ちました。

 そして2日目はウェルカムドリンクでの「おもてなし」からレーザー全日本大会恒例のレセプション・パーティーが始まりました。今大会のホストフリートである江の島フリートの滝野、石原の進行でフリート対抗「一芸大会」が大盛況で行われました。

 大会パーティーで宴会芸?とも思ったこの企画ですが、司会がいいのか、参加したフリート代表がいいのか、賞品がいいからか? 予想以上に盛り上がり、4つのフリートが豪華賞品をゲットしました。

 パーティーも後半になり、2015年度から始まったレーザークラス別年間ランキングの表彰が盛大に行われました。

 レーザークラス協会では普及・育成を重視し、多くの地域選手権への参加を促す取り組みの一つとして「クラス別年間ランキングシステム」を導入しており、協会が指定した25大会のうちベスト5大会の成績からランキングされるもので、各クラスのチャンピオンにはその栄誉を讃え、セールやジャケット等の豪華賞品とともに賞賛しました。主要大会のみならず、地域選手権での成績獲得が勝利のポイントになります。

2015-2016クラス別年間ランキング チャンピオン
スタンダードクラス:南里研二
スタンダードクラス マスターズ:粟野和昭
ラジアルクラス:高山颯太
ラジアルクラス マスターズ:大西裕
ラジアルクラス レディース:荒木陽菜
ラジアルクラス ユース:高山颯太
4.7クラス:菅沼汐音
4.7クラス マスターズ:永岡明美 (次年度からは表彰対象をレディースに変更)

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強風の中、スタートする4.7級

 最終日は、朝から北の中風が予想されたため、ラジアル級及び4.7級はスタート時刻を30分繰り上げ、残る3レース完了を目指しました。

 今年初めての木枯らしが吹き出し、風速は18〜24ノットの絶好のコンディションとなり、すべてのレースを風軸40度で実施しました。江の島の海面にはシーズンのカワハギ釣りの遊漁船が多数散在したため、想定位置にマークが打てずコースの形状が若干崩れるというアクシデントもありましたが、予定通りの時刻にラジアル級からスタートし、順調にレースを消化していきました。

 レース中は、最大瞬間風速30ノットにも達し多くのリタイア艇も出ましたが、無理をせず体力の残っているうちに勇気あるリタイアを選択し自力帆走でハーバーバックする選手も多く、事故もなく、結果的に全クラスで予定していた7レースを完了することができました。

 今回のレガッタは、微風から中風、強風までの風域と北から東そして南南西の風向まであらゆるバリエーションでレースを行うことができ、真の全日本チャンピオンを決めるにふさわしいコンディションとなりました。

 スタンダード級は、最終日の強風シリーズを1-2-1位でまとめた瀬川和正(大阪北港)が初の全日本チャンピオンに輝き、ラジアル級は、リオデジャネイロ・オリンピック後、練習量が減り体重も落ちて強風域のクローズが苦しかったという土居愛実(江ノ島)が貫録のスコアで優勝、そして4.7級は、後半の強風シリーズを圧倒的な速さで4連続トップを取った桐井航汰(江ノ島)がうれしい初優勝を勝ち取りました。

 本大会では、JSAFのナショナルチームのクオリファイ、及び2017年1月のオーストラリア・ユースチャンピオンシップ、2017年スタンダード級男子及びラジアル級女子の代表選考を兼ねており、それぞれ以下の選手が権利を獲得しました。また、ユースにおいては2017年の各世界選手権の代表選考ランキング大会の初戦となっており、これから約半年間の厳しい戦いが始まりました。

JSAFナショナルチーム候補
スタンダード級男子 瀬川和正
ラジアル級女子   土居愛実

2017年オーストラリア・ユース・チャンピオンシップ代表候補
ラジアル級ユース男子  鈴木義弘、西尾拓大
ラジアル級ユース女子  赤松理彩、小屋英美里
4.7級ユース男子    桐井航汰
4.7級ユース女子    三浦凪砂

2017年世界選手権代表候補
スタンダード級男子 樋口碧、北村勇一朗
ラジアル級女子   梶本和歌子、冨部 柚三子

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スタンダード級優勝の瀬川和正

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ラジアル級優勝、土居愛実

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4.7級優勝、オーストラリアユース選手権代表の桐井航汰

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クラス別年間ランキング表彰選手。左から菅沼汐音(4.7)、南里研二(スタンダード)、粟野和昭(マスターズ)、高山颯太(ラジアルユース)

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全員集合。来年のレーザー級全日本選手権は、山口県光市で開催予定です

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ラジアル級成績

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スタンダード成績

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4.7級成績

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