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2年目を迎えた新生ニッポンカップ。Audi NIPPON CUP 葉山スプリングシリーズ

 葉山マリーナヨットクラブ主催「Audi NIPPON CUP 葉山スプリングシリーズ」が、3月19日、20日の2日間、葉山沖で開催されました。かつての国際マッチレース「NIPPON CUP」の名前を引き継ぎ、昨年復活したこの大会は、今年もアウディジャパン販売株式会社の特別協賛を得て開催となりました。本格的なレースシーズンの幕開けとも言えるこのレースに、相模湾を中心に、横浜、東京湾、駿河湾、東北などから全31艇が集まりました。(レポート/葉山マリーナヨットクラブ NIPPON CUP実行委員会)

年2回予定されているNIPPON CUP。スプリングシリーズは振れまわる風とうねりに翻弄されました。photo by Junichi Hirai

 レース初日となる19日は、前線を伴う低気圧の影響でかなりの荒天が予想されていたため、前日のうちにスタート時刻を3時間遅らせる決定をしました。午前中は大雨の中、いつ吹き上がるのかと落ち着かない待機となりましたが、結局風は吹かないまま、予定どおり午後からレースがおこなわれました。

 第1グループのスタートはAudi Melges 20クラス、続く第2グループがビッグボートやハイパフォーマンスボードを中心としたIRC-AクラスとBクラス、最後の第3グループでは、ミドルボートサイズ中心のIRC-CクラスとDクラスがスタートします。

 レース海面は当初北東の風が支配していましたが、スターティング・シーケンスに入る直前に大きく東に振れ、コースを再設定してスタートさせたものの、この風も安定しませんでした。この日は沖から2mを超える大きなうねりが入り、参加艇も運営側も振れまわる風とうねりに翻弄された1日となりました。

 結局初日は1レースのみで終了し、〈CENTURY FAST GP〉(GP33N/M)、〈STARBOARD JR〉(N/M36)、〈CAVOK〉(FIRST35)、〈APHROS〉(TSUBOI IMS950)、〈SWIFT MAGIC〉がトリッキーな風を制し各クラスで勝利をおさめました。

 2日目はスタート時刻を30分早めましたが、相変わらず不安定で物足りない風です。最初のレースでは、スタートしたものの途中でかなりの微風となり、IRCは全クラスでN旗があがりノーレースに。

 続くレースも風軸がなかなか定まらず、スタート後も断続的に振れていくという運営泣かせのコンディションとなりました。最終スタート時刻が迫る中で実施された最後のレースは、午後になりようやく入った6〜8ノットのシーブリーズの中でおこなわれました。

 2日間でIRCクラスは3レース、Melges20クラスは4レースが成立しスプリングシリーズが終了しました。終わってみればすべてのレースでC旗があがるという気まぐれなコンディションで、運営側にとってはレースの成立とフェアなコース設定との狭間で揺れた悩ましい2日間となりました。

 IRC-Aクラスは〈Papillon〉(Melges32)が優勝し、2位、3位も軽量快速艇が独占しました。IRC-Bクラスでは、昨年来このレースとは相性が悪かった〈LUCKY LADY VIII〉(FARR30 IOD)が雪辱を果たし優勝、IRC-Cクラスは〈CAVOK〉が昨年の春秋に続く三連覇を飾りました。IRC-Dクラスは最小レーティングの〈APHROS〉が盤石の走りで圧勝しました。

 IRC各クラスの優勝艇は、難しいコンディションの中、3レースで4〜5ポイントにスコアをまとめての勝利となりました。また、唯一4レースが成立したAudi Melges20クラスでは、〈SWIFT MAGIC〉が優勝を飾りました。

 風が物足りなかったのは残念ですが、今回も、歴史あるレーシングチーム、新しく頭角を現してきたチーム、若い世代のチームなど、今もっとも勢いのあるレーシングフリークたちが一同に会し、冠スポンサーのつく華やかなレースの雰囲気も相まって、表彰式も大いに盛り上がりました。

 また、今回は協賛企業を通じて2日間で約50名のゲストが観覧艇に分乗してレース観戦に訪れました。今まで実際のセーリングシーンを見たことがない方々にもヨットレースの雰囲気を楽しんでもらおうと、レースの説明員はクラブメンバーが買って出て、スタートやマーク回航シーンなどを解説付きで観戦して頂きました。

 ヨットレースは観客の少ないスポーツですが、普段目にすることのないヨットレースの世界を多くの方に見てもらい、セーリングをより身近に感じてもらうきっかけとなればうれしく思います。

 葉山マリーナヨットクラブでは、今後もプレーヤー目線での自主運営をモットーに、このNIPPON CUPを末永くセーラーに支持されるイベントに育てていけるよう取り組んで行きたいと思います。

 次回、オータムシリーズは11月12日、13日に開催されます。多くのみなさまの参加をお待ちしています。


2016 Audi NIPPON CUP 葉山スプリングシリーズ、ダイジェスト映像。映像提供:レイラインメディア

◎Audi NIPPON CUP 2016
http://www.hmyc.or.jp/nc2016/

◎大会の写真は、下記でご覧いただけます。
バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー 1日目(100枚)
バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー 2日目(53枚)

相模湾だけでなく、横浜、東京湾、駿河湾、東北からも参加があり、全31艇が出場しました。photo by Junichi Hirai
大会初日は40フィート艇のハルが隠れてしまうほどの大きなうねりに悩まされました。photo by Junichi Hirai
Audi Melges20クラスは海外レース参戦など精力的に活動している〈SWIFT MAGIC〉が優勝。photo by Junichi Hirai
表彰セレモニーは長者ヶ崎の葉山ゲストハウスC33でおこなわれました。photo by Junichi Hirai
裏方としてレースを盛り上げたNIPPON CUP運営チーム。photo by Junichi Hirai

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