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日本が向かう方向は? 急速に変化しているワンデザイン・フォイリングボートの世界

 今年11月におこなわれたISAF年次総会で、ある注目の発表がありました。それは、2020年東京五輪に関係することで、装備(イクイップメント)委員会より提案された「ナクラ17級を進化させ、フォイリングできるようにすること」がイベント委員会に承認されたのです。(BHM編集部)

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リオ五輪、東京五輪で採用されることが決まっているナクラ17級。photo by Junicihi Hirai

 つまり、五輪用に開発されたナクラ17級は、クラスルールを変更して「空を飛ぶ」可能性が出てきました。2020年8月には日本で、史上初となるフォイリング・カタマランによるオリンピック・セーリング競技がおこなわれるかもしれません。

 バルクヘッドマガジンでは、2015年6月25日に「一般セーラーへ広がるのか?フォイリングボートの現在」という記事を書き、そのなかで、ナクラ17級のフォイル化、を予想していただけに「やはり、そうきたか」と思うと同時に、ワールドセーリング(ISAFが名称変更しました)が持つ、未来への危機感をひしひしと感じた次第です。

 フォイリングボートは、カイトフォイル、モス、フライングファントム(今年、和歌山で開催されたレッドブル・フォイリングジェネレーションは来年、再来年も世界各国で開催される計画があります)といった1人、2人乗り種目が広く知られ、さらに2013年にアメリカズカップでAC72にフォイルが採用されたことは、キールボート界に「その世界」が開花するきっかけとなりました。次回アメリカズカップでは、ワールドシリーズで使用するフォイリングカタマラン(AC45 → AC45F、AC45S)の改造・新造が続き、本番では新型48フィート艇が採用される見込みです。

 こうした流れの中で、またひとつ化学反応に似た変化がありました。2007年にはじまり世界を転戦しているエクストリーム・セーリングシリーズで、来年よりフォイリング・カタマラン「GC32」の採用が決まったのです。これまでエクストリーム40という“飛ばないが過激なカタマラン”を採用してきたエクストリーム・セーリングシリーズは、“空を飛ぶ過激なカタマラン”に変更され、あたらしい時代を迎えることになります。

 それと同時に今年から本格的に始まっている「GC32レーシングツアー」にも注目が集まっています。今年は〈アリンギ〉やメルジェス32ワールドチャンプの〈アルゴ〉、カタマラン大国フランスからも参戦しましたが、充実したエントリーを集めるまでに至らなかったのが現実です。しかし、2016年のサーキットには、すでに6チームが参戦にサインアップ。そして、このGC32レーシングツアーには、日本からの参戦も予定されています。

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アメリカズカップ・ワールドシリーズのAC45。2017年前半は、オマーン、ニューヨーク、シカゴ、ポーツマス開催が発表されました。日本開催も検討されています。photo by Gilles Martin Reget

The Extreme sailing Series 2015. Act 8. Sydney. Australia .  Day 4 Image licensed to Lloyd Images
2007年からエクストリームセーリングシリーズで採用されてきたエクストリーム40。photo by Lloyd Images


エクストリーム40、9年間を振り返ります

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