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アブダビISAFワールドカップ2日目。吉田/吉岡、トップと僅差の総合3位へ

 10月30日、ISAFセーリングワールドカップ・アブダビ。大会2日目は午後から急激に風が落ちる予報のため、スタート時刻を9時30分に早めておこなわれました。ここ数日のアブダビは、午前中に南風が吹きあがるものの、時間とともに風が落ち、風向が180度振れて、午後は北風になる傾向が続いています。(BHM編集部)

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アブダビ2日目。早朝の風は一時17ノットまで吹き上がり、徐々に落ちてきました。photo by Junichi Hirai

 これまで編集部が、ボルボオーシャンレースの寄港シーンや過去のアブダビ大会の映像を見ていて、「アブダビは風が弱い」という印象がありましたが、しかし、ここ2日間のレースを見ていると20ノットまではいかないものの、しっかりした風が吹いています。また、レース海面は、内海(49er、カイト、メダルレースで使用)と外海でおこなわれますが、日本のような漁網もなく広々としてフラットな海面が特長です。

 アブダビは、来年3月にリオ五輪アジア選考がおこなわれることが決まっています。日本レーザー級選手、さらに来月におこなわれる数種目の世界選手権の結果では、複数の日本選手がアブダビに来ることになるでしょう。時期が異なり、またレース運営も同じではないので分かりませんが、リオ五輪アジア代表枠を狙うならしっかりした海面調査が必要だと感じました。

 大会2日目は、各クラスと2から3レースおこなわれましが、注目の470級女子は、上位3チームが激戦となっています。4レースを終えて1位オーストリア5点、2位イギリス5点、3位に吉田 愛/吉岡美帆が6点と上位3艇は1点差にひしめきあい、1つの失敗が命取りになるシビアな戦いがおこなわれています。

「前に出るか出られないかは、ちょっとした差で決まります。たとえば、ダウンウインドでゲートへ向かうポジショニング。ゲートマークの左右のどちらから風が先に入るのか、それを見極めてマークを選ばないと一気に逆転されてしまう。正しい方(コース)を選択し、正しいポイントでタックする。ひとつひとつ正しい答えを出すことで、少しずつ前に出られるんだと思います。きょうは、むずかしいけれど楽しいレースでした」(吉田 愛)

 吉田/吉岡は依然として金メダル圏内にいます。上位2艇が世界のトップ選手であること、少数のフリートの戦いであることを踏まえると、大きく崩すとは考えにくく、明日大会3日目(2レース)が勝負となりそうです。同じく470級女子に出場する山口祥世/畑山絵里は、3位から総合5位に順位を落としました。

 レーザーラジアル級に出場する土居愛実は、14-14位で総合18位に。上マークを上位で回航する場面もあるものの、その順位をキープできず順位を落とす展開も見られました。

「この(上位選手の)顔ぶれのなかで、力不足を感じています。順位を落としてしまったのは、シフトの読み違いというか、判断のタイミングを間違えたこともあります。出場しているのはオリンピックと同じようなメンバーなので、このなかで戦えるようにならないといけません」(土居愛実)

 これはレーザーラジアル級に限ったことではありませんが、世界の20位から10位へ。そして10位から5位、3位までのグループに入るには、それぞれ大きな壁があります。彼女のこれまでの活躍と成績は、日本シングルハンド界の革命であることに間違いありませんが、世界での実力は20位前後といったところ。この壁を乗り越えるには、もう一歩の成長が期待されます。

 31日大会3日目は予選最終日となり、上位10艇は最終日のメダルレースに進みます。

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吉岡美帆、吉田 愛。リオ五輪へ向けて来年の計画も決まりつつあります。photo by Junichi Hirai

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畑山絵里、山口祥世。得意の軽風域だけでなく、ラフな強風域を克服したいところです。photo by Junichi Hirai

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慶応大2年(22歳)の土居愛実。11月に開催される世界選手権のリオ五輪出場枠獲得が目標です。photo by Junichi Hirai

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1位に1点差、総合3位につける吉田 愛/吉岡美帆。photo by K.Nakajima

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前週にオマーンで世界選手権がおこなわれたばかりのRS:X級には男子14、女子13艇出場しています。photo by Junichi Hirai

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好順位をキープできない土居愛実。photo by Junichi Hirai

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今回のワールドカップではカイトボーディング(フォーミュラーカイト)もあります。写真は風を待つカイトボードの選手たち。photo by Junichi Hirai


大会2日目ダイジェスト。映像提供:レイラインメディア

470級女子 参加8艇
1. AUT Lara Vadlau / Jolanta Ogar 1-(9)OCS-1-3 5.00p
2. GBR Hannah Mills / Saskia Clark 2-2-(3)-1 5.00p
3. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 3-1-(4)-2 6.00p
5. JPN 山口祥世/畑山絵里 4-3-6-(8) 13.00p

レーザーラジアル級 20艇
1. NED Marit Bouwmeester 3-1-1-(8) 5.00p
2. SWE Josefin Olsson (10)-2-2-4 8.00p
3. FRA Marie Bolou 2-3-6-(16) 11.00p
18. JPN 土居愛実 (19)-14-14-14 42.00p

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