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初の女子優勝!レッドブル・フォイリングジェネレーション・スウェーデン大会

 8月7〜9日、「レッドブル・フォイリングジェネレーション」スウェーデン大会が、同国南端の港町マルメで開催されました。2015年に世界7カ国で予定されている「レッドブル・フォイリングジェネレーション」は、J字型のダガー、T字型のラダーを持つフライングファントムを使用しておこなわれる、次世代セーラー発掘プログラムです。出場年齢は16〜20歳に限定され、各国の優勝者は2016年に開催されるワールドファイナルに招待されます。(BHM編集部)

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スウェーデン大会優勝のセリナ・バーリン/オスカー・ベングトソン。photo by Richard Ström / Red Bull Content Pool

 最高速度35ノットで走るフライングファントムについて、乗艇経験のない編集長には想像しがたいものがあります。パワーボートでも35ノット出すには勇気のいるもので、ハイパワーのエンジン、燃料、フラットな波コンディション等、さまざまな条件が求められます。特別な仕様の船以外、35ノットで走るのは「楽」な仕事ではありません。

 セーリングボートでこのスピードを出すのだから、このフライングファントムが普通の船じゃないことは想像できるでしょう。高速セーリングが可能になる理由は水面下のフォイルにあります。フォイルを利用して水面から浮き上がることで、接水面積を最小限に、水の抵抗が可能な限りなくなりハイスピード化が実現しています。

 セーリング中、ジブ、メインセール、ジェネカーシートはタイトに引き込みます。これはボートスピードが風速を追い越し、さらに風が前にまわっていくからです(追い風のなか自転車でダッシュすると風は後ろからではなく、前から受けます。真の風向・トゥルーウインドは後方ですが、実際にセールトリムに関わる見かけの風・アパレントウインドを前方から受けることになります)。

 フォイリング・カタマランは、2013年サンフランシスコ・アメリカズカップに登場し話題を集めました。フォイリング・カタマランは、次回のバミューダ・アメリカズカップでも採用されています。スポーツディレクターをつとめるローマン・ハガラとハンス・ペーター・シュタイナッハーは、将来有望なセーラーを発掘し、ユースアメリカズカップ、そしてアメリカズカップの舞台へ進むチャンスを与えようとレッドブル・フォイリングジェネレーションは考案されました。

 世界4カ国目となるスウェーデン大会には10チームがエントリー。7日に予選をおこない8チームに限定したのち、2日間ノックダウン方式でおこなわれました。8日は風が強く、レースができるかギリギリのなかおこなわれ。ファイナルとなった9日最終日は10ノット前後のフォイリングコンディションとなり、セリナ・バーリン/オスカー・ベングトソンが優勝しました。バーリンは女子で初となるチャンピオンです。

 これでレッドブル・フォイリングジェネレーションは4大会を終え、2016年のワールドファイナルへ進む4カ国の代表が決まりました。次回フォイリングジェネレーションは、9月4〜6日にデンマーク・オーフスで開催されます。

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10艇が出場したスウエーデン大会。予選で8艇に絞られ、決勝はノックアウト方式でおこなわれました。photo by Richard Ström / Red Bull Content Pool

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カタマラン・フォイリングボートのなかでは最も世界に普及するフライングファントム。photo by Richard Ström / Red Bull Content Pool

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スウェーデン大会入賞者。優勝チームは2016年ワールドファイナルへ出場します。photo by Richard Ström / Red Bull Content Pool


スウェーデン大会ダイジェスト。本大会はマルメ・セーリングウィーク(同市の複合種目セーリングイベント)のオープニングとして開催され、多くの観戦客、応援が訪れました

◎レッドブル・フォイリングジェネレーション スウェーデン大会最終成績
1. Celina Burlin / Oscar Bengtson
2. Axel Rahlm / Mattis Ekvall
3. Erik Linden / Filip Larsson
4. Mans Gustaffson / Robin Nilsson

◎レッドブル・フォイリングジェネレーション代表選手
第1回 日本代表:矢野伸一郎/藤木一誓
第2回 イギリス代表:オーウェン・ボワーマン/モーガン・ピーチ
第3回 イタリア代表:マッテオ・ピラティ/フランチェスコ・ルバゴッティ
第4回 スウェーデン代表:セリナ・バーリン/オスカー・ベングトソン

◎RedBull
http://www.redbull.com/jp

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