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プリンセスソフィア杯、日本470男子大接戦で閉幕。決着は6月ヨーロッパ選手権へ

 4月4日、スペイン・マヨルカ島「プリンセスソフィア杯」最終日。メダルレースに出場した470級女子の吉田 愛/吉岡美帆は最終6位、470級男子の松永鉄也/吉田雄悟は、スタートリコールで5位へ後退。メダル獲得を逃しました。また、土居一斗/今村公彦は2位フィニッシュで順位をキープ。総合6位で大会を終えました。(BHM編集部)

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先行したチームアビームに対し、遅れて上マークへ向かうスリーボンド。スリーボンドはリコールで順位を落としました。photo by Junichi Hirai

 この結果を予想できる人がいたでしょうか。白熱する470級男子は、予測できない展開となりました。予選から決勝まで絶好調でメダル獲得圏内につけていたスリーボンド。対して予選20位から決勝フリートに入ってから怒涛の勢いで上昇したチームアビーム。メダルレースでスリーボンドが順位を落としたことで、アビームとの順位差が縮まり、第一次選考は大接戦の幕切れとなりました。

スリーボンド・松永鉄也「選考はあまり意識していません。まったくしないというのは嘘になるけれど、選考を意識していては世界のトップと戦えないし、自分たちのパフォーマンスが出せなくなる。今回、表彰台に立てるチャンスを逃したのは残念です。メダルレースの常連になってきたけれど、その先が問題。これから選考だから何を意識するとかではなく、メダルを取ることを目標に戦っていきたい」

スリーボンド・吉田雄悟「(リコールについて)狙いすぎたわけでもないし、普段通りだったと思う。今回は予選からシングルが取れて波に乗れていた。予選を良い成績で決勝に進むのが最低条件だったので、それはクリアできています。ぼくたちに必要なのはレース力。この大会ではアルゼンチンとGBRがトップレベルのレース力がある。それに近づければいいと思っていた。現状維持できたことは成果。欲を言えば、表彰台に立ちたかった。次回チャレンジします」(吉田雄悟)

チームアビーム・土居一斗「(メダルレースは)点数的に前を抜くことはできなかったので、後ろに追いつかれないようにすることを考えていました。運もあったけれど、アビームにとって一番よい結果になりました。予選でもう少し点数を抑えておければ、もしかしたらスリーボンドに勝つチャンスがあったかもしれません。第一次選考は、いまあるベストを尽くしました」

チームアビーム・今村公彦「前半戦はつらかった。相手を意識しすぎました。でも、予選で順位が大きく離れたことで、逆に自分たちのペースを取り戻すことができました。(第一次選考の)得点はそれほど離れていません。自分たちはスリーボンドに勝つことを貪欲に考えています。相手の背中を見るポジションですが、彼らに追いつき、追い越せば世界で戦えるレベルに行けると思っています」

 正式な選考ポイントは、後日JSAFより発表されますが、編集部の手計算によれば、その差5点ほど。この点数を持って、6月後半に始まる日本代表第二次選考、デンマーク・ヨーロッパ選手権へ挑みます。

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◎日本セーリング連盟発表・470級日本代表第1回選考の得点数
470級・男子
第1回代表選考の成績
第46回プリンセスソフィア杯(Palma Spain) 2015年3月27日〜4月4日
参加艇数:27か国/79艇
5位 松永鉄也・吉田雄悟 102点
6位 土居一斗・今村公彦 97点
35位 飯束潮吹・八山慎司 52点

代表選考の得点計算(第1回)
認定参加艇数:79艇×90%=71艇(小数点以下切り捨て)
得点計算方式:(71+1-大会順位)÷71×100=大会の得点(小数点以下切り捨て)
松永(71+1-5)÷71×100=94
土居(71+1-6)÷71×100=92
飯束 (71+1-37) ÷71×100=49

ボーナス得点:
松永 5位 入賞ボーナスポイント 8点
土居 6位 入賞ボーナスポイント 5点

470級・女子
第1回代表選考の成績
第46回プリンセスソフィア杯(Palma Spain) 2015年3月27日〜4月4日
参加艇数:25か国/62艇
6位 吉田 愛・吉岡美帆 95点
21位 山口祥世・畑山絵里 63点

代表選考の得点計算(第1回)
認定参加艇数:62艇×90%=55艇(小数点以下切り捨て)
得点計算方式:(55+1-大会順位)÷55×100=大会の得点(小数点以下切り捨て)

吉田 (55+1-6)÷55×100=90
山口 (55+1-21)÷55×100=63

ボーナス得点:
吉田 6位 入賞ボーナスポイント 5点
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◎46 TROFEO S.A.R. PRINCESA SOFÍA
http://www.trofeoprincesasofia.org/

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プリンセスソフィア杯最終日。470級男子メダルレースのスタート。ショートコースにもかかわらず風弱くマーク変更が二度おこなわれました。photo by Junichi Hirai

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総合5位で終えたスリーボンド、松永鉄也/吉田雄悟。photo by Junichi Hirai

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後半戦で急激に順位をあげたチームアビーム、土居一斗/今村公彦。photo by Junichi Hirai

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女子6位、ベネッセホールディングスの吉田 愛/吉岡美帆。毎レガッタで課題出し、練習、次の大会で成果を確認する、という計画を淡々と実行し、着実に実力をあげています。「自分たちの得意、不得意の風域を再確認できたレガッタでした。吹いた時は余裕があって落ち着いて走らせられます。風が落ちた時に順位をキープできるようになりたい」(吉田愛)。photo by Junichi Hirai

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表彰セレモニーはパルマ大聖堂でおこなわれました。入り口にセキュリティーチェックがある厳格なレセレモニーです。photo by Junichi Hirai

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最も点数の少なかった選手に贈られるプリンセスソフィア杯は、470級女子のジョー・アレ/ポリー・パウレ(NZL)が獲得しました。photo by Junichi Hirai

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表彰セレモニーにはソフィア王妃(写真後列中央)がプレゼンテーターを務められました。写真はプリンセスソフィア杯恒例の金メダリスト全員集合です。photo by Junichi Hirai


最終日ダイジェスト。土居/今村組、松永/吉田組、吉田愛/吉岡組のインタビュー、セレモニーの様子。映像提供:デイリーセーリング

◎プリンセスソフィア杯最終成績
RS:X級男子 82艇参加
14. 富澤 慎(トヨタ自動車東日本)
55. 板庇雄馬(立命館大学)

470級男子 79艇参加
1. ARG Lucas CALABRESE / Juan DE LA FUENTE
2. GBR Luke PATIENCE / Elliot WILLIS
3. SWE Johan MOLUND / Sebastian ÖSTLING
4. ESP Onán BARREIROS RODRÍGUEZ / Juan CURBELO CABRERA
5. 松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド)
6. 土居一斗/今村公彦(チームアビーム)
7. USA Stu MCNAY / Dave HUGHES
8. SWE Anton DAHLBERG / Fredrik BERGSTRÖM
9. GRE Panagiotis MANTIS / Pavlos KAGIALIS
10. FRA Guillaume PIROUELLE / Valentin SIPAN

470級女子 62艇参加
1. NZL Jo ALEH / Polly POWRIE
2. FRA Camille LECOINTRE / Helene DEFRANCE
3. GBR Hannah MILLS / Saskia CLARK
4. GBR Sophie WEGUELIN / Eilidh MCINTYRE
5. BRA Fernanda OLIVEIRA / Ana BARBACHAN
6. 吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
7. USA Anne HAEGER / Briana PROVANCHA
8. POL Agnieszka SKRZYPULEC / Irmina MROZEK GLISZCZYNSKA
9. NED Afroditi KYRANAKOU / Anneloes VAN VEEN
10. RUS Alisa KIRILYUK / Liudmila DMITRIEVA
21. 山口祥世/畑山絵里(ノエビア)

レーザーラジアル級 117艇参加
23. 土居愛実(慶応義塾大学)
74. 冨部柚三子(レーザー江の島フリート)

レーザー級 164艇参加
82. 安田真之助(宮津高等学校・教員)
145. 瀬川和正(鳥取県セーリング連盟)

RS:X級女子 66艇参加
26. 須長由季(ミキハウス)
43. 小嶺恵美(J-WILL PARTNARS ICHIMIYA GROUP)

49er級 74艇参加
20. 牧野幸雄/高橋賢次(トヨタ自動車東日本)

ナクラ17級 56艇
46. 後藤 浩紀/田畑 和歌子(SAILFAST・チームアビーム)

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