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ISAFワールド中盤戦、混乱のサンタンデール

 サンタンデールISAFワールド5日目。選手、運営は、レース数を消化するためにスタート時刻を2時間早めて集合しましたが、その希望を打ち砕くかごとく、朝からまったく風がありません。昨年のテストイベントではいい風が吹き、また本大会の事前練習でも吹いたという評判の海面ですが、嫌がらせをするように頑固なまでに風が吹きません。(BHM編集部)

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曇天の曇り空から風が吹き下ろしてきましたが、それも長くは続かず。海面は風(ブロー地帯)の階段ができているようで、「10〜15分間吹き上がったらなくなり、風向を変えて吹き上がって、またなくなる」を繰り返しました。photo by Junichi Hirai

 結局、昼間で陸上で風待ち。その後、低い雲が広がり北東の風が吹き始めて沖に出ると白波が立ち始めました。これは期待できそうです。第1レースはエキサイティングな風で始まりましたが、またしてもその期待も裏切られ、風はあちこちから吹いてくる混乱戦となりました。

 470級女子は2レースを終えて予選を終了できましたが、最もアウトサイドでレースをしている470級男子は、風が入り乱れてブルーグループ1レース、イエローグループ2レースで終了。予定されていたレース数を終えるまでには至りませんでした。

 470級男子は松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド)が4位を獲得して上位をキープしています。両グループのレース数が合わないため成績は出せませんが、2レースを終えて失点を10点におさえています。

 470級女子は、吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセ)が強弱の激しい混乱の風のなかでベテランの風格を見せて、決勝ゴールドフリート進出を決めました。

 470級男子は結局6時間以上の風待ち。一旦風が入ってきてスタートの準備をはじめますが、右と左から風が入ってきて最終的には止まってしまいます。スタートシークエンスを始めましたが、途中で中止になる場面が何度もありました。

 その他のクラスの成績は次の通りです。予選が終わらないことは世界選手権が始まっていないに等しく、吹かない風が悪いとはいえ、運営側に焦りがではじめています。

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今年で2年目の活動となる吉田/吉岡。吉岡のクルーワークも落ち着いてきたように見えます。しかし、その先のクルーワークを身につけなければ、世界のトップとは争えません。まだまだ成長中です。photo by Junichi Hirai

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松下/堤。470級女子にはベネッセホールディングスから2チーム(4名)が出場しています。いまは2度の五輪出場経験を持つ吉田愛が牽引役になっていますが、後輩たちが彼女を追い越さない限り日本の将来はありません。photo by Junchi Hirai

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470級男子のレース中、風がまったくなくなりましたが、O旗が掲揚されていたために無風のパンピングだけで選手たちは走りました。しかし、トップを走っていたフランスとオーストラリアが(たぶん)スカリングで42条違反。二度目のホイッスルを吹かれて失格となりました。ジュリーボートにはロンドン五輪レーザーラジアル級金メダル、選手を引退してジュリーの勉強をしているリーシャ・シュー(CHN)です。失格の相手は…。photo by Junichi Hirai

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失格になって思わずうつむくベルチャー/ライアン(AUS)。金メダリストが金メダリストに失格宣告です。ダラダラしていたレース海面にピリッとした緊張が走りました。photo by Junichi HIrai
※その後、フランス、オーストラリアによる抗議が深夜にまで及び。結果、両艇は救済される結果となりました。

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今夏よりヤンマー社がスポンサーについた市野直毅/外薗潤平(和歌山セーリングクラブ/JR九州)。なかなか前に抜けだせず苦しんでいます。photo by Junichi HIrai

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こちらは日本男子リーダーの松永/吉田。きょうも長い長い1日を海上で過ごしました。photo by Junichi HIrai

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サンタンデールISAFワールドの写真をバルクヘッドマガジン・フォトギャラリーに掲載しています。
http://hiraijunichi.photoshelter.com/

470級男子 大会3日目 出場73艇
1. FRA Nicolas Charbonnier / Achille Nebout-Javal 6.00p
2. ITA Francesco Rebaudi / Matteo Ramian 9.00p
3. GBR Luke Patience / Elliot Willis 9.0p
11. JPN 土居一斗/ 今村公彦 18p
23. JPN 市野直毅/外薗潤平 33p
35. JPN 飯束潮吹/八山慎司 61p
JPN 松永鉄也/吉田雄悟 10p
※ブルーフリートが合計2レースしかおこなわれていないため成績は確定していません。

470級女子 大会3日目 出場54艇
1. GBR Hannah Mills / Saskia Clark 6.00p
2. AUT Lara Vadlau / Jolanta Ogar 8.00p
3. NED Michelle Broekhuizen / Marieke Jongens 8.00p
16. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 21p
40. JPN 松下 結/堤 優華 48p

RS:X級男子 4日目成績 出場98艇
1. POL Piotr Myszka 9.00p
2. FRA Pierre le Coq 13.00p
3. GBR Nick Dempsey 13.00p
21. JPN 富澤 慎 44.00p
シルバーフリート
67. JPN 板庇雄馬 121.00p
69. JPN 倉持大也 128.00p

RS:X級女子 4日目成績 出場62艇
1. FRA Charline Picon 6.00p
2. GBR Bryony Shaw 13.00p
3. BRA Patricia Freitas 16.00p
15. JPN 小嶺恵美 31.00p
30. JPN 大西富士子 49.00p
シルバーフリート
33. JPN 伊勢田愛 52.00p
41. JPN 須長由季 72.00p

レーザー級 5日目成績 出場147艇
1. AUS Tom Burton 30.00p
2. NED Nicholas Heiner 33.00p
3. GBR Nick Thompson 36.00p
ブロンズフリート
107. JPN 安田真之助 84.00
114. JPN 南里研二 95.00p
115. JPN 谷口斉謙 96.00p

レーザーラジアル級 5日目成績 出場120艇
1. NED Marit Bouwmeester 19.00p
2. CZE Veronika Kozelska Fenclova 22.00p
3. SWE Josefin Olsson 30.00p
34. JPN 土居愛実 104.00p
53. JPN 蛭田香名子 143.00p
シルバーフリート
81. JPN 冨部柚三子 105.00p
94. JPN 長谷川哲子 115.00p

49er級 2日目成績 出場40艇

1. NZL Peter Burling / Blair Tuke 5.00p
2. POR Jorge Lima / José Costa 9.00p
3. NZL Logan Dunning Beck / Jack Simpson 11.00p
※イエローフリートが合計2レースしかおこなわれていないため成績は確定していません。
JPN 牧野幸雄/高橋賢次 31.00p

49er級FX 2日目 55艇出場
1. DEN Ida Marie Baad Nielsen / Marie Thusgaard Olsen 3.00p
2. ITA Giulia Conti / Francesca Clapcich 6.00p
3. ESP Tamara Echegoyen / Berta Betanzos 8.00p
JPN 波多江慶/大熊典子 34.00p
※グループのレース数が違うため成績は確定していません。

ナクラ17級 2日目 67艇出場
1. FRA Billy Besson / Marie Riou 2.00p
2. NED Mandy Mulder / Coen de Koning 9.00p
3. ITA Lorenzo Bressani / Giovanna Micol 11.00p
JPN 後藤浩紀/田畑和歌子 24p
※グループのレース数が違うため成績は確定していません。

◎Santander 2014 ISAF Sailing World
http://www.santander2014.com/

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