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強風から微風へ。決着!江の島インターハイ

 8月8日、「全国高等学校ヨット選手権」インターハイ最終日。3日連続で吹き荒れた強風はなりをひそめ、江の島沖は朝から曇天、微風。時折小雨が降るという、これまでにないコンディションです。(BHM編集部)

 レース委員会は残された2レースを実施するべく、スタート時間を30分早めました。全艇が勢い勇んで海に飛び出しましたが、風は弱く不安定。結局、約1時間後、南東から入ったのそよ風を待って、10時半すぎに男子がスタートしました。

 うねりが高いため波のトップとボトムで風が変わる、ハンドリング、クルーワークのむずかしい海面です。前日までで最低得点で首位に立つFJ級男子、小泉/光森(光高校)は、カットレースを作ってもなお余裕のソロ優勝を決めました。

「風が吹けば良い走りができるだろうと思っていましたが、ここまで1位(本大会4回トップ)を取れるとは思いませんでした。去年の成績は5番。今回も去年と同じコンビです。強風だったし、風の振れもそれほどなかったので、集中して走りました」(小泉)

 続いて、注目の宮古高・長谷川/大川と関西大学第一・田中/高野の女子トップ争い。スタート後、ケースをおこした長谷川/大川に対し、田中/高野は1上マーク3位からポジションを保守。そのままフィニッシュして合計11点に。8位となった長谷川/大川はこのレース(得点)がカットレースとなり、第4レースの4位が加算されて11点の同点首位。タイブレイクにより1位の数が多い宮古高・長谷川/大川がソロ優勝を手にしました。

「強風は得意ではありません。実は怖くて、クルーとワーキャー大声を出しながら走らせていました。それでも結果が良かったのは、普段の練習の成果だと思います。(宮古高の強さの理由は)コーチのきびしい指導があって優勝できたと思います。部員は高校からはじめた選手ばかり。休みは週に一度。その他はいつも海に出て練習しています」(長谷川)

 今年の宮古高校は、女子ソロ優勝、男子ソロ4位、男子デュエット2位、女子デュエット2位と大進撃を見せました。震災の復興後、イチから出直したヨット部が見事に復活。岩手・リアスハーバーも復旧して活動の拠点になっています。

 さて、今年でFJ級だけのインターハイは最後になります。来年からは420級とFJ級の併催となり、インターハイ・セーリング競技は、しばらく和歌山セーリングセンターで固定開催されることが決定しています。

 各校の指導者と話したところ、艇は数艇導入されているものの、420級の対応を本格的におこなっている学校はないようです。来年度のインターハイまで手探りで活動が進んでいくと思われます。

 強風が吹き荒れた江の島インターハイが終わりました。来年、和歌山の海でひとまわり大きくなった選手たちに会えるのを楽しみにしています。

◎第55回全国高等学校ヨット選手権
http://ksafrace.wix.com/2014interhigh

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デュエット優勝は3年ぶりとなる中村学園三陽高。大会序盤につまづくも、すぐに軌道修正するさまはインターハイ王者にふさわしい風格です。部員は現在23名、3年は5名。来年以降もパワーは継続しそうです。photo by Junichi Hirai

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最終日2レースを予定していましたが、1レースのみ消化。強風と微風の極端なシリーズになりましたが、この風で6レースを終えられたのは見事。レース委員会に拍手です。photo by Junichi Hirai

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表彰台から指導者たちへ「ありがとうございます!」と全員で声を合わせてお礼をした別府青山高。デュエット優勝は和歌山大会以来5年ぶり。1、2名から始まったヨット部も今年は50人の大所帯に。大会直前は朝プールで泳いで体調を整えました。photo by Junichi Hirai

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優勝カップと賞状に囲まれる宮古高・長谷川(左)/大川。「卒業してもヨットを続けます!」とうれしいコメントをもらいました。photo by Junichi Hirai

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同世代のエース、小泉(右)/光森。小泉は9月アジア大会で420級に出場します。その後は再びこのコンビで国体に出場します。photo by Junichi Hirai

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インターハイFJ級男子成績

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インターハイFJ級女子成績

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男子も女子も好成績をあげた岩手・宮古高校。本大会で大暴れしました。photo by Junichi Hirai

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防波堤に打ち付ける波。江の島堤防近くはサーフィンができるほどの大波が立ちます(ここが今年のパールレースのフィニッシュラインだったとは今考えても恐ろしいですね)。photo by Junichi Hirai

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大会会場には2015年インターハイから導入される420級が展示されていました。ISAFユースワールドで採用されている世界に普及するダブルハンド艇種です。photo by Junichi Hirai

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