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雷ではじまったフランス470ワールド初日

 この二週間、470級50周年記念として、ジュニア、マスターズ、レジェンドカップと連続で開催されているフランス・ラロシェル。このフェスティバルの最後を飾るのは470級世界選手権です。8月5日、男子117艇、女子53艇を集め、470ワールドが開幕しました。(BHM編集部)


大会初日は風速8メートル前後の風に。序盤はシフティーな風でマーク変更が数回おこなわれました。風が上がると前に来るのは実力派ばかりです。写真はフランスの次世代、BOUVET Sofian / MION Jeremie。photo by Junichi Hirai

 五輪種目である470級は、4年周期で似たような流れができあがります。選手たちが目標にするのはオリンピック。五輪に最高の力を持っていくため4年間のプランを立てるわけです。つまり、選手のレベルが最高潮だった昨年に比べて、今年はリオ五輪まで4回おこなわれるワールドの第1回目。五輪後、各国の動きが不安定な状況から、チームがだんだん固まりつつある状態といえます。

 しかし、今回の2016年リオ五輪までの流れは、ロンドン五輪の時よりもチームの動きは早くなっているという特長があります。理由は、五輪出場枠を決めるISAFセーリングワールドの開催時期が例年よりも1年早まったからです。ISAFワールドが2013年にスペインで開催されるということから、この世界選手権は、実力チームの復活や成長してきた新チームはいつもよりも早く活動しています。

 大会初日は朝から曇り空。選手たちが船を準備していると突然空が暗くなり、沖では雷が落ちているのが見えます。しばらくするとミニ前線が通過し、土砂降りの雨となりました。雨はすぐに止みましたが、その影響もあってか、レースがはじまる時間には10メートル弱のグッドコンディションに。午後2時からのレースにも関わらずポンポンとテンポよく進み、大会初日は3レースおこなわれました。

 本大会に出場する日本選手のなかには、ジュニアワールドから連続して出場する大学生チームが出場しています。いつもならジュニアとシニアが別で開催されるため出場することはめったにありませんが、今回は前週からの流れで大学2チームが出場することになりました。ワールド初出場の彼らにとって、ジュニアワールドとはまた違ったレベルの戦いに苦しみながらも健闘しています。

「捨てるものはない、の気持ちで思い切り戦おうと思っています。きょうはスタートで攻めましたが、スタート後、あっさりと前に行かれてしまいました。クローズのスピード差がはんぱありません。ましてダウンウインドでさらに差を広げられ…。その差に驚いています」(中村・日本大)

 彼らは日本の学生のなかでまぎれもなくトップの実力を持っています。しかし、日本のなかでは好きなように走れていても世界の舞台では歯が立ちません。それでも、帰着したあとの彼らの笑顔が印象的でした。想像以上に速い選手たちを目の当たりにして意気消沈しているわけではありません。もちろん、現時点では追いつかないかもしれませんが、挑戦するたのしみを感じているようでした。

 大会初日3レース後の成績は下記のとおり。ラロシェルの戦いは、はじまったばかりです。

◎470 World Championship
men
1. AUS BELCHER Mat / RYAN Will 1-1-2 2.0p
2. FRA LEBOUCHER Pierre / LE BERRE Nicolas 7-1-1 7.0p
3. NZL SNOW-HANSEN Paul / WILLCOX Daniel 5-4-1 9.0p
17. JPN MATSUNAGA Tetsuya / YOSHIDA Yugo 5-6-7 18.0p
25. JPN DOI Kazuto / IMAMURA Kiminiko 10-14-4 28.0p
69. JPN NAKAMURA Mutsuhiro / KIYOHARA Ryo 27-21-22 70.0p
78. JPN SAWAMURA Kazuyoshi / HASHIGUCHI Shuzo 22-27-28 77.0p
85. JPN TETUYA Iwashita / YUSUKE Ishi 29-25-27 81.0p

women
1. NZL ALEH Jo / POWRIE Polly 2-1-1 2.0p
2. FRA LECOINTRE Camille / GERON Mathilde 1-1-5 5.0p
3. CHN XU Xiaomei / YU Chunyan 3-3-1 6.0p
23. JPN YOSHIDA Ai / YOSHIOKA Miho 13-22-5 40.0p


「トップセーラーとはF1ぐらいのスピード差があるかと思っていたら、ジェット機ぐらい差がありました」と話していた大学チーム。左から、日経大の岩下、石井、日本大の中村、清原。元気にやってます。photo by Junichi Hirai


ヨットクラブが大会本部です。この大会はSociete des Regates Rochelaisesとフランスセーリング連盟(Federation Francaise de Voile )が作り上げています。photo by Junichi Hirai


突然の雷雨にカフェは大賑わいです。photo by Junichi Hirai


日照時間は長く日没は午後10時前。大会初日は午後2時からレースが始まり着艇したのは6時頃でした。photo by Junichi Hirai


大会会場に飾られていた1964年制の470級。製造番号は13番。JEAN MORINの設計です。細かい艤装写真はバルクヘッドマガジン・フェイスブックをご覧ください。photo by Junichi Hirai

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