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モス乗りが見たルイヴィトンカップ観戦記

 7月7日、サンフランシスコでルイヴィトンカップを観戦したモス乗りの中川さんからレポートが届きました。「ラダーエレベーターは、どういうタイプをどう使ったら安全なのか?」の解釈の違いから始まった泥沼劇は、どこへ向かっているのでしょうか? ルナロッサのオーナーであるプラダの最高経営責任者、パトリジオ・ベルテリは「50%の確率で撤退を考えている」と発言したといいます。現在インタナショナルジュリーは、今週半ばに答えを出すということになっていますが、果たして大人のケンカは鎮まるのか? アメリカズカップのニュースは毎日更新されています。最新情報はアメリカズカップの公式サイトをご覧ください。(BHM編集部)

◎Americas cup 2013
http://www.americascup.com/


1艇でレースコースを走るエミレーツチームニュージーランド。7月9日のラウンドロビン第2戦の対アルテミスでも一人旅になるでしょう

ルイヴィトンカップ観戦記

 ご存知の通り、ルイヴィトンカップはアルテミスレーシングが間に合わず、ルナロッサはボイコットし、チームニュージーランドが1艇でレースコースを周るという悲しい幕開けとなりました。(レポート・写真/中川剛志 日本モス協会)

 しかしながら、ウイングセールとフォイルを持ち水面を飛ぶAC72は、その走りを見るだけでもサンフランシスコに来た甲斐があったと思います。

 現在チームニュージーランドとルナロッサがACM(アメリカズカップマネージメント)に抗議している内容は、ラダーエレベーターに絞られています。

 アルテミスの事故によりACMが安全規定を設定、その中にはピッチポール(バウから海面に突っ込む事)を避けるためにラダーエレベーターのルール変更も含まれていました。

 モスやカタマランに乗ったことがある方は分かると思いますが、キールや重いセンターボートを持たず、軽いハルのヨットは、ダウンウインドに入る時にスピードを出して見かけの風(アパレントウインド)を前に回さないとバウが沈んでピッチポールしてしまいます。

 ACMはこれを避けるためにラダーエレベーターのサイズを大きくし、また迎角を決定しなければならない時間を出艇前から、スタート5分前までに変更する提案をしました。

 それに対し、チームニュージーランドとルナロッサは安全規定には必要ない内容とし、またオラクルに有利な規定であると抗議を出しました。この件については各チーム、メディアなどから色々な話が出ているため、どれが正確な情報か分かりにくくなっています。

 ここからは私の推測ですが、チームニュージーランドのメンバーにルナロッサとの練習レースの様子を聞いてみたところ、はるかにルナロッサより速かったそうです。ルナロッサはこのままでは勝ち目がないので、開幕戦のポイントを捨ててでも有利になりたいという作戦なのかもしれません。


レース前にACパークでインタビューを受けるETNZのグラント・ダルトン。ラダーエレベーター論争に深く関わる人物です。選手たちが着ているウエア、ライフジャケットも安全規定の改定により変更されました

チームニュージーランドのド迫力の走り

 ルイヴィトンカップ第1レースは1艇でレースコースを回るだけだったので、プッシュせずに安全に走っていた事を前提に、AC72の走りを生で観た感想をお伝えします。

 まず、クローズホールドでは飛ばなかった、というより飛ぼうとしても上らせて飛ばさないように走っていました。飛ぶのか飛ばないのか、どちらのVMGがいいのかは今後分かってくるとは思いますが、モスと違いAC72は飛ばなくても速く、また飛んだからといって劇的に速くなるわけではなさそうです。

 ダウンウインドは見かけの風がかなり前寄りなため、モスやメルジェスよりも落として走る事ができるようです。そのため軽風でしかジェネカーは使わないのかもしれません。

 そしてダウンウインドでのハンドリングやジャイビングはディンギーの様に非常にクイックにコントロールし、とても迫力がありました。


浮いたままでジャイブするフォイルジャイブを軽々と決めているチームニュージーランドが印象的でした

アメリカズカップ観戦はどこからでもできます!

 さて、アメリカズカップの主な会場はピア29のアメリカズカップ・パークと、マリナグリーンのアメリカズカップ・ビレッジの2ヶ所ですが、基本的に海沿いに出ればどこからでもAC72を観ることは可能です。

 その中でも私のお勧めは、セントフランシスヨットクラブ付近からです。スタートからの第1マークが目の前にあり、F1のファーストコーナーの飛び込みにも負けないエキサイティングなマークラウンディングを見ることができます。

 ACパークからは下マークとフィニッシュが見れますが、風は少し弱くなる傾向にあります。ACビレッジにもモニターやAC45の展示がありますが、レースコースからは少し遠めです。

 ちなみにACパークからACビレッジまでは、公共交通機関が途中までしかありません。歩くと40分、タクシーだと10分で10ドルですが、タクシーもつかまえにくいです。

 この様にサンフランシスコでのアメリカズカップは、参加チームも少なく、会場へのアクセスも悪いために現地ではいまいち盛り上がっていません。

 ただし愛国心の強いアメリカなので、オラクルが登場すると盛り上がりをみせるのではないかと思います。

 色々問題を抱えるアメリカズカップですが、40ノットオーバーで走るAC72は圧巻の一言で、絶対生で見る価値があります。この夏海外旅行を計画の方は、サンフランシスコへ行く事をお勧めします!


レースコースと周辺図


AC72のマストは毎日倒され、毎朝クレーンで吊られて海へ浮かべられます

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