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連日の強風。メルジェス32世界選手権2日目

 9月26日、メルジェス32世界選手権2日目。朝から曇天のアメリカ東海岸ニューポートは、流れる雲も速く、予報通りの強風模様です。レース海面は、初日と変わってインサイド(初日は外洋に面したアウトサイド。インサイドは陸に囲まれた海面です)が選ばれ「平水面+強風+シフト」の戦いが予想されました。(BHM編集部)


ジェネカーが上がると一気に加速してパワーアップ。強風時にはあちこちでブローチング、ブローチング。チームワークが問われます。photo by Junichi Hirai

 スタート時刻の11時を過ぎた頃に、予想以上に風が吹き上がりました。一旦スタートシークエンスに入るも、最高で33ノットのガストが入ってレースは延期に。全艇がハーバーに戻って陸上待機となりました。サバイバルシーンの撮影を期待していた編集部は残念でなりませんが、選手たちの心境は、船を壊すことなくホッとしたことでしょう。

 その後、ハーバーでおのおの時間をつぶしながら待っていると、海上で待機していた運営艇から風が少し落ちてきたという情報が入り、再度出艇することになりました。午後3時を過ぎてようやくレース開始です。

 ここでレース委員会は、“1レグ2マイル、5レグ”という「お前たち、これでどうだ。文句はないだろう!」といわんばかりのロングコースを指示。風は落ち傾向ですが、スタート時には20ノット近くあり、選手たちはハードなレースを余儀なくされました。ここ数年間の日本のヨットレースは、なぜか1レグの距離が短くなる傾向があります。しかし、船の性能・スピードと風速をよく考えた距離設定は、さすが世界選手権の運営といった感じです。

 スタート後、地の利を知る各チームは右海面と左海面にセパレートしました。中央の海面を走らないのがセオリーなのでしょう。きれいに真っぷたつに海面を分けました。スタート前から「とにかく右だ。右海面に行くぞ」と言っていたのは、〈エスメラルダ〉のタクティシャンをつとめるケン・リードです。しかし、残念にも上マークには左海面を使ったグループからやってきました。

 トップ回航は、バミューダの〈Hedgehog〉、〈Samba Pa Ti〉、そしてイタリア軍団が調子良さそうです。〈Samba Pa Ti〉は接戦の末、〈Hedgehog〉を抜いて1位フィニッシュを飾りました。

「とてもハイレベルな戦いを勝てて満足している。ニューヨークヨットクラブのレース運営もすばらしい。初日は、スピンを破ったり、ペナルティターンをしたりさんざんな成績だった。でも、このままでは終わらないつもりだよ」(John Kilroy / Samba Pa Ti)

 日本勢は浮き沈みの激しい内容になりました。〈スウィング〉が1下マークまでにメインセールトラブル(?)によりリタイア。また、ブローチングをして後続艇に抜かれるというチームも見受けられました。しかし、アップウインドの走りはかなり安定してきているように見えます。大きなミスがあるのが痛いところですが、折り返し地点となる明日3日目の活躍に期待しましょう。


ロングコースで1位を獲得した〈Samba Pa Ti〉。オリンピックのスター選手、レーザー級金メダリストのポール・グッディソン(GBR)がタクティシャンをつとめています。photo by Junichi Hirai


毎日、走りが改善されてきている〈エスメラルダ〉。レース後は遅くまでハーバーでミーティングが行われていました。photo by Junichi Hirai


10番前後で1上マークを回航し、好調な走りを見せた〈スレッド〉。photo by Junichi Hirai

2012 Melges 32 World Championship Day2
1. Hedgehog 5-7-2 14p
2. Torpyone 8-4-3 15p
3. Bombarda 1-6-9 16p
4. Goombay Smash 3-3-12 18p
5. Warpath 2-15-4 21p
6. Pisces 4-1-19 24p
15. Mamma Aiuto 16-10-22 48p
20. Swing 15-13-DNF 62p
23. Esmeralda 21-28-17 66p
25. Yasha Samurai 24-22-24 70p
31. SLED DNF-DNC-20 88p
32. Quetefeek 29-30-31 90p

◎2012 Melges 32 World Championship
http://www.nyyc.org/melges32worlds-sep20-29/

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