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後藤モス、世界最高速31.4ノットを達成!

 すでにフェイスブックなどでご存知の方も多いと思いますが、昨年度のヨット馬鹿大賞に輝いた後藤浩紀選手(SAILFAST)が、モス級のスピード世界記録となる31.4ノット(平均28.4ノット)を達成しました。新記録を更新した場所は本栖湖。湖特有の「波の立たない強風」は、ハイドロフォイル艇にとって最高のシチュエーションです。後藤選手から新記録の熱いレポートが届きましたのでご紹介します。(BHM編集部)


日本人セーラーがモス級スピード記録を更新! 今年最高のニュースが届きました。こちらでも紹介されています

若手セーラーへ。未知の世界に飛び込む勇気を!
 7月15日、本栖湖ファンビーチ沖で31.4ノットを記録しました。これは国際モスクラス協会の公認スピード記録である31.1ノットを超えており、おそらく現時点での世界最速記録ではないかと思います。(文/後藤浩紀)

 本栖湖は風が強いわりに波が立たず、スピードトライアルに最適です。2年前から本栖湖に魅せられ、記録を出すにはここしかないと思っていました。

 スピード記録のためには、最適なコンディションとセッティングが欠かせません。いくら風が強くても、波があるとスピードが伸びないし、セッティングが悪いと、どんなにコンディションが良くても、コントロールを失う恐怖でスピードが出せないのです。

 長い間、ずっとフォイルのセッティングに悩み続けていたのですが、たまたま6月の試乗会に向けてセッティングを変えてみたら劇的に良くなりました。試乗会の翌日に、逗子で簡単に29.5が出たので、本栖湖なら楽に30を越えるだろうと。そして予想通りに31.4まで出た。つまりこの記録は想定内だし、まだまだ発展途上です。

 モスに乗り始めて1年くらいは、なかなか20ノットが出せませんでした。20を越えたら怖くて怖くて……。初めて25の壁を越えた時は、もう限界だと思ったものです。

 でも道具も技術も進歩するに従い、25は当たり前になっていき、いまや28でもジャイブできるようになりました。人間の適応力というのは大したものですね。

 つまりは慣れの問題で、30ノットといっても、所詮は60キロ弱。原チャリの全力程度です。原チャリはコケたらアスファルトだけど、こっちは水の上ですからむしろ安全です。

 限界だと思った自分の弱さを克服して、少しずつ少しずつたくましくなってきました。記録も大事だけど、その過程こそが自分にとっての大きな財産です。もう30ノットも怖くありません。前人未到の32ノットを目指します。

 そしてこれを読んでいる、特に若いセーラーたちに伝えたいことがあります。日本人が高速スキフやマルチハルに向いてないなんてウソです。最初から30ノットが怖くない人なんかいません。少しずつ強くなっていけば、必ず克服できるんです。

 来年のユースアメリカスカップ、そして4年後のリオに向けて、AC45や49erFX、ナクラ17にも日本から挑戦しましょう。やれないという人の意見に耳を貸す必要はありません。どの艇種も新しく、スタートラインは世界中みな同じなのです。

 未知の世界に飛び込む勇気さえあれば、あとの苦労はけっこう楽しいものですよ。僕の記録で日本の誰かが刺激を受けてくれれば、とてうれしいです。

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