Loading

関東実業団ヨット選手権・スナイプ級

 6月16、17日に神奈川県江の島沖で開催された関東実業団ヨット選手権スナイプ級のレポートです。(レポート提供/関東実業団ヨット選手権実行委員会)

激闘、新旧対決の行方
 初日は、雨の中3レースを行い、2日目は薄曇りから晴れ間も見える天候の中3レースの合計6レースをおこないました。今年のスナイプは13チームが参加し、横浜市役所と千代田加工が復帰、スリーボンドが1艇ながら参戦。新旧の企業チーム、選手が揃う大会となりました。

 大会3連覇を狙うエス・ピー・ネットワーク(以下、SPN)は、オリンピックキャンペーンを終えた人材が多く、タレント豊富な陣営で挑みます。対する名門NTT東日本(以下、NTT)は、江の島でスナイプの活動を続ける神谷を軸にベテラン山崎が乗り込み、王座奪回に闘志を燃やします。

 また、名門日立製作所(以下、日立)は、テーザー級のワールド3位の村岸を復活させて、この2強に割って入り優勝を狙います。前評判では、新参チームのSPNとスリーボンド、名門NTTと日立の4つ巴戦が予想されましたが、スリーボンドが1艇参加のため3つ巴の戦いとなりました。

大会初日:NTT vs SPN
 第1レース、第2レースは、降りしきる雨の中でしたが、南東の風が4〜5mあり、白熱したレースが展開されました。運命の第1レースの上マークは、SPNの渡部/前田がトップ回航。渡部選手は、3年前からスナイプに乗り始め今年で57歳。470級のキャンペーンを終えた前田選手(スナイプ5回目)を起用し、若い選手と互角に競り合いながらのトップ回航です。

 2位以下は、関東実業団の有力チームが僅差で回航していきます。その後、首位に立ったNTTの神谷艇がSPNの2艇と攻防をしながらも逃げ切り、トップフィニッシュ。優勝を狙う気迫がヒシヒシと伝わってきました。

 第2レースは、MYRCの名達艇がフィニッシュ寸前までトップを快走していましたが、最後の最後に鼻の差で、SPNの渡邊艇に捕らえられてしまいました。

 第3レースは、2上に向かうころに無風状態となりコース短縮。しかし、ここからが長い。フィニッシュラインにS旗があがるものの、いつまで経ってもラインを横切ることはできない。というのも無風状態に加えて向え潮が強く、流されないのが精一杯といった感じでしょうか? 見えているフィニッシュラインが時より遠くなり、気も遠くなっていたに違いありません。結局、フィニッシュできたのは、SPNの2艇とNTTの1艇の計3艇のみでした。

 初日は、第3レースの成績もありSPNが一歩リードの形で終えました。夕方から470協会との合同懇親会が行われ、学生と社会人との交友を持てる有意義なひと時が持て成されました。また、ビンゴ大会では、ディズニーランドのペアチケットが当たるなど豪華景品が多数用意されており、名司会者の伊藤氏が学生から社会人までを大いに盛り上げてくれました。ちなみにペアチケットは、陸でも飛ばすSPN軍団が獲得していました。

大会最終日:実業団でSPN、個人でNTTが勝利!
 2日目は、前夜からの強風によるうねりが残り、出艇注意の黄色吹き流しが上がる中、1レースでも多く成立させたい運営は、大きく揺れる運営艇から振り落とされそうになりながらも定刻10時10分に予告信号をあげ、15分にはオールフェアでスタート。この日は、南からのうねりに対して、60度から90度の風が吹いており、さらに90度ぐらいからの潮が結構きつい状況でした。

 第4レースでもSPNの渡邊艇とNTTの神谷艇がフリートを引っぱります。第2下マーク辺りで、風がなくなりトップを走る渡邊艇は、反対から風を掴んだ神谷艇に捕まります。そのまま神谷艇は、トップフィニッシュ。渡邊艇は、逆サイドから次々と抜かれ5位に転落。一気に差を詰めたいNTTには、チャンスでしたが、SPNの渡部艇もその風に乗り1上20位からフィニッシュ3位の大逆転劇でSPNが耐えしのぎます。

 第5レースでもスタート時のみ風があり、スタート後は神経戦となりました。このレースも勢いに乗る神谷艇がフリートを引っ張りトップフィニッシュ。対するSPNは、渡邊艇がスタートのミスを取り返せずスコアを崩し、2社の差が大きく詰まります。この時点で優勝争いは、2社に絞られてきました。

 最後となった第6レースは、昨年のインカレで優勝に大きく貢献したスリーボンドの小又選手が上マークからダントツ1位で快走しますが…。最後に大きく風が南に振れて、右海面にいたチームが大きく順位を上げ、左海面にいたチームは涙をのむという結果になりました。この風に乗ったのが日立の2艇。このレースを1位と3位でフィニッシュし総合2位と1点差まで詰め寄りました。

 優勝は、SPNが逃げ切り、個人成績では、NTTの神谷艇に軍配があがりました。

順位
第1位エス・ピー・ネットワーク
第2位NTT東日本 東京A
第3位日立製作所
第4位NTT東日本 東京B
第5位MYRC1
第6位三井物産(以上6位まで入賞)

 今年のレースで一番印象的だったのは、微風と潮流の悪条件の中でも、ゼネラルリコールが一度もなかったということです。これは、フリート全体のスタートの技量が向上していることの表れではないかと思います。この素晴らしいースタートを是非、今年9月に若洲で行われる全日本実業団ヨット選手権大会でも行い、運営委員に「さすがは実業団」と思ってもらいたいものです。

 また近年の全日本実業団スナイプ級は、中部水域勢と九州水域勢を中心に優勝争いが行われていて、関東水域からは優勝が出ていません。今年は、「地元開催」になる関東水域の上位9チームで、全日本スナイプでも上位に名を連ねる強者たちを相手に虎視耽耽、高松宮妃記念杯を狙います!


関東実業団選手権スナイプ級成績

======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
丸玉運送
ネオネットマリン
ノースセールジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
SWING
コスモマリン
葉山セーリングカレッジ
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
VELOCITEK
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
エイ・シー・ティー
HELLY HANSEN
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ
CATEGORY:  DINGHYINSHORENEWS