あれから1年。東北レーザーレポート
震災から1年が経過しました。被災地のレーザー活動について報告いたします。(文・写真/レーザー仙台フリート・東勝男)
レーザー仙台フリートは、震災後、松島ヨットハーバーに所属する団体やボランティアの方々の献身的な作業により、宮城県で唯一使用できるヨットハーバーとしていち早く復興いたしました。津波の被害はありましたが、他の水域から比べたらかなり軽微です。レーザーも数艇流されましたが、レーザークラス協会、全国のレーザーセーラーからのご支援を頂戴し、6月19日に大谷さんに6艇届けてもらい、愛艇を失った方に渡されました。
その後度重なるご支援をいただき、松島ヨットハーバーには県内8高校のヨット部や社会人のセーラーが集まり、日曜日は早く行かないと駐車場がなくなるほどです。震災前より活気ある活動ができるまで復興しました。もう少しあたたかくなると、ますますにぎわってくることしょう。
28日には復興の新年会で盛り上がりました。このあとダウンアンダーセイリングジャパン社提供の支援物資があり、皆でありがたく頂戴いたしました
伊達フリートは、被害が甚大だった閖上ヨットハーバーをホームとしていました。震災後、1年経ちましたが、お恥ずかしい話ですが、自宅から車で40分程度の閖上ヨットハーバーに行く勇気がなく、1年経った3月11日、ボランティア作業の帰り道、閖上中学校での追悼式に参加した際、震災後初めて閖上に行きました。
沿岸部では基礎部分だけ残った家に献花、線香をあげる方を途中で何人も見かけ、思わず胸があつくなります。写真を見ていただければわかると思いますが、今は機能していません。2003年にレーザー全日本を行ったハーバーですが、見慣れた風景はもうありません。
「笹直」のかまぼこ工場の隣には、うまい魚を食わせる店があったのですが、跡形もありません。伊達フリートでレーザーに乗っていた方も数名いましたが、震災後、顔を見なくなりました。レーザーに乗りたいという声も聞こえてきません。
岩手フリートは釜石の根浜海岸をベースとしていました。震災後、わずかですがセールを送り、昨年の8月に知多フリートからレーザー2艇を櫻井さんによって届けられましたが、まだまだレーザー活動をする環境には遠いようです。フリートキャンプテンからいただいた年賀状には「レーザーに乗りたいです」と書いてありました。「僕のレーザーならいつでもOK! 松島に乗りに来てください」と返事しましたが、実現できておりません。暖かくなったらもう一度お誘いしてみます。岩手フリートには若手がおらず、復興のスピードも仙台から比べたらゆっくりです。引き続き支援が必要です。
震災から1年が経ち、「レーザー」というつながりで、他のクラスにはないスピードで物的な支援や心温まる電話、メールを頂戴いたしました。心が折れそうな環境の中、どれほど支えられたか計り知れません。ありがとうございました。御礼は「元気になった東北のレーザーフリート活動をお見せすること」だと感じています。
レーザー東北選手権は、春にはゴールデンウイーク後半に鼠ヶ関ヨットハーバーにて山形フリート主管開催で調整中です。秋には10月後半、松島ヨットハーバーで仙台フリート主管により開催する予定です。元気になった東北選手権にぜひエントリーしてください。
最後に、3月11日は、仙台フリートメンバーで名取市消防局に勤務し、殉職した野地航君の一周忌です。自分の命を犠牲にしてまでも、地域住民の命を守ろうとした君のことは一生忘れないことでしょう。ご冥福をお祈りいたします。
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