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知っておきたい海の信号旗

ヨットレースのスタート直前。左奥に掲揚された旗と中央ボートのオレンジ旗を結んだ線がスタートラインとなる。撮影:平井淳一

サンケイビジネスアイ・コラム(51)
知っておきたい海の信号旗

船の世界では、古くから通信手段に旗(信号旗)が用いられてきた。これはアルファベット26文字の旗や数字旗を掲げ、時には複数の旗を合わせて掲揚して、視覚的に意思を伝達する方法だ。通信手段でよく使われる無線機は通信者同士1対1の会話になるが、信号旗ならば、見た人全員に伝わるというメリットがある。

また、信号旗は船同士の礼儀として用いられることもある。船が出港するときに、赤と白のチェック柄のU旗と、青枠の中央に赤い四角が描かれたW旗をつなげた「UW旗」が掲揚されていたら、これから出港する船に対して「ご安航を祈る」を意味する。ただし、信号旗の揚げ方にはルールがあり、間違った方法だと意味が違ってしまう場合があるのでご注意を。例えば、信号旗を頂点まであげてないと半揚と呼ばれる状態になり、弔意の意味に捉えられてしまうことがある。

ヨットレースの場面でも信号旗は大活躍する。海にいる運営艇は、信号旗(視覚信号)と音響信号によってレースを進行していく。「声の届く範囲に来い。またはこの艇に続け」を意味するL旗。Y旗は「全員ライフジャケットを着用せよ」の意味。「レースを中止する」を意味するN旗などなど。これらは笛や空砲などの音響信号とともに掲揚されるが、音は風にかき消されて聞こえない場合もあるため、選手たちは掲揚された信号旗を見て確認する。

また、ヨットレースのスタートラインを作るのも旗が用いられる。海の上には白線のスタートラインが描かれているわけではない。それでは、どこがスタートラインになるのかというと、左右に運営艇や目印を置いて旗竿を立て、旗と旗を結んだ仮想線がスタートラインとなるわけだ。スタート時間前にこのラインを越えてしまったら、フライングとなりペナルティーを受けなければならない。海の信号旗は、さまざまな役割を持つ通信手段なのである。(2011.7文/平井淳一)

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