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フランスの伝統ヨットレース

伝統的なフランスのヨットレースを防波堤から観戦する人たち。撮影:平井淳一

サンケイビジネスアイ・コラム(39)
フランスの伝統ヨットレース

パリで国内線に乗り換え1時間半。地中海に面した町、イエールには、毎年4月になると世界中から多くのセーラーが集まってくる。この町で、オリンピック種目のセーリングイベント、フランス・オリンピックセーリングウィークが開催される。

大会期間中、イエールのハーバーには所狭しとヨット、ボートが並び、セーラーだけでなく一般客を集めてにぎわう。ハーバーにはカフェやレストランが軒を連ね、夜には野外でバンド演奏もおこなわれる。まるでお祭りのように華やかなセーリングイベントだ。

しかし、今年の選手たちは例年以上に必死だ。なぜなら各国でロンドン五輪の代表選考がおこなわれていて、この大会も選考となっている国もあるため。この国際大会に日本からは五輪出場を狙う23名の選手が参加した。日本選手は、この冬におこなわれるオリンピック出場権の獲得、日本代表選考まできびしい戦いが続いていく。

わたしがイエールを訪れるのは2回目になるが、いちばん好きな光景は、防波堤からヨットレースを観戦しているシーン。船遊びが身近にある欧米では、ヨットやボートは、いつもそこにある風景である。防波堤からヨットレースを眺めるのも普段の生活の延長なのだろう。

日本ではヨットレースを観戦するという感覚はあまりない。海に足を運ぶとよくわかるが、いちばん眺めのいい場所に柵があり、立ち入り禁止になっていることもある。また、漁業が盛んな日本では、海岸近くに漁網が多く、岸近くではセーリングしにくい。

文化の違いといってしまえばそれまでだが、防波堤からヨットレースを観戦する光景を見ると、フランスの海辺事情をうらやましく思う。海に囲まれた日本も同じように、海や船と身近につきあっていけたらすばらしい。 (2011.4 文/平井淳一)

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