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ISAFワールド天王山、470男女メダルレース

 9月20日、サンタンデールISAFワールド9日目は、午後から470級のメダルレースがおこなわれ、女子はオーストリアのLara Vadlau / Jolanta Ogar、男子はMathew Belcher / William Ryan(AUS)が金メダルを獲得しました。(BHM編集部)

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470級男子優勝のベルチャー/ライアン(AUS)。同チームで2連覇。ベルチャーは通算5回目5連続金メダルです。photo by Junichi Hirai

 メダルレースのレース海面は、湾内セーリングセンターの目の前。観客席には空き席を探すのも大変というほど大勢の人でいっぱいです。14時15分予定の470級女子は30分の風待ち後、晴れ渡るサンタンデールの町を背景にきれいにスタートしました。

 日本女子の吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセ)は、2位で上マーク回航しますが、メダルレースらしく上位下位の順位を入れ替わりながら7位でフィニッシュ。イギリスを抜いて総合8位にあげて大会を終えました。優勝はオーストリア、2位ニュージーランド、3位イギリスと実力派が上位を占めました。

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メダルレースを観戦に集まった観客。セーリングセンターに作られた階段状の観客席はぎっしりと埋まりました。photo by Junichi Hirai

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女子優勝のオーストリアはメダルレースもトップフィニッシュで初のワールド金メダルを獲得。オーストリアは今年のヨーロピアンでも優勝しています。クルーはロンドン五輪後、ポーランドから移籍しました。photo by Junichi Hirai

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吉田愛/吉岡美帆。「ISAFワールドは今年一番の目標でした。具体的な成績は、五輪出場国枠を取ること。それにメダルレースに出ることだったので両方を達成できました。このチームでははじめてのメダルレース。トップ10のなかで戦えているという感触をつかめましたが、自分たちのミスで順位を落とす場面が何度もありました。予選、決勝で15点は減らせたと思っています。このミスをなくしていけば、もう1段階上のステージで戦えます。チームはまだまだ成長しています。来年の世界選手権でしっかり走っていい成績を取ります」(吉田愛)

 日本から2艇出場した470級男子メダルレースは、土居一斗/今村公彦(チームアビーム)がリコール。彼らはレースをそのまま走り切りましたが、結果はOCSとなり順位を9位まで下げました。

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きれいに並んだ男子メダルレースのスタート。日の丸が2つ並んでいますが、JPN11はリコールにより失格となりました。photo by Junichi Hirai

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土居一斗/今村公彦。「はじめてのメダルレースでしたが、緊張することなく思ったよりも普通でした。この大会の目標順位は15位に設定していました。去年のワールドが26位の成績です。上位陣が成績を崩したので、ちょっと出来すぎだった感じはあります。運もよかったと思います。今年の夏のヨーロピアンあたりから、ボートスピードが少しずつよくなってきています。まだまだ速くなるので見ていてください」(土居一斗)

 同じくメダルレースに進出した松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド)は、スタートから上マークまでの攻防から不利海面を走り9位フィニッシュ。総合6位で世界選手権を終えました。6位の成績は松永にとってワールド自己最高成績です。

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松永鉄也/吉田雄悟。「最後は風を読みきれず、ふがいない結果になってしまいました。メダルレースは嫌がらせをやりあう戦い。相手の嫌がらせにリズムを崩して自分の思うような走りができなかった。この大会を振り返ると、いいところもあったし、悪いところもありました。いい部分はリスクヘッジしながらレースを展開できたこと。大外に出ないで安全な位置をキープしてレースができた。スピードがあればもっと安定した成績で走れます。それに細かい部分はもっと修正する必要があります。自分たちの考え方次第で変えていける部分もある。それをこれから詰めていきます」(松永鉄也)

 470級のメダルレースが終わり、日本の出場種目はすべて終了しました。明日ISAFワールド最終日は49er級、フィン級、ナクラ17級のメダルレースがおこなわれます。


ISAFワールド470メダルレースハイライト

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サンタンデールISAFワールドの写真をバルクヘッドマガジン・フォトギャラリーに掲載しています。
http://hiraijunichi.photoshelter.com/

470級男子 最終成績 出場74艇
1. AUS Mathew Belcher / William Ryan
2. CRO Sime Fantela / Igor Marenic
3. GRE Panagiotis Mantis / Pavlos Kagialis
4. GBR Luke Patience / Elliot Willis
5. USA Stuart Mcnay / David Hughes
6. JPN 松永鉄也/吉田雄悟
7. ESP Jordi Xammar / Joan Herp
8. FRA Guillaume Pirouelle / Sipan Valentin
9. JPN 土居一斗/ 今村公彦
10. RUS Pavel Sozykin / Denis Gribanov
26. JPN 市野直毅/外薗潤平 133p
シルバーフリート
57. JPN 飯束潮吹/八山慎司 167p

470級女子 最終成績 出場54艇
1. AUT Lara Vadlau / Jolanta Ogar
2. NZL Jo Aleh / Polly Powrie
3. GBR Hannah Mills / Saskia Clark
4. FRA Camille Lecointre / Hélène Defrance
5. SLO Tina Mrak / Veronika Macarol
6. NED Michelle Broekhuizen / Marieke Jongens
7. USA Anne Haeger / Briana Provancha 59.00p
8. JPN 吉田 愛/吉岡美帆
9. GBR Christina Bassadone / Eilidh McIntyre
10. NED Afrodite Kyranakou / Anneloes van Veen
シルバーフリート
39. JPN 松下 結/堤 優華 97p

RS:X級男子 最終成績 出場98艇
1. FRA Julien Bontemps
2. POL Przemyslaw Miarczynski
3. FRA Thomas Goyard
26. JPN 富澤 慎
シルバーフリート
72. JPN 板庇雄馬
83. JPN 倉持大也

RS:X級女子 7日目成績 出場62艇
1. FRA Charline Picon
2. ESP Marina Alabau
3. ISR Maayan Davidovich
28. JPN 小嶺恵美
28. JPN 大西富士子
シルバーフリート
35. JPN 須長由季
41. JPN 伊勢田愛

レーザー級 最終成績 出場147艇
1. NED Nicholas Heiner
2. AUS Tom Burton
3. GBR Nick Thompson
ブロンズフリート
107. JPN 安田真之助
114. JPN 南里研二
115. JPN 谷口斉謙

レーザーラジアル級 最終成績 出場120艇
1. NED Marit Bouwmeester
2. SWE Josefin Olsson
3. BEL Evi Van Acker
27. JPN 土居愛実
54. JPN 蛭田香名子
シルバーフリート
81. JPN 冨部柚三子
94. JPN 長谷川哲子

49er級 6日目成績 出場40艇
1. NZL Peter Burling / Blair Tuke 34.00p
2. AUS Nathan Outteridge / Iain Jensen 70.00p
3. DEN Jonas Warrer / Anders Thomsen 72.00p
シルバーフリート
31. JPN 牧野幸雄/高橋賢次 115.00p

49er級FX 6日目 55艇出場
1. DEN Ida Marie Baad Nielsen / Marie Thusgaard Olsen 33.00p
2. BRA Martine Soffiatti Grael / Kahena Kunze 35.00p
3. ITA Giulia Conti / Francesca Clapcich 57.00p
45. JPN 波多江慶/大熊典子 140.00p

ナクラ17級 6日目 67艇出場
1. FRA Billy Besson / Marie Riou 21.00p
2. ITA Vittorio Bissaro / Silvia Sicouri 55.00p
3. AUS Jason Waterhouse / Lisa Darmanin 56.00p
56. JPN 後藤浩紀/田畑和歌子 181p

◎Santander 2014 ISAF Sailing World
http://www.santander2014.com/

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