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470関西学院大、スナイプ鹿屋体育大、総合は早稲田大が優勝!全日本インカレ最終日

 11月8日、大詰めとなった全日本学生ヨット選手権。最終日の江の島は、昨日までの好天ピクニック日和から一転、朝から雨が降り続ける寒い1日となりました。レースは両クラスとも3レースおこなわれ、470級は関西学院大、スナイプ級は鹿屋体育大、総合は早稲田大が優勝しました。(BHM編集部)

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470級2位、スナイプ級2位、総合優勝を果たした早稲田大。photo by Junichi Hirai

 軽風シリーズとなった全日本インカレのドラマは、最終日にも待っていました。470級は関西学院大 vs 早稲田大が激突。前日首位の関西学院大は、最終日2レース目となる第6レースで68点を叩いてしまい、この時点で早稲田470に逆転を許してしまいます。第6レース終了時点で、その差43点。最終レースが注目されました。

 関西学院大は有利スタートとなる風下側に、当然、早稲田大も風下に集まりますが、うまくスタートしたのは関西学院大でした。その後、左の有利海面で展開し、最終レースではワン・ツー・フィニッシュを決める鮮やかなレースを見せた関西学院大が逆転に成功。2点差というわずかなポイント差で早稲田大を破り、4年ぶり(2011年江の島大会以来)となる470クラス優勝を果たしました。

「(大会前から)自分たちは軽風のスピードでアドバンテージがありました。ターゲットとしていた軽風が吹いてくれたことが優勝につながりました。最終レース前に、早稲田大と差はあったけれど、それを意識するのではなく、3艇が揃って伸ばせたことが逆転できた理由です。インカレには流れがあります。悪い時こそ、声を掛けあってきました。いろんなミス、720度回転もあったけれど、ミスを指摘するのではなく、励まし合って、次にいかすことに努めました。みんなが同じ気持ちでチームがレースに挑めました」(神木主将)

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470クラス優勝の関西学院大。神木/小林が7レース中で5回1位を取りチームを牽引しました。photo by Junichi Hirai

470級成績
1. 関西学院大 291P
2. 早稲田大 293P
3. 日本経済大 340P
4. 同志社大 340P
5. 九州大 460P
6. 日本大 466P

 また、スナイプ級は、前日トップの慶応大が最終日のプレッシャーからか冴えのない走りを見せる中、鹿屋体育大が絶好調のセーリングを見せます。チームとして3レース中1位を2回獲得するなどの大進撃で慶応、早稲田を大逆転。鹿屋体育大がスナイプ優勝を決めました。

「初日、2日目と違い、3日目が終わった後、トップが手に届く位置まで上がってきていました。後ろから追いあげる立場にいたので「自分たちが一番気持ちが楽だよ」と言い合い、リラックス状態でのぞめたのがよい結果につながりました。この大会を通して20番以下の成績を取っていなかったし、他校よりも安定していたと思います。自分たちは、強豪校と違って部員数も少ないし、他流試合も少ない。それでも勝てるんだということを、後輩たちに優勝というカタチで残せたことがうれしいです」(昇主将)

 鹿屋体育大の今年はチャレンジとして、上級生、下級生の壁をなくし、後輩の意見も取り入れるなどして活動してきました。九州予選で470級が敗退し、元津大地がスナイプ級へコンバート。4年同士となる宮本竜成とのチームが本大会で好成績を収めたことも手伝いました。鹿屋体育大は、7年ぶり(2008年西宮大会以来)となるスナイプ優勝です。

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スナイプ級で大逆転優勝を決めた鹿屋体育大。「(優勝を)目標にしていましたが、本当に手が届くとは思っていなかった。でも3日目が終わり、みんなで「これはイケるぞ」と。いい雰囲気で最終日を戦えました」(昇主将)

スナイプ級成績
1. 鹿屋体育大 304P
2. 早稲田大 386P
3. 慶応大 398P
4. 同志社大 427P
5. 関西学院大 553P
6. 日本大 591P

早稲田大が盤石の強さで総合二連覇!

 最終日、注目された総合優勝は、慶応大が低迷するなか関西学院大が浮上しますが、早稲田大は総合力で追随を許さず。470級2位、スナイプ級2位で、2年連続となる総合優勝を獲得しました。

 前年度の優勝スキッパーが残っているとはいえ、春の関東インカレ、早慶戦で慶応大に敗れ、その勢いに押されていた早稲田大ですが、この大会では失格レースもなく、きっちりとしたレースメイクを見せるあたりは、2008年から総合三連覇を果たした時代を彷彿させる王者の風格が感じられます。

「去年のインカレで優勝した後、全員で話し合い「完全優勝を捨て、総合で勝つ」ことを目標にしました。だからこの優勝は、達成感があるし、最高にうれしいです。レースごとに総合成績のポイント差は広げていたので手応えは感じていました。ただ、少ないレースしかできていなかったので、毎日、初日の気持ちで戦うことを意識していました。春に慶応大に負けて、苦しい時期もありましたが、練習を積んでいけば、かならず上にいけると考えていました。チームは強風なら自信ある。ただ、江の島で微軽風戦になることは予想できたし、この風域を重点的に練習してきました。ターゲット風域で崩さなかったのは、練習の成果だと思います」(小泉主将)

 早稲田大は、優秀な経歴を持つ人材が豊富に揃っていますが、選手個人がひとりよがりのプレイに走りがちなることも否定できません。早稲田大ならではなの悩みといえますが、チームを作り上げることは他大学と同じく、時間と労力を必要としました。

 今年は去年と違い飛び抜けた好成績で掴んだ勝利ではなく、両クラスが崩すことなく、じわじわ勝ち取った泥臭い勝利といえます。個々の実力を踏まえれば、華やかさに掛けるものの、「負けない戦い方」を実践した早稲田大は、やはり強かった、と言わざるを得ません。

 大会が始まる前、編集部は今年の早稲田大に“もろさ”を感じていました。昨年、完全優勝を果たし、さらにスター選手が揃っているゆえに過大な期待も多かっただろうし、精神的に追いつめられる立場にありました。そのプレッシャーを押しのけて掴んだ勝利は、チーム力の結晶であり、「真の強さ」を見た思いがします。総合優勝、おめでとう早稲田大!

 第80回全日本学生ヨット選手権の幕が閉じました。80回記念大会、そして江の島開催とあって、例年以上の盛り上がりを見せた本大会。まさに日本一のヨットレースであり、インカレが全国へ与える影響と重要性を感じています。編集部の雑感については、また後日。来年の全日本インカレは蒲郡で開催される予定です。

総合成績
1. 早稲田大 679P
2. 関西学院大 844P
3. 同志社大 887P
4. 慶応大 959P
5. 日本大 1076P
6. 九州大 1084P

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朝から雨にも関わらず江の島にはたくさんの応援が駆けつけました。photo by Junichi Hirai

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恒例の円陣を組んで気合いを入れる同志社大。photo by Junichi Hirai

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毎朝おこなわれた選手ブリーフィング。レース委員会の意図が選手へ伝えられます。photo by Junichi Hirai

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レースは雨、風は北東の微軽風。江の島全日本インカレは、最終日に3レースおこない合計7レースを実施しました。photo by Junichi Hirai

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5回の1位を獲得した関西学院大の神木/小林。「レース前から風の読みが分かるようになってきた。ヘルムの感触も良く、スピードには自身がありました」(神木)。photo by Junichi Hirai

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まさに台風の目となって大暴れした鹿屋体育大。普段は鹿児島県鹿屋市で1校だけで練習しています。photo by Junichi Hirai

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総合優勝が決まり歓喜あふれる早稲田大。レース後の海上、陸上でも早稲田パレードが始まりました。photo by Junichi Hirai

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早稲田大は2008年から三連覇を達成した歴史があります。来年は再び三連覇へ挑戦です。photo by Junichi Hirai


大会最終日ダイジェスト映像。早稲田大、関西学院大、鹿屋体育大各主将のインタビューがあります。大会記録のBlue-Ray又はDVDは下記へお問い合わせ下さい。
http://laylinemedia.co.jp/dvdsale2.html

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