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軽風が続くパルマ・プリンセスソフィア杯。470男子、磯崎・高柳は3位へ

 3月30日、軽風が続く「プリンセスソフィア杯」4日目。470級男女は上位20艇による準決勝が始まり、ショートコースを採用して3レースおこなわれたため、順位変動のある1日になりました。(BHM編集部)

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470、49er男女はビーチ出艇。写真は470級女子のMarina GALLEGO / 吉岡美帆。photo by Junichi Hirai

 パルマ・デ・マヨルカは、本日も軽風です。前日同様に午後から吹き出したシーブリーズを待ってレースが開始しました。風はトラピーズに出るまでに至らないライトウインド。男子の磯崎哲也/高柳 彬は3レースを終えて総合3位へ順位を落としましたが、1位のスウェーデンまで8点差でトップを狙える位置につけています。

 また、今村 亮/外薗潤平は前日15位から11位へアップ。470級女子のMarina GALLEGO / 吉岡美帆は12位へダウン。470級男女は上位8艇が出場できる最終日のグランドファイナルを目指し、大会5日目の残り3レースを戦います。

 本日の注目はレーザー級男子の樋口 碧です。このプリンセスソフィア杯では、樋口、瀬川和正の2選手が予選上位グループで戦うゴールドフリートに進出。これまでのレーザー男子の成績からすれば、134艇出場するビッグフリートレースでのゴールドフリート進出は大きな成長といえます。

 樋口は軽風のゴールドフリートの4レースをRET(42条違反)-2位-RET(42条違反)-1位という、凹凸の激しい結果ながらも印象に残るレースを見せました。樋口、瀬川、北村の3選手は、2月上旬からキプロス、クロアチアで強化合宿を実施。同国のトップセーラーと練習を積んで、この大会へ挑んでいます。

 さて、今年のプリンセスソフィア杯は、レースフォーマットの変更が大きな話題になっています。大会期間中には、各クラス協会、ワールドセーリングのミーティングがおこなわれ、選手、コーチと一緒に「あたらしいレースフォーマット」について意見を交換しています。

 この変更の着地点は「わかりやすいヨットレースの見せ方」にあります。リオ五輪の例(最終日前に金メダルが決まってしまった。ヨットレースのゲーム性がわかりにくい等)は、IOC(国際オリンピック委員会)、ワールドセーリングも共通の認識を持っています。

 レースフォーマットの変更は大きな改革を必要とするもので、今後テストを繰り返す必要がありそうです。このアイデアは多岐にわたり、今回470級が採用しているゴールドフリート20艇 → 8艇で最終レースをおこなう、というフォーマットは保守的な変更といえます。これは、レーザー級、49er級、ナクラ17級もそれほど大きな違いはありません。

 反対に改革的なフォーマットを打ち出したのは、RS:X級とフィン級で、準々決勝、準決勝と敗者が振り落とされ、限定された数選手(RS:Xは3艇、フィン級は5艇)により決勝戦がおこなわれる、ノックダウン方式が採用されています。RS:X級では、この新フォーマットが評価されたならば、今年9月に江の島でおこなわれる世界選手権でも採用する意向があるようです。

 レースフォーマットの変更では、同時に「レースコース」「得点方式」も議論されています。編集部が現地が感じているのは欧州セーリング界の本気度で「変わる」ことを前提としてすべてが動いているように思えました。

 わたしたち日本のセーラー、セーリングファンも、わかりやすいヨットレースへの変更について前向きに考えたい、と編集部は考えています。

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総合3位の磯崎/高柳。スタート前の攻防でスウェーデンにプロテストする場面もあり積極的な戦いを見せています。photo by Junichi Hirai

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レーザーラジアル級のスタート。日本の土居愛実は25位まであがりました。photo by Junichi Hirai

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2度目のイエローフラッグ(失格)でレース海面からはじき出された樋口 碧。しかし、次のレースで待望のトップフィニッシュを決めました。photo by Junichi Hirai

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国際大会と日本のヨットレース運営で違うと感じるのは少ない運営人数でやっていることです。世界選手権やワールドカップのようなビッグイベントでもマークボートはひとりだけ、というのはよくあることで、今回470エリアのスタートアウター担当は10代、20代前半の女子3名(前日は女子2名でした)。現役のユースセーラーが真剣に手伝っています。photo by Junichi Hirai


プリンセスソフィア杯 4日目ダイジェスト。映像提供/レイラインメディア

第48回プリンセスソフィア杯 4日目成績
470級男子 参加56艇
1. Carl Fredrik Fock / Marcus Dackhammar (SWE) 20p
2 . Jordi Xammar / Nicolás Rodríguez (ESP) 26p
3. 磯崎哲也/高柳 彬 28p
11. 今村 亮/外薗潤平 52p
19. 市野直毅/長谷川孝 69p
30. 小泉颯作/野田友哉 81p

470級女子 参加42艇
1 . Silvia Mas / Patricia Cantero (ESP) 18p
2. Mengxi Wei / Yani Xu (CHN) 20p
3. Afrodite Zegers / Anneloes Van Veen (NED) 22p
12. Marina GALLEGO / 吉岡美帆 55p

レーザーラジアル級女子 参加84艇
1. Viktorija Andrulyte (LTU) 46p
2. Tuula Tenkanen (FIN) 49p
3. Evivan Acker (BEL) 51p
25. 土居愛実 120p

レーザー級男子 参加134艇
1. Joel Rodriguez (ESP) 17p
2. Francesco Marrai (ITA) 32p
3 . Elliot Hanson (GBR) 35p
34. 樋口 碧 140p
46. 瀬川和正 177p
75. 北村勇一朗 138p

49er級男子 参加59艇
1. James Peters / Fynn Sterritt (GBR) 43p
2. Diego Botin / Iago López (ESP) 56p
3. Dylan Fletcher Scott / Stuart Bithell (GBR) 65p
34. 古谷信玄/八山慎司 161p

49erFX女子 参加30艇
1. Victoria Jurczok / Anika Lorenz (GER) 29p
2. Helene Naess / Marie Ronningen (NOR) 62p
3. Kimberly Lim / Cecilia Low (SIN) 66p
15. 山崎アンナ/高野芹奈 152p

RS:X級女子 参加58艇
1. Zofia Noceti- Klepacka (POL) 22p
2. Stefania Elfutina (RUS) 24p
3. Marina Alabau (ESP) 25p
36. 小嶺恵美 90p
37. 伊勢田愛 99p

RS:X級男子 参加96艇
1. Iván Pastor (ESP) 32p
2. Mattia Camboni (ITA) 34p
3. Shahar Zubari (ISR) 36p
76. 池田健星 212p
77. 倉持大也 215p

◎48 Trofeo Princesa Sofia IBEROSTAR
http://www.trofeoprincesasofia.org

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