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英プリマス、〈月光〉がJ/24ヨーロッパ選手権で3位獲得!

 我々月光チームは、8月13日〜19日にイギリス・プリマスにて開催された「J/24ヨーロッパ選手権」に参戦してきました。イギリス、ドイツ勢を中心に総勢37艇が参加した本レガッタは、連日6〜8m風が吹き、1日あたり3、4レースが順調に消化され、4日間で12レース行われました。我々の成績は5-8-7-6-1-14-2-13-(31)-3の59点、イギリス、ドイツに次いで3位となりました。(レポート/宮本貴文 月光)

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イギリス・プリマスで開催されたJ/24ヨーロッパ選手権。日本から〈月光〉が出場しました。photo by Robin Price

 本レガッタは、J/24セーラーのヨーロッパ地域No.1を決める大会で、アメリカに次いで大きなフリートを有する同地域を中心に毎年多数の参加があります。今回も地元イギリスとドイツを中心に総勢37艇が参加するビッグイベントとなり、ただ1艇、はるばる極東の国から遠征した我々にとっても、本年9月に和歌山にて開催される世界選手権に向けて非常に実りの多い大会となりました。

 今回の戦いの場は、イギリス・プリマス。ロンドンヒースロー空港から南西方向へ車で約4時間。その昔アルマダの海戦でスペイン無敵艦隊を迎え撃ったドレーク卿率いる英国艦隊が出航した地であり、清教徒たちがメイフラワー号に乗って新天地アメリカへと旅立った港です。西洋史のターニングポイントにその名を刻んでいるプリマスは、小さい港町ながらも歴史と風格を備え、観光に訪れた人々の笑顔が印象的な町でした。

 大会の本拠となるロイヤルウェスタンヨットクラブは、町の南端、張り巡らされた町の高い城壁と、英仏海峡に沈み行く夕日を同時に俯瞰できる一等地に位置し、ヨットクラブのバーでは、海を眺めながらフィッシュ&チップスと美味しいビールを嗜むことができます。

 我々も大会期間中は、毎朝ヨットクラブで提供される出来立てのイングリッシュ・ブレックファーストをアールグレイの紅茶とともに、前日のレースの反省などを軽くしながら頂く、という英国式ヨットライフを余すことなく堪能する事ができました。

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4日間で12レース実施。月光チームは総合3位を獲得しました。photo by Robin Price

J/24ヨーロピアン 初日

 さて、チャーターボートの計測を無事に終え、しばしの海面調査、プラクティスレースを順調にこなし、いよいよレース初日を迎えた我々を待っていたのは、最大10m/sを越える強風でした。海面は南東〜南西方向が英仏海峡に向けて口を開いた湾で、東西方向にはなだらかな丘陵を擁し、北側には東西に長い防波堤が横たわっています。また、プリマスは干満の差が5m近くもあるため、かなり強い潮流の影響も考えなければなりません。

 初日は東の風で、このあと3日間同じ風が続きます。左海面に岸のベンドの影響を受けたブロー帯が見えるのでスタート後左伸ばしてブローを取りにいくのが基本で、スタート後どれだけタックをせずに粘って左海面に寄せれるか、また、時間が経つにつれて風は落ちながら南東に回る予報だったので、右に振れるタイミングの見極めがポイントとなります。初日飛び出したのはイギリスの地元チームと、強風に強いドイツチーム。体重が軽く走りにアドバンテージがない我々も何とか順位をまとめ、僅差の4位で上々の滑り出しを決めます。

J/24ヨーロピアン 2日目、3日目

 同じ風ながら少し風速の落ちた2日目。ようやくチャーターボートにも慣れてきて成績も安定してきました。ブローに上手く乗り、風の右振れも読み切った第5レースでは待望のファーストホームを決め、第4、第6レースも6位、4位と堅実にまとめます。しかし、連日の強風下での3レース+3レースで疲れが出たのか、第7レースでは上手く歯車が噛み合わず14位フィニッシュ。

 上位に残るためには勝負の3日目。ファーストレースは会心の展開で惜しい2位フィニッシュを決めますが、次のレースのスタートで痛恨のケースを起こしてしまい、10%ペナルティがついて13位。第10レースは今度は右のシフトに泣き、何とか這い上がるも17位。悲喜交々の3日目となりました。ただし上位艇もDSQを叩いた為、総合は3位に浮上しました。

J/24ヨーロピアン 最終日

 泣いても笑っても最後の最終日です。今レガッタで初めての西風、且つ微風。得意の風域でジャンプアップに期待が高まりますが、最初のレースでは海面選択を誤り痛恨の31位。3位表彰台も危うい状況となりますが、背水の陣で迎えた最終レース、前回のレースの反省を生かして3位フィニッシュを決める事ができました。

 結果は悔しいものとなりましたが、4日間で12レースという世界選手権より遥かに過密なレース日程、且つ連日の強風の中でビッグフリートレガッタを経験し、チームの立ち位置、我々に今できる事・足りない事は何かを確認できたことは、非常に大きかったと感じています。本レガッタで得た経験をいかに世界選手権の中で生かしていくか、が今後の鍵となってくるでしょう。

 この度の大会では、現地セーラーの方々を始め、J/24ヨーロッパフリートの方々に大変お世話になりました。皆さん本当に英国紳士淑女、親切な方々ばかりで、ヨーロピアンでもない我々をあたたかく迎えて下さり、あらためて世界に広がるJ/24セーラーのつながりを感じる遠征となりました。

 さて9月はいよいよ「和歌山J/24世界選手権」が開催されます。我々もホスト国としての自負をもって、最高の大会にしていければと思います。

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表彰パーティーの月光チーム。photo by GEKKO

◎2016 J24 EUROPEAN CHAMPIONSHIPS
http://www.j24europeans2016.co.uk/

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