Loading

夏の江の島で大盛況!夏期連盟レース

 2014年、夏の江の島。例年通り島は観光客で大賑わい。そんな陸での娯楽には目もくれず、一目散に海に出てゆくのが、我らが関東学生ヨットクラブ連盟所属の熱きセーラーたち。今年も8月19日から23日までの5日間、関東学生ヨットクラブ連盟主催の「夏期連盟レース」が江の島沖にて開催されました。浜辺で戯れる水着姿の美男美女を横目に、いざ出艇!(レポート/関東学生ヨットクラブ連盟 プロテスト副委員長・慶應義塾逗葉ヨットクラブ第59代 近藤優生)

14.09.05_13
毎年夏に開催される夏期連盟レース。写真は団体優勝を果たした慶應逗葉ヨットクラブです

5大学6団体がエントリー。好条件に恵まれた3日間

 我々関東学生ヨットクラブ連盟は、関東を中心とした大学のヨット同好会で組織される連盟で、年間を通して葉山や江の島でレースを開催しています。

 特に夏期連盟レースは、毎年同志社大学所属の同志社ヨットクルージングクラブも加わる上、ここ数年は体育会のヨット部も参加して、1年の中で最も盛り上がるレースです。

 今年は体育会・東京理科大学ヨット部を招き、日大ワイルドジャイブ、早稲田セーリング、慶應ラネージュ、慶應逗葉ヨットクラブの計6団体から24艇がエントリーしました。

 8月20日、いよいよレース初日。夏と言えば微風続きで、鏡のような海面を魚とSUPに追い抜かれつつ漂う季節。忍耐と集中力の要する苦行に勤しまれている事であろうと憂慮していましたが、そんな心配も何処吹く風。

 この日は安定した心地よい季節風が吹き込んできました。好天に恵まれた1日目は無事5レースを消化。この夏、強風による練習中止が相次ぎ、みな鬱憤がたまっていたのか、船同士の接触や審問に持ち込まれるプロテスト騒動なども見受けられましたが、全体としては順調な滑り出しを見せました。

 続く2日目もやや振れを見せるものの安定した南風。この時点では関西から遠征の同志社が団体トップ! 特に注目はトップをひた走る2年生コンビの木村/河田(豆知識:関西では2回艇と呼ぶそうです。2回生だから!)。

 個人部門表彰常連の慶應ラネージュ主将幹部艇、内海/村瀬をわずかに順位で上回り、接戦を見せました。活躍が期待される慶應逗葉の古川/太田や、早稲田セーリングの阿部/水谷は、生憎の沈に見舞われましたが、逆境にめげない精神力と体力を見せ、運営側を沸かせました。

14.09.05_03
2日目第2レース、ワンツーフィニッシュを決めた同志社ヨットクルージングクラブ。JPN4204翠/松谷、JPN3412木村/河田

14.09.05_04
2日目最終第4レースは、上-サ-下-上-下-上-サ-下流し込みフィニッシュのロングコースが実施され、見事木村/河田がトップフィニッシュ。そのときのGPSログ画像です

 各々の艇にドラマを起こした2日目も無事4レース終了。3日目は朝から8m前後の風が入り、選手たちを盛り上げましたが、今回は強風に不慣れな1、2年生が多く出場し、沈艇も続出。

 結局、上マーク付近で11mの風が入った時点でレース終了となりました。この判断に満足しかねたのか、流石は体育会、理科大ヨット部の艇団は練習のため白波立つ沖へと出艇! このときばかりは我々連盟メンバーも運営の仕事を忘れ、セーリングを楽しみたい欲望に捉われておりました。

14.09.05_05
強風域で力強い走りを見せた女子同士のコンビ大石/赤木

14.09.05_06
安定して上位を走り続けた内海/村瀬(慶應ラネージュ)

14.09.05_07
3日目第1レーススタート直後の風景

 いよいよ最終日の4日目。選手にとっては挽回の最後のチャンスとなるところでしたが、この日も朝から力強い南風が入り、レースを断念。その後激しい雨も降り、赤旗出禁(出艇禁止)となりました。

栄えある団体部門優勝は、慶應逗葉!

 結局4日間のうち3日間、計11レースが開催され、23日夕刻から表彰式が行われました。表彰は個人部門と団体部門、2年艇部門とレディース艇(注:女子部員がスキッパーを勤める艇)部門に分けられ、個人部門は上位4艇まで賞が贈呈されます。

14.09.05_08
毎年少しづつ人数の増加を実感できる表彰式。今後もヨット仲間が増えていくことを願うばかりです

 個人部門では初日から速さを見せた、木村/河田(同志社)が堂々の優勝! 2年艇部門と併せて二冠制覇の偉業を成し遂げました。2位には有力候補の内海/村瀬(慶應ラネージュ)が入賞、3位には翠/松谷(同志社)と、今年は同志社ヨットクルージングクラブの強さが目立ちました。

14.09.05_09
個人部門優勝を成し遂げた木村/河田。2人で100kgに満たない超計量2年生コンビ。お見事!

14.09.05_10
個人部門1位、3位と好成績を収めた同志社ヨットクルージングクラブ

14.09.05_11
個人部門2位の内海/村瀬(慶應ラネージュ)。写真下中央のお二方

 4位には慶應逗葉ヨットクラブ内でトップの大石/赤木が入賞。連盟一の大所帯である慶應逗葉を牽引する事になったこちらの艇は、クルー・スキッパーともに女子部員! 見た目の華やかさとは裏腹に、しっかりレディース艇部門も受賞して強かな一面を見せ、ヨットは男女関係なく楽しめるスポーツである事を身をもって示してくれました。後輩女子部員たちの励みや憧れになってくれた事と連盟メンバーも期待しています。

14.09.05_12
レディース艇部門及び個人4位入賞、大石/赤木

 最も注目の団体部門は、平均的に安定した走りを見せた慶應逗葉が受賞。早稲田セーリングと日大ワイルドジャイブは惜しくも各賞受賞を逃しましたが、近年の部員増加の勢いに乗って今後の活躍が期待されるところです。

 結果はどうあれ同好会のレースは安全と楽しむ事が何より大事。表彰式の後は個々のレース中のエピソードを肴に各チーム合同の大宴会! こうして選手側、運営側双方に大きな成長の契機を生んだ夏期連盟レースは、今年も重大な事故が起こる事なく無事幕を閉じました。

14.09.05_14
2014夏期連盟レース成績表

関東学生ヨットクラブ連盟のご紹介

 我々関東学生ヨットクラブ連盟は、各クラブの現役を引退した部員で構成される組織で、葉山と江の島を中心に年間を通してレースを開催しています。

 この先も10月には、早大・慶大・日大の同好会クラブの集う秋季三大学対抗レース、11月には秋期連盟レースが行われる他、部員同士の交流を目的としたパーティーも開催されます。

 所属選手の殆どが大学からヨットを始めた部員で構成され、セーリングを通した人間的成長を目標に現役部員一同日々練習に励んでいます。

 最近はセーリングを楽しむ学生自体が少なくなり、一時は連盟・各クラブともに厳しい状況に追い込まれましたが、現役部員の懸命な勧誘活動により、近年また盛り上がりを見せています。

 特に昨年度は夏期連盟レースに防衛大学ヨット部が参戦し、今年度も理科大ヨット部も交えてレースを行うなど、同好会・体育会の枠に捉われない幅広い活動を通してセーラー同士の交流を図っています。

 連盟外からの参戦は、随時歓迎していますので、興味のある学生団体の方はぜひ御一報下さい!今後もセーリング界を若さで盛り上げていけるよう精一杯頑張って活動して参ります!

◎連絡先 関東学生ヨットクラブ連盟
yacht.usio@gmail.com
◎関東学生ヨットクラブ連盟ホームページ
http://www.usio-online.net/

======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
リスクマネジメント・アルファ
ベイトリップ セーリング
ポール・スチュアート
ベストウインド
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
入船鋼材
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
Velocitek
銚子マリーナ
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ

CATEGORY:  COLLEGEDINGHYINSHORENEWS