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ライフジャケットの点検と落水防止

 バルセロナから戻って間もないバルクヘッドマガジン編集部ですが、今週は相模湾伝統のロングレース、「第62回大島レース」に〈エスメラルダ〉(SWAN42)で出場します。沖縄東海ヨットレースの事故後、セーリングクルーザーに乗る方は、あらためて船や自身の安全装備について再確認していることと思います。わたくしも、船の装備品の確認や各部所のビスの増し締め、ライフジャケット、ハーネス・テザーの点検など再度おこないました。(BHM編集部)


ライフジャケットを膨張させて空気漏れの確認。photo by Junichi Hirai

 沖縄東海の事故では、水を感知して膨張する自動膨張式ライフジャケットが開かなかったことが報告されています。一般的なライフジャケットは、落水などで水につかった場合、(スプールが水に溶けて)膨張装置の安全ピンがはずれ、針でガスボンベを開けて炭酸ガスが吹き出し、浮き輪が膨張します。しかし、関係者に聞いたところでは、事故のライフジャケットはガスボンベを開ける針が接点まで達していなかったとのこと。ネジ式に閉めこむボンベがゆるんでいたのではないか、という話しを聞きました。

 膨張装置のボンベのネジ受けは、プラスチックでできているものが多いようで、ボンベ本体がゆるみやすい特長があります。これは新品だから安心というものではありません。JSAF外洋安全委員会ではウエブサイトを通じて「ライフジャケット点検のお願い」を掲載して、点検やメンテ方法を案内しています。みなさん、ご一読を。

◎JSAF外洋安全委員会
http://jsaf-anzen.jp/

 ただし、ライフジャケットや安全備品は、いざという時に、命を救う手助けをしてくれますが、落水しないことが最大の予防になります。沖縄東海レースの事故当時、風力はそれほど強くなかったものの、強い黒潮と風向の関係で、船の横揺れがひどく不安定だったようです。その際、テザー(自分のカラダと船体をつなぐ命綱)をつけていなかったことが落水の理由です。

 こうしたことは先輩セーラーから口がすっぱくなるほど言われてきたことだし、また自分も荒れた海の危険を経験して、承知していることですが、事故は「ちょっとした油断や気のゆるみ」から起きるものなのでしょう。わたくしも自戒して、十分に気をつけたいと思います。


ライフジャケット内部にある膨張装置のユニットは、使用期限が設けられています。期限切れは交換を。photo by Junichi Hirai

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