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プレイバック・リオ五輪(2)平和と拳銃とオリンピック

 平和の祭典と呼ばれるオリンピック。南米で初めて開催されたリオ五輪では、205カ国・地域、約1万1000人が参加し、28競技306種目の競技がおこなわれました。オリンピックでは政治や宗教的な発言や行動は禁止され、スポーツを通じて人種の壁をなくそうという、世界規模のイベントであることは言うまでもありません。(BHM編集部)

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リオ五輪では競技会場だけでなく街角も警察や軍により警備されていました。photo by Junichi Hirai

 リオデジャネイロは危険だというニュースは、開催が決まった当初から流れていました。リオデジャネイロ日本領事館からは、強盗、窃盗(スリ、ひったくり、置き引き)、スキミング、カード不正利用等の注意喚起がなされ、五輪期間中、日本人の被害は28件報告されたといいいます。

 でも、本当にそこまでひどい町なのかな? と言われると、、、よく分かりません。スポットで訪れる旅行者に、町の真の姿は分かりにくいものです。危険なエリアがあるのは確かで、地元の人には「あの地区には行ってはいけない」と言われたし、盗難も気を付けて、と注意を促されました。

 リオ五輪が、大きな事故がなく終われた理由のひとつは、セキュリティーと期間中の警備にあったと思います。特に大会会場の周辺では朝から夜中まで警備する姿を見ました。彼らは、当然ですが、拳銃やライフル銃を持って警備にあたっています。

 選手や関係者が競技会場に入るには、毎日必ずセキュリティーゲートを通らなければなりません。ゲートでは、IDカード(クレデンシャル)を確認し、空港の保安検査場のように、金属探知機を通して入場します。

 競技場内に一般の人は入場できません。一般の人が入れるのは観客席だけで、セーリングの場合はマリーナ隣のビーチの一角が観客エリアとなりました。ここは単なるビーチなので、特別な座席があるわけではありません。

 そして、マリーナ内のいたるところで、拳銃を抱えたブラジル軍が警備しています。それは、起こる可能性があるテロや事故を想定すれば、当然の警備なのですが、拳銃に慣れていない編集長(日本人)からすれば、やはり怖いし、違和感を感じずにはいられません。

 この風景を見て、平和を掲げるオリンピックの意味を考えてしまいました。安全、平和、スポーツの理想を現実化するために(テロや事件を防ぐために)、拳銃でバランスを保つことがオリンピックです。どこかおかしいな? という気持ちが残ります。

 2020年、東京五輪が開催されます。セーリング競技は江の島でおこなわれることが決まっています。江の島周辺の警備が厳重になることは間違いありません。日本のことですから、事前計画から完璧にこなしてくれると想像します。

 テロや事件を考えれば、自由にオリンピックを観戦することなど不可能だし、安全に大会を終えるために厳重な警備はしかるべきだと思います。しかし、スポーツってこんなに不便なものなのかな、と考えてしまうオリンピックの一面です。

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メダルセレモニー前の警備。photo by Junichi Hirai

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選手、関係者のセキュリティーゲート。photo by Junichi Hirai

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海上警備。外海と内海の境界に1隻、マリーナ近くに1隻が常時警備にあたっていました。photo by Junichi Hirai

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レース海面は完全に閉鎖され、商業船は橋の向こうで待機。レースが終わるまで入港できません。photo by Junichi Hirai

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近くの大型港には空母も停泊していました。photo by Junichi Hirai

◎バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
http://junhirai.photoshelter.com
◎World Sailing Rio 2016
http://www.sailing.org/olympics/rio2016

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