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フロリダ・マイアミでスリリングなセーリング

マイアミで開催されたメルゲス32マイアミ選手権。吹き上がった風とエメラルドグリーンの海が魅力的だ。撮影:JOY/International Melges 32 Class Association

サンケイビジネスアイ・コラム(32)
フロリダ・マイアミでスリリングなセーリング

 3月初旬、アメリカ・フロリダ州マイアミのヨットレースに出場した。冬の時期が長い北米のセーラーは、シーズンオフになると南方の暖かい地方へ移動してセーリングを楽しむ。エメラルドグリーンの海で知られるフロリダ半島マイアミは、人気のセーリングゲレンデだ。

 今回マイアミをはじめて訪れたが、海の美しさと恵まれたセーリング環境におどろかされた。海には野生のイルカが飛び、体長1メートルほどのウミガメが泳ぐ姿も目にした。大会に出場した3日間は、風強く波も高かった。風の弱い日本の海に慣れている身には厳しかったが、美しいロケーションの中で走るパワフルなセーリングは、何物にも代えがたい幸福感を与えてくれた。

 今回出場したのは、メルゲス32クラスという8人乗りキールボートの選手権で、アメリカズカップの挑戦チームも出場するハイレベルな大会だ。わたしたちは日本人4人、アメリカ人4人の日米混成チーム。本大会にはアメリカ、イタリア、日本から20チームが出場した。

 欧米で人気のメルゲス32クラスは、軽量の船体に巨大なセールを上げて滑走するハイスピードボート。走っている感覚は、高速ジェットコースターが脱線しても走り続けているよう、と言っても言い過ぎでないぐらい過激なものだ。波に乗ってサーフィングすると、その速度と不安定さに恐怖を感じるほど。当然ながら操船はむずかしく、一瞬でも気を抜くとブローチング(船が横倒しになること)してしまう。

 メルゲス32は、危険と隣り合わせという言葉がぴったりのヨットだ。こうしたタイプは現代の流れでもあり、これから日本でも増えてくるだろう。すでにこのスピードに取り付かれ、海外で活動している日本人オーナーも数名いる。

 最高のロケーションでスリリングなセーリングを楽しむ。セーラーには、まるでドラッグのように刺激的な魅力だ。(2011.3 文/平井淳一)

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