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フォイリングGC32による欧州サーキット、カウズカップ開幕

 6月24〜27日までイギリス・カウズで「Bullitt GC32 カウズカップ」が開催されています。GC32は、いま世界的な広がりを見せようとしている次世代グランプリレースボートです。昨年よりGC32レーシングツアー(欧州シリーズ)がはじまり、今年のキーウエストレースウィーク(米フロリダ)では、ワンデザインクラスが設けられるなどのニュースがありました。バルクヘッドマガジンでも何度か紹介していますが、いまGC32にあたらしい動きがあるようです。(BHM編集部)

 昨年はアメリカズカップの〈ルナロッサ〉や〈BAR〉がジョイント参戦していましたが、ご存知のようにルナロッサはアメリカズカップから撤退。ほかのアメリカズカップチームも7月からAC45Fによるワールドシリーズがはじまるため、 GC32レーシングツアーには参戦していません。

 ここで登場してきたのは、アメリカズカップを獲得したエルネスト・ベルタレッリ・オーナーの〈アリンギ〉で、時々本家アメリカズカップを遠目に意見しながらも、その流れに加わることなく、エクストリームセーリングシリーズとこのGC32、その他のクラスで精力的に活動しています。

 また、今年からメルジェス32のワールドチャンピオン〈ARGO〉がジョイントしたことでも注目されるようになりました。加熱飽和時期を終えたといえるメルジェス32が、これからどのような方向へ向かうのかが興味深いところで、リーダー格の〈ARGO〉がGC32を選んだことは注目すべきニュースです。国内にも動きがあり、今後要チェックの艇種であることに間違いありません。

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Ernesto Bertarelli’s Alinghi. photo by Sander van der Borch / Bullitt GC32 Racing Tour

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foiling start. photo by Sander van der Borch / Bullitt GC32 Racing Tour

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The Sebastien Rogues skippered ENGIE. photo by Sander van der Borch / Bullitt GC32 Racing Tour

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Fast and furious GC32 on board action. photo by Sander van der Borch / Bullitt GC32 Racing Tour

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Jason Carroll’s Team ARGO 32, here from the USA. photo by Sander van der Borch / Bullitt GC32 Racing Tour


Bullitt GC32レーシングツアー・プロモーション

一般セーラーへ広がるのか?フォイリングボートの現在

 フォイラーモスの登場は、セーリングの世界に革命をもたらしました。フォイリングという考え方は新しいものではありませんが、モスに採用されたことでセーラー一般へ広まったことに間違いありません。フォイルボートはスピード革命をもたらし、現在世界最速記録(65.45ノット)の〈SAIL Rocket〉は、フォイル+アウトリガー+ハードウイングセールです。

 フォイル(ダガーやラダー)をつければ飛ぶのか? といった実験的改造もおこなわれるようになり、14フッター、18フッター、レーザー、ウインドサーフィン、カイトボード、足こぎボート、ソーラーボートなどもフォイリング化に成功しています。

 2012年には、エミレーツ・チームニュージーランドがAC72のフォイリングに成功し、アメリカズカップ本番では、オラクルチームUSAと驚愕のフォイリングバトルを繰り広げました。このイベントは衝撃的ではありましたが、わたしたちセーラーには夢のような出来事、と感じたことは否定できません。これまでのヨットとは、別の乗り物という印象でした。

 しかし、アメリカズカップ後、フィリングボートの研究開発に拍車がかかり、モスやAクラス(一人乗りカタマラン)、フォイリング・カイトボードが改良を重ねて時代を牽引しながら、フライングファントム、ナクラ20、GC32といった新艇種が登場しています。

 また、アメリカズカップのワールドシリーズでは、AC45を改造したワンデザイン・フォイリング艇「AC45F」が採用されることが決まっていて、さらに本番でも企画されていたAC60からサイズダウンされるフォイリングカタマラン(AC48?)でおこなわれることが発表されています。

 いまフォイリングボートは猛スピードで更新されています(個人的には東京五輪でナクラ17が改造さてフォイリング化するのではないかと予想しているのですが、そんなニュースはどこからも入ってきていません。でも、ありえないことではないでしょう?)。船の構造や性能、強度、船価を含めて、これからどのような形で一般セーラーへ伝わってくるのかが注目されます。

Bullitt GC32 Racing Tour
http://www.gc32racing.com/

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